日本人より収入の低い香港人が、日本人より多くの資産を持てる理由
現在、日本人の平均年収は400万円ほどです。 それに対し、香港人の平均年収は約240万円。 生涯賃金で考えると、実に7000万円もの差があります。 (参考ブログ:海外での日本語学習事情) では、60歳時点で1億円以上の資産を持つ人の割合はどうだと思います? 驚くべきことに、日本人が約10%であるのに対し、香港人は約17%もいます!! 生涯賃金は圧倒的に日本人の方が多いのに、老後の資産は香港人の方が多いのです。 香港の金融機関で働いていた時、僕はこの話を聞いて衝撃を受けました。 理由は主に2つあります。 1つ目の理由は、資産運用の考え方が違うことです。 日本人は「資産運用」と聞くと、「お金を増やす方法」をイメージするでしょう。 しかし香港人は、「お金を減らさない方法」をイメージします。 香港はこれまで、イギリス・日本・中国と様々な国から、植民地支配を受けてきました。 そして、そのたびに政府が変わり、国民の富が奪われてきたのです。 そのため、香港人は「資産を守る」ことを、まず第一に考えます。 したがって彼らは、資産運用をプロに任せることが多いようです。 専門家の手によって長期分散投資を行い、資産が減る可能性を最小限に抑えようとします。 実際、香港は金融業が盛んで、そういったサービスはたくさんありました。 それに対し日本人は、株でも不動産でも、一極集中で資産を持つ傾向にあります。 そしてさらに悪いことに、自分自身の手で一発当てようとするのです。 それで成功している人もいるでしょうが、人数はそんなに多くないでしょう。 2つ目の理由は、お金に関する教育の違いです。 香港では、イギリス統治時代に、欧米の教育システムが整備されました。 そのため、「お金の教育」が学校のプログラムに入っています。 それに対し日本では、「お金の話」はタブ―視されています。 教育の現場で、株や借金の話をすることはまずありません。 それでも良かったのは、過去の日本は、社会保障がすごく立派だったからです。 退職金と年金があれば十分に老後を過ごすことができたので、勉強をする必要がなかったんですね。 まあ、今はご存じのとおりですが・・・ お金の教育を十分に受け、運用のプロにお金を預ける香港人。 お金の知識が不十分なのに、自分で運用しようとする日本人。 ここらへんが、60歳になった時に大きな差となって表れてくるのでしょう。
written by ゆきひろ この記事を筆者のサイトで読む



