シンプルにしておけ、このバカ! 人は「複雑なものほど優れている」と考える傾向にあり

「KISSの原則」ってご存知ですか?
「Keep It Simple, Stupid!」の頭文字を取ったもので、直訳すると「シンプルにしておけ、このバカ!」という意味です。
この言葉はシステムエンジニアの間で使われています。
「システムを作るときは、不要な複雑性を避けた方が良く作動する」ということを示唆しているみたいですね。
SEのことはよく分かりませんが、相場の世界にもこの原則は通用します。
人は「複雑なものほど優れている」と考える傾向にあります。
例えばトレードの手法を2つ並べてみましょう。
・今日の最高値を超えたら買う
・15分足の34EMAとN字プライスアクションを基準にエントリーを行う
なんか後者の方が凄い!って感じがしませんか?w
しかしトレードにおいては、複雑な手法ほど実際は使えなかったりします。
僕が考えるその理由は、以下の通りです。
1.ミスが発生しやすい
複雑な手法であるほどトレード前の確認事項が多く、迷いが生じやすいので、ルール通りの運用が困難になる。
2.収益機会が少なくなる
たくさん条件があると、それらの条件を全て満たす時が来るまで待たねばならず、トレード回数が少なくなる。
3.変化に弱い
複雑な手法は過剰最適化されているパターンが多く、市況が変化するとパフォーマンスが落ちやすい。
僕も最初、自分のトレードシステムを作った時は、この罠にハマりました。
良いシステムを作ろうと頑張っているうちに、どんどん複雑な仕組みにしてしまったのです。
最終的にものすごく立派なものが出来上がったのですが、いざ実戦投入してみると、これが全然ダメw
結局は自分が当初使っていた、移動平均線とラインだけで戦う、本当にシンプルな手法に戻ることとなりました。
この詳しい経緯については、
本当は残酷な起業
「魔」が僕を太らせた!
に書いてあるので、良かったらぜひ見てください!
馬鹿な奴は単純なことを複雑に考える。
普通の奴は複雑なことを複雑に考える。
賢い奴は複雑なことを単純に考える。
ー稲盛和夫(京セラ創業者)
「シンプルにする」というのは、単に減らすことではありません。
とことん考え抜き、工夫して、不要なものを丹念にそぎ落としていく作業です。
そうしてできたものは本質を突いた、美しいものになります。
何かに行き詰ったときは、シンプルに考え直してみるといいでしょう!



