95％の人が退場していく理由、それは、人間はプロスペクト理論を抱えたまま、教育と環境で洗脳されているが故

トレードは人間がするから95％の人が退場していくのだ。
FXというものの存在を知ったときに、わたしは「かんたんだ」と思った。そして口座を開き、やってみると、これが思った以上に愉しい。1万円が数分で手に入る。打ち出の小槌かと驚いた。
しかし、何故だか、次第に負けが多くなってくる。疑問が生じれば勉強だ。次々本を買い、知識を得て、オシレーターで一杯になったチャートに雲まで出てくると訳が分からなくなった。
最初は皆が通る道だと思う。そのうち自分と相性の合いそうなオシレーターだけが残っていく。RSIの意味をネットで調べ、フィボナッチを学び、知識を得た心は勇気凛々でチャートに臨むが、時折大きく損失を出すので、利益は出ない。損失も出ない。夕方4時から朝の4時までチャートの前に座り続けて、ある日倒れる。これは私の話である。
過酷な取引が堪えたのではない。本能に逆らわなければ勝てない状況が心を崩壊させたのだ。プロスペクト理論だ。
同じ金額でも利益と損失を比べると、損失に対する痛みが大きく感じられる人間は、早く安堵を得ようとする。チキン利食いが起きる。さらに売って駄目、買って駄目、と損失が増えてくると、痛みに対する閾値を超えてしまい、ロットを上げて勝負する。明け方にやけくそになった鶏だ。これは破産への近道だ。
もっと自由になろう。知識は学ぶべきだが、1度学べば捨ててしまうことだ。損切りの経験は積むべきだが、損切ったら忘れてしまおう。取引の記録はつけた方がいいが、反省などせずに、愚かな自分を笑ってしまおう。
さて、今からすることは、
自分なりの売買ルールを構築する構築したルール通りの売買を実口座でする取引の記録をつけるルール通りに自分が取引できたかを振り返ってみる
全て出来ていて、損失が続くのならルールが間違っている。ルールを見直せばいい。 しかし、たいていの場合はプロスペクト理論のために決めたルール通りの取引が出来ていない。取引記録をつける意味はここにある。また、実口座で取引しないとプロスペクト理論は生じないので、デモ口座での練習など無駄だ。
教育をまじめに受けてきた人ほどプロスペクト理論が強く表れる。利益=正解という妄想がプログラムのように頭に染みついているからだ。正解を出せば、テストでいい点が貰え、人にも褒められる。この習性から抜け出せない。
だから95％の人は退場する。この事から抜け出すには2つのことをする。
ひとつは日常の思考の癖を変える。物事を正しいとか間違っているとか二元論で判断しない。テスト用紙に真っ赤な○や大きな×をつけられ続けてきた人間には二元論がこびりついている。損切りは×ではない。決められたルール通りの単なる決済だ。このことを受け入れられる心にするために二元論を捨てる。
もうひとつは、ロットを10分の1にすること。これを言うと、それでは儲けられないという人が多いが、負けている現状を受け入れないにもほどがあるというものだ。損失に対する恐怖がチキン利食いを生むのなら、恐怖を感じないロットで取引すればいい。そして、少しずつゆっくりとロットを上げてゆく。潜在意識に見つからないようにね。
人間はプロスペクト理論を抱えたまま、教育と環境で洗脳されている。95％の人が退場していく理由のひとつがここにある。
転換時に積極的に


written by 渋柿