誤ったインディケータの使い方で損しないために(ボリンジャーバンド)
ボリンジャーバンド指定期間の標準偏差を計算しては移動平均線を中心にして上下のバンドを描く。標準偏差は1σ,2σと好みの設定できる。
正規分布を前提にすると、1σの範囲には68.27%、2σでは95.45%、3σでは99.73%のデータがこれらの範囲に入る。
故に、ボリンジャーバンドを使って2σで逆張りを仕掛けるトレード手法もあるようだ。ただ、この手法をやると例外は4.55%しかないはずなのに、頻繁に2σを割る経験をする。
下のチャートはEURUSDの1分足のチャートに期間20の2σのボリンジャーバンド(黒)と期間300のボリンジャーバンド(赤)を表示した。
EURUSDの1分足のチャートに期間20の2σのボリンジャーバンドで逆バリをやると水準が大きく変動することで、頻繁に元の2σのバンドを超えて価格が変化することが分かる。
これは誤った理解から来ている。タイムホライズン(投資期間)の概念が1分足のボリンジャーバンド2σを使うときに、抜けている。1分足のボリンジャーバンド2σは、今後1分間に全てのデータの95.45%はこのレンジに収まりますということなのだ。仮に平均保有期間が15分とするなら、逆張りが機能するか否かは別問題として、15分足のボリンジャーバンド2σを使うべき。1分足の期間300のボリンジャーバンドを、簡便的に15分足のボリンジャーバンドの代替としてみる。(20期間×15分=300)
これを見ると、ボラティリティがない状況では、右サイドのように15分足の2σの逆張りは機能しそうに見えるが、左側のボラティリティが大きい場面では、もとのレンジ幅を超えてバンドが拡大するので、やはり逆狩り戦略はロスカットにありそうなことが分かる。
written by まつり




