ICT理論 × 機関投資家・スマートマネーシリーズ|その⑥『PDA(Premium / Discount Array)で相場の割高・割安を見極める』
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1. 前回までのおさらい
これまでの記事では、ICT理論の基礎となる主要な考え方を紹介してきました。今回は、それらの基盤ともいえる PDA(Premium / Discount Array) を取り上げます。2. PDAとは何か?
PDAとは、Premium / Discount Array(プレミアム/ディスカウントの配列) の略称で、相場が「割高」か「割安」かを判断するためのフレームワークです。使い方は以下の通りです。
①直近の 高値(Swing High) と 安値(Swing Low) を取る
②その間に フィボナッチを引く
③50%ライン を境界とし、
上半分 → Premium(売り場候補)
下半分 → Discount(買い場候補)
3. PremiumとDiscountの考え方
Premium(プレミアムゾーン/割高領域)市場が「割高」とみなされやすいゾーン。
→ 売りを狙いやすい。
Discount(ディスカウントゾーン/割安領域)
市場が「割安」とみなされやすいゾーン。
→買いを狙いやすい。
PDAを使えば「どこで買い・売りを仕掛けるべきか」をシンプルに整理できます。
4. 実践への応用例
PDAは単体でも役立ちますが、他のICT概念と組み合わせることでさらに精度が高まります。Order Block(OB)× PDA
Premiumゾーンに来たら「ベアリッシュOB」を探す → ショート狙い
Discountゾーンに来たら「ブルリッシュOB」を探す → ロング狙い
FVG × PDA
Premium側のFVG → 埋め戻しからショート
Discount側のFVG → 埋め戻しからロング
Liquidity × PDA
流動性プールがPremium側にあれば → 狩り後に反転ショート
流動性プールがDiscount側にあれば → 狩り後に反転ロング
5. マルチタイムフレームとHTF PDA
PDAを活かすための最大のポイントは、HTF(Higher Time Frame=上位時間足) を基準にして、LTF(Lower Time Frame=下位時間足) でエントリーを探すことです。時間足のセット例(推奨ペア)
月足 PDA → 週足/日足
👉 長期の流れを把握、スイング狙い
週足 PDA → 日足/4時間足
👉 中期の方向感を確認
日足 PDA → 4時間足/1時間足
👉 スイング~デイトレードの基盤
4時間足 PDA → 15分足/5分足
👉 デイトレードの王道パターン
1時間足 PDA → 5分足/1分足
👉 短期トレード・スキャルピング向け
HTF PDAが「環境認識」、LTFが「タイミング取り」 という役割分担です。
5. マルチタイムフレームとHTF PDA
ここで重要になるのが HTF(Higher Time Frame)=上位時間足 の概念です。PDAはどの時間軸でも引けますが、「上位足のPDAで相場の環境を認識し、下位足でエントリーのタイミングを探す」という組み合わせが最も効果的です。具体例
日足のPDAを基準にして → 4時間足や1時間足で狙いどころを探す
4時間足(HTF PDA)を基準にして → 15分足や5分足でエントリーを計る
👉 HTF PDAは地図のようなもの
上位足のPDAが「全体の方向性」を決め、
下位足の動きは「その中でのエントリーポイント」を示します。
6. まとめ
PDA(Premium / Discount Array)は、ICT理論における 割高・割安の基準点 です。これを活用することで:無駄な高値掴み・安値売りを避けられる
OBやFVGとの組み合わせで精度の高いエントリーが可能になる
HTF PDAを基準 として、下位足のエントリーに一貫性を持たせられる
👉 PDAは「環境認識」と「エントリー精度」をつなぐ架け橋。ICTを実践に落とし込む最強の武器 です。
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