ICT理論 × 機関投資家・スマートマネー|その⑤『四半期理論(Quarterly Theory)解説』
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1. 前回のおさらい
これまで紹介してきたICT理論(ICT Concepts)は、アメリカのトレーダー Michael J. Huddleston(マイケル・J・ハドルストン) が提唱したもので、相場のアルゴリズム的な動きや流動性(Liquidity)、オーダーブロック(Order Block)、フェアバリューギャップ(Fair Value Gap)といった概念が体系的に整理されたものです。世界中のトレーダーに影響を与えたこの理論を土台に、新しい応用的な手法が数多く生まれました。今回紹介する 四半期理論(Quarterly Theory) もその一つで、「時間の切り分け方」に焦点を当てた考え方です。
2. 四半期理論(Quarterly Theory)の基本
四半期理論とは、相場の時間を四つの区間に分けて考える手法。例えば「日足」を例に取ると、1日を6時間ごとに区切ってアジア・ロンドン・ニューヨーク・午後の4つのセッションに分ける、といった具合です。
このように市場を時間で分解することで、「どの時間帯に動きが出やすいか」「どの時間帯は調整に入りやすいか」といった相場のリズムを理解できます。
重要なのは、この区切り方がフラクタル(Fractal)であることです。不落撮るとは、トレードの世界では主に チャートパターン を表します。フラクタルは、1年でも1日でも、同じ「四つの区間」という構造を繰り返し持っているのです。
3. フラクタル構造の具体例
四半期理論では、以下のように時間を4つに分割します。
年サイクル(Yearly Cycle):1年を3か月ごとに分けて4区間
月サイクル(Monthly Cycle):1か月を1週間ごとに分けて4区間(ただし、月初めに不完全な週がある場合は除外)
週サイクル(Weekly Cycle):月曜・火曜・水曜・木曜をそれぞれ1区間にし、計4区間(金曜は別の役割を持つため含まない)
日サイクル(Daily Cycle):1日を6時間ごとに分けて4区間(アジア・ロンドン・NY・午後のセッション)
セッション(Trading Session):各セッションをさらに90分ごとに4つに区切る
4. Q1の役割とトゥルーオープン
四半期理論で特に注目されるのは第1四半期(Q1 / First Quarter)です。Q1はその後の相場展開を占う「バロメーター(Barometer)」として機能します。
Q1が大きく動けば → Q2は調整(Consolidation)しやすい
Q1が小さければ → Q2で拡大(Expansion)しやすい
さらに「トゥルーオープン(True Opening)」という考え方も欠かせません。
これは各サイクルにおける第2四半期の始まりを基準点(Reference Point)とする考え方で、売買判断の重要な指標になります。
5. 日本時間での代表的なトゥルーオープン
四半期理論では「トゥルーオープン(True Opening)」が特に重要です。これは各サイクルの第2四半期の始まりを基準点とするもので、売買の判断基準になります。強気(Bullish)の場合は「トゥルーオープン以下で買い」、弱気(Bearish)の場合は「トゥルーオープン以上で売り」を意識する、といった使い方が可能です。日本時間(JST)に換算すると、代表的なトゥルーオープンは以下の通りです。(以下、すべて日本時間で表示)
年(Year):4月の最初の月曜 13:00
月(Month):第2月曜 13:00
週(Week):月曜 07:00
日(Day):毎日 13:00
アジアセッション(Asian Session):08:30
ロンドンセッション(London Session):14:30
ニューヨークセッション(New York Session):20:30
午後セッション(Afternoon Session):02:30
6. 90分サイクル(日本時間 / JST)
各セッションは、さらに90分ごとに4つのクォーターに分かれています。以下は日本時間に換算した表です。
アジアセッション(Asian Session)
Q1:07:00 – 08:30
Q2:08:30 – 10:00
Q3:10:00 – 11:30
Q4:11:30 – 13:00
ロンドンセッション(London Session)
Q1:13:00 – 14:30
Q2:14:30 – 16:00
Q3:16:00 – 17:30
Q4:17:30 – 19:00
ニューヨークセッション(New York Session)
Q1:19:00 – 20:30
Q2:20:30 – 22:00
Q3:22:00 – 23:30
Q4:23:30 – 01:00(翌日)
午後セッション(Afternoon Session)
Q1:01:00 – 02:30
Q2:02:30 – 04:00
Q3:04:00 – 05:30
Q4:05:30 – 07:00
このように整理すると、「相場がどの時間に、どのクォーターにあるのか」がひと目でわかるようになります。
7. まとめ
四半期理論(Quarterly Theory)は、ICT理論を土台に発展した時間管理の手法です。相場を時間で分解することで、ランダムに見える動きにも一定のリズムや規則性を見出すことができます。
前回のICT理論で「市場がどう動くのか」を学んだ方は、今回の四半期理論で「市場がいつ動くのか」という視点を得られるでしょう。
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