【6/30(月)】6月末の相場と7月以降の今後の相場分析
トピックス
ドル円は利下げ観測で円高バイアス、米指標と米政権リスクが重し。
米景気減速&年内利下げ観測がドル安圧力を強める一方、日本は金融緩和の長期化見通し。
米政権の貿易政策やヘッドラインニュース次第で、相場は上下に振れやすい。リスクオンで株高・円売りも、上値は限定。
世界株高・日経平均半年ぶり4万円台など株式市場は強いが、米利下げ観測や関税・外交リスクで為替はトレンドの明確化に乏しい。
レンジ感が強い1週間。週後半の“イベントラッシュ”に注意。
世界中銀トップが集うECBフォーラム、日銀短観、米雇用統計(7/3)など「指標で相場が変わる」週。
各通貨ペアともレンジをブレイクする可能性あり、ボラティリティ急拡大に備えたい。
先週(6月27日)までの相場状況(為替・債券・株式)
為替市場
ドル円は、米早期利下げ観測で上値の重い展開。
144円台前後で週末を迎え、昨年9月の「米利下げ転換」と似た“戻り売りバイアス”が強まる。ユーロドルは米金利低下とユーロ圏景気底入れ期待で上昇基調。
1.17台で週末を迎え、今年春以降の高値圏を維持。ユーロ円・ポンド円ともに、高値圏。
ユーロ円は170円に迫り、ポンド円も198円台目前と2015年以来の高水準。
債券市場
米10年債利回り: インフレ鈍化→一時4.28%台まで上昇も、先週末はFRB利下げ観測で再び低下。全体として年初来レンジ下限寄り。
日本10年債利回り: 1.425%台(先週末)と昨年来の高水準。日銀の正常化期待が後退しつつも、短観前で神経質に推移。
欧州債: ECB追加利下げ観測は一服。フランス政局リスクやドイツ景気の底打ち期待が混在し、中長期債には底堅さ。
株式市場
日経平均は半年ぶりの4万円台を回復、TOPIXも最高値圏。日本企業決算への安心感・米中摩擦緩和期待も後押し。
米S&P500指数は過去最高を更新、ハイテク株主導。リスク資産への資金流入が進むが、過熱警戒も強まる局面。
金・原油: リスクオンで金は軟調、原油は中東リスク低下で下げ一服。
アナリスト・ストラテジストの見解の変化
米利下げ観測(7月説も台頭):
「7月のFOMC利下げは“意外にあり得る”」との声(関西みらい銀行・石田氏)。昨年9月のような“サプライズ利下げ”と米指標悪化の類似性を指摘。ドル円は140円台前半も射程に。
三井住友銀・鈴木氏「米中関税休戦や税制法案の朗報は一時的で、米景気失速の兆しがドルの戻り売り優勢に」。
相場予想レンジはやや下方シフト:
石田氏「今週のドル円は143~146円」、鈴木氏も「142~147円」と、いずれも円高側に軸足。市場の下振れ警戒が強まった。
「レンジ型・材料待ち」感が強い:
主要メディアのモデル予測(ブルームバーグ)でも「141.95~146.50円」。ヘッドラインでの一時的な“行って来い”が繰り返されやすいとの見方。
リスクイベントは週後半に集中し、材料待ちで膠着感が強まるとのコンセンサス。
本日(6月30日(月))東京市場の動向
ドル円は朝方に144.60円前後で推移し、前週末比13銭の円安・ドル高。
ただ、FRB利下げ観測と輸入実需が拮抗し大きな動きは出ず。ユーロ円は169.45円前後、前週末比21銭の円安・ユーロ高。
株高・リスクオンで円売り進行も、米指標待ちで様子見強い。日経平均は4万円台を維持し続伸。
東京時間は四半期末の需給要因も加わりやや円売りが先行したが、昼以降はイベント待ちで静かな展開。マーケットの声:「米利下げ観測で日米金利差縮小を意識しやすいが、貿易問題のヘッドラインに神経質」「イベント前の“材料待ち”で実需フローが目立つ」等。
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