とあるおじさんの大暴落~相場はそんなに甘くない~
去年は中盤にかけて、市場はアメリカの利上げ期待から円安が進み日経平均株価も2万円台をキープしていた。
あの頃の相場といえば
米ドル/円は135円到達あり!
などかなりのドル高を示唆するエコノミストも居たりして、日経平均株も
「そんなに上がるなら買ったら儲かるんじゃないの?」といった雰囲気が未経験者にまで広まり、初めて株を買ってみたなんて人も多いと思う。
おじさんの末路
そのような強気相場であったちょうど一年前頃、まだ生後5ヶ月頃の息子を抱っこしながら公園のベンチで相変わらず私はボーッと座っていた。
小さな赤ちゃんを抱っこしていると知らない人が「あら可愛いわね」なんて言いながらよく話しかけてくれる。
私の頭の中はいつも相場分析やその他妄想に溢れているが、実際のところ結構なコミュ障なので「あっありがとうございます〜。・・・。」くらいの会話しか成り立たない。
そしてそんな中その日も知らないおじさんがウキウキした様子で私の元へ近寄ってきた。
「赤ちゃん可愛ええな〜!せや、姉ちゃん聞いてや。俺な最近株で200万勝ってん。見て、今おろしてきてん」
とそう言い初対面の私に札束を見せびらかしてきた。
もちろんそのおじさんは私が専業トレーダーである事は知らずに話しかけてきただろう。
私は「わぁすご〜い!」なんて返事をした。
おじさんはニヤけ顔に拍車がかかったように喜んでいた。
「まぁたまたまや〜!俺も初めたばっかりやねんけどな〜!株って簡単に稼げるからびっくりやで〜!ほな!」
本当にそんな感じの事を言い残しそのおじさんは去っていった。
そしてその数ヶ月後チャイナショックと名がついた暴落相場が世界の市場を荒らした。
あのおじさん大丈夫かな?私の頭に一瞬蘇った。
その後も日経平均株価の復活は乏しく、経験がまだ少なく
「まぁまたいつか上がるだろう!アベノミクス万歳!」
なんて軽く考えていた人なかなか損切りに踏み切れずかなりの損失を負った事だろうと思う。
相場はそんなに甘くない
トレード未経験者もしくは始めたばかりの人の中には
「FXはようは上がるか下がるかだから、ほっといたらいつか利益になるんじゃない?」
そういう考えを持っている人もいる。そういう甘い考えから入る人は、やり続ければいずれ必ず思い知る事になるにが「相場はそんなに甘くない」という事だろう。
私も今まで何度負けて何度思い知ったことだろうか。
あのスマイリーなおじさんのように"偶然"上昇の波もしくは下落の波がきて"偶然"大金を手に入れる可能性はもちろんある。
しかし今も昔も変わらない法則、それこそが「相場はそんなに甘くない」という事だ。相場を甘くみていると"必ず"いつか痛い目をみてしまう。
前回のコラムでも書いたようにトレードをしていると、どうしても「利益」にこだわってしまう。
人間の欲である事だから仕方のない事だ。
しかしトレーダーで在り続けたいならば「偶然獲れた大きな利益」よりも
「しっかり分析を行いその通りにトレードをした結果、わずかなpips・小さな利益ではあるがトレードをした意味のある利益」に喜びを感じるべきだと私は思っている。
この事を頭に入れてから、
- 「獲り逃し」
- 「損切り」
- 「早すぎた利確」
などに対してあまり悲観しなくなった。
なぜなら それら全ては事前の分析に基づき自分自身に従った結果であり、その結果がどうであれ「トレーダー」としての行動として、何も間違っていない
と確信しているからだ。
よろしいですか?