(6/3~6/6)重要イベント目白押しの今週の相場見通し
今回のヘッドライン
円買い再燃
トランプ米大統領の追加関税案と弱いISM製造業指数が重なり、リスクオフで円が全面高。
植田総裁の「無理な利上げはしない」発言で円売り戻しもみられたが、上値は限定的。
ドルの2大逆風
追加関税=コストプッシュ → 景気下押し & 利下げ観測 → ドル売り圧力
財政赤字拡大 → 米債利回り低下 → 金利面の魅力度低下
ユーロは“利下げでも相対優位”
ECBは6/5に追加利下げ見通しだが、米国が年内により大幅な利下げへ向かうとの観測が強く、両地域の金利差はむしろ縮小方向。この“ギャップ縮小”が中期的にユーロの下支え要因に。
ポンドは高金利通貨の地位維持
BOEは5月に1段階利下げ済み。今後は「データ次第」で静観姿勢が続く公算で、金利面の優位性がポンドを支援。
今週のトリガー3本柱
ECB理事会(5日)
米雇用統計(6日)
日銀副総裁講演+家計調査(7日)
昨日(6月2日(月))までのマーケット動向
為替
ドル指数(DXY):5月末比▲1.2 %、1ヵ月半ぶり安値圏へ。
ドル円:146.2 → 142.3円(3営業日で約4円下落)、東京で143円台へ自律反発。
ユーロドル:1.1300–1.1450ドルのレンジ。
ポンドドル:1.3300→1.3450ドルへ続伸。
債券
米10年債利回り:4.56 % → 4.41 %(安全資産買い・弱いインフレ&ISM低迷)。
独10年債利回り:2.60 % → 2.45 %(ユーロ圏CPI鈍化観測)。
日本10年債利回り:1.56 %前後で乱高下(国債発行発行計画を見直し観測→巻き戻し)。
株式
S&P500:ISM悪化でも小幅高「利下げ期待で下値硬い」。
日経平均:37,300→36,900円へ調整、円高で輸出株が重し。
VIX指数:16台に上昇、イベント警戒感が高まる。
アナリスト・ストラテジストの最新の見解
ドル円(円高バイアス)
みなと銀行:
「141–145円レンジを想定、上値の145円より上では戻り売り優勢」
「日米通商協議で“円安是正”項目が再浮上すれば140円方向へ揺り戻しやすい」
SMBC(チーフ為替ストラテジスト):
「米長期金利が先行き低下しやすく、ドル円は145円回復が難しい」
「ただ4月安値139円台を割るには日銀の追加タカ派シグナルが必要」
ユーロ(上値抑制も底堅い)
ING:
「6月・9月に0.25 %ずつ利下げし年後半は打ち止め」
「FRBが利下げ局面入りすれば“相対金利差”で2025 年前半は1.13–1.16 レンジを維持しやすい」
ポンド(高値警戒だが基調は強い)
バークレイズ:
「BOEは追加緩和に慎重で金利据え置きが続く」
「1.36ドル突破には米指標失速が必要だが、中期的にポンド強含みは妥当」
本日(6月3日(火))の 東京市場ダイジェスト
09:00—11:00
植田総裁「先入観なく判断」→ “急ぎ利上げせず”解釈 ⇒ ドル円143.37円へ戻り高。
11:00—14:00
トランプ・習協議の報道で株安一服、TOPIX下げ渋り。
円買いが再燃しドル円143円割れへ。
15:00 引け
ドル円143.12円、ユーロドル1.1374、ポンドドル1.3431。
通貨ペア別短期の見通し
(1) USD/JPY(ドル円)
ファンダメンタルズ
追加関税・ISM悪化=ドル売り+リスクオフ円買い。
140円割れは実需 & 当局に加えオプションノックアウト・バリアが控え厚い支持。
テクニカル
下降チャネル上限=144.00円、下限=140.50円。
目先サポート142.00、割れると141.20/140.50。
想定シナリオ
ベース:143円台後半で戻り売り優勢、目標142円。
リスクオン反発:米中協議進展 → 144円を目指すか。
雇用統計弱:140円前半へ急落、140円維持できなければ138円台も視野。
Is it OK?