【GOLDフカボリ】※過去記事再投稿:GOLDの Buying Climaxを深掘りする
こんにちはトレーダーの天元です。
トランプ関税相場は当初の思惑とは別の方向へ加速したようです。
『米国売りのトリプル安』です。
米ドルはどうなるんだということが注目されてますが逃避先になっているGOLDについてもさすがに一方的に急騰しすぎた感があります。
長期でみればまだまだ上げていきそうなGOLDだからこそ『調整』が必要なわけです。
ひと時のGOLDバブルということではなく今後もGOLDが強いだろうと思えるファンダメンタルズ材料が複数あります。
だからこそ『強気で買ってればいい』という選択肢一択ではなく、GOLDで財を成すつもりで徹底的にフカボリしていきましょう。
そこで今回のフカボリテーマは『GOLD買われ過ぎなのか?』というテーマです。
では早速分析していきましょう!
◉現在のGOLDのチャート分析
注目ポイント①調整
調整という押し目を形成しながら上昇していたGOLD。
2009年以降の天井形成と手前で発生するピーク感を確認し条件面から調整の有無を見てみます。
〇私が注目したいのは月足における天井形成の条件です。
1.RSIの買われ過ぎ領域
月足
確かにGOLDは上昇トレンドで上げて今ましたが…2011年、2020年の共に8月に上げ止まりをみせました
月足のRSIで80以上という過熱感です
2.RSIの移動平均線が80を超えた時にピークを迎えています。
2009年以降RSI移動平均線が80を超えたのは今回の急騰を含めれば3回です。
過去2回はどちらも天井形成となりました。
1のRSIが80を超えるだけという点なら8回も発生しており天井形成と判断するには信頼度が落ちます。
しかしRSI移動平均線も80を超えるという条件を追加すると天井形成の判断基準としては精度が高くなります。
3.RSIと移動平均線のデッドクロス発生時のプライスアクションは?
RSIを拡大しました
1回目は大陰線(2011年9月)
2回目は上ヒゲピンバー(2020年10月)
どちらも上を否定するプライスアクションです。
当時の日足を確認します。
〇2011年9月
あえて月足の分析チャートを日足に変更かけてます
日足ではダブルトップ形成で10日安値を割れてることが分かります
月足を重ねてますが8月の陽線を9月は高値更新後に安値更新でアウトサイドバーが発生してます
遅行線が値動きの強さと失速を表している。
チャートに注釈いれましたが遅行線とロウソクのデッドクロスが発生した時の
遅行線を左に転載しました。左の山は急騰していってますが
押し安値を割れて以降は上値重く失速しています(遅行線は終値ベースなのでヒゲ割れは非表示)
天井後の調整幅と期間
週足で表示してます
〇2020年11月
こちらも日足で確認してみます。
8月に最高値をつけてから失速し上値が重くなったことで月足のRSIは
デッドクロスし弱気相場入りしたと思われます
天井後の調整幅と期間
調整の種類もダラダラ方向感がなくなった様な調整だったことが特徴的
最高値から調整の最安値を引いて下落幅を算出し最高値から〇%下げたことになるのか下落率を出してみる。
①2011年の調整
740.65÷1920.80⇒38.56%
②2020年の調整
457.88÷2074.98⇒22.07%
※小数点以下は四捨五入
調整すれば天井圏のレートから22から38%は調整している
今年のチャートに戻ってみる。
3500ドル到達しRSIは87にまで達した
これからの日足の上値の重さや失速感で月足のRSIがRSI移動平均線をデッドクロスしてくると
調整入りという仮定が成立する
注目ポイント②上げ止まりポイント
拡大しているマンスリーピボットR3到達は初
ピボットは前時間足の値幅によって拡大も縮小もします
今月のマンスリーピボットは過去最大の拡大幅でR3到達
これはピボットという転換点をみるインジケーターとしては局面です
投機筋のターゲットレートは?
ゴールドマン、年末の金価格予想を3700ドルに引き上げ
2025年年末時点での価格予想は3,700ドル
今週にも到達できる射程圏内の年内予想レートだが手前で失速し調整を挟んでから到達することも相場なのであり得ない話でもない。
まずは3,700ドルは節目であるということは認識しておく必要がある。
◉GOLDが上がる要因について
①トランプ関税による不透明感
②ドル安
③各国中銀の金買い
④FRBの利下げ観測
ファンダメンタルズとしては『先行きの不透明感』から米資産を売って金を買っているという状況。
この金買いが大きくなったのは『地政学リスク』からでした。
要は有事の金買いです。
しかし戦争という有事だけではなく貿易戦争という有事や景気後退による不透明感から逃避先にGOLDというキャッシュフローが確立されました。
①の発展系が米中貿易戦争であり最終系が米中貿易戦争起因の第三次世界大戦を想定している投資家も少なくはない現状です。
次に②ですがドルインデックスを確認してみます。
ドルインデックス日足
100を割って97をつけマンスリーピボットS3到達
GOLDのR3とドルインデックスのS3到達はこれ以上、これ以下は明確なブレイクです
③については中銀も何かに備えて金を保有しています。
外貨準備として認められているGOLDの強み。株価暴落時の保険といったところ。
S&P500の週足
こちらも局面です。株安金高から株安金安の展開は誰でも分かるレベルの暴落相場か?
米株暴落ならその時がGOLDのロングポジションの利益確定場面。
GOLDの調整としては一番現実味がある調整局面。
〇ヘッジファンドについて(4/18のレポート抜粋)
米国債市場が動揺し、米資産からの大幅な資金引き上げの恐怖がドル指数を圧迫している今、金がマグニフィセントセブンを追い落としたのは驚くに当たらないかもしれない。BofAの調査に回答したファンドマネジャーのうち約50%は、金の購入を最もポジションが集中している取引に挙げた。
金価格は年初から23%も上昇して1オンス=3200ドルを超えた。
世界のファンドの正味42%は、今年最も大きく上昇する資産が金になると予想しており、現金もしくは米国債を挙げた割合の2倍以上に達した。
この予想には一理ある。
金以外の資産が、年初来の金の上昇率にこれから追い付くのは難しいだろう。
〇米国債の売り手は?
長年にわたり、世界の外貨準備やソブリンファンドから安全資産と見なされてきた米国債が乱高下する中、投資家は金に殺到し続けている。
先週だけ見ても、30年物米国債利回りは過去40年余りで最も大きく上昇した。しかも米国株が大幅下落する中での出来事だ。
米国債波乱の原因について数多くの仮説が出回っており、その1つが中国による米国債の売却だ。おそらく多くの代理保有者を通じて売ったとみられている。
トランプ米大統領が中国以外の国々について関税の脅しを和らげる中でも、中国に対しては貿易障壁を引き上げ、報復合戦に発展していることから、中国による売却説が浮上した格好だ。
何が米国債相場下落の引き金を引いたのかを示す明確な証拠はない。
しかし中国は過去2年間に米国債保有を減らし続けている一方、外貨準備における金の保有を大幅に増やしている。
各国金保有チャート
中国の外貨準備に占める金の割合は現在8%と、新型コロナ禍の直前に比べて約3倍の割合に増えた。
ソシエテ・ジェネラル(SG)のストラテジストらはこの状況を分析した上で、11日に公表された英政府の輸出データにより、2月もまた、中国が英国から50トンもの金を輸入したことが確認できたと指摘している。
SGは英歳入関税庁のデータに基づき、過去2年間に中国が英国から輸入した金が700トンと「驚異の」規模に上ったと推計。
「その多くが中央銀行に向かった」と指摘している。
ワールド・ゴールド・カウンシルが14日発表したデータを見ると、金現物を裏付けとする中国の上場投資信託(ETF)への資金流入が、今月初めから現在までに第1・四半期全体の額を既に超えていることも注目される。
この額は、米上場ETFへの流入額を上回っている。
なぜ英国なのか。イングランド銀行(英中央銀行)は安全な保管庫と信頼の置ける金融サービスで知られ、多くの外国顧客のために金を保管しているからだ。
なぜ中国なのか。中国政府は近年、米国債の保有削減を加速させている。特に、ロシアがウクライナに侵攻し、欧米でロシアの外貨準備が凍結されて以来、そのペースは速まっている。金の現物は、同様の制裁を科されにくい数少ない保有資産の1つだ。
金相場の急騰、米中貿易戦争、足元の米国債波乱という3点を結びつける1つの「ひも」はあるだろうか。
SGは間違いなく、これらの関連について検討に値すると考えている。
SGは「米国債から金への資金移動には、おおまかな相関があり、ある程度追跡可能だ。そして米国債の売却が、中国への金の輸出と一致することには注目せざるを得ない」と指摘する。
ということで米国債と金の相関に注目し米国債の売りがストップするならGOLDは上げ止まりする可能性がある。
円安が進行したときも円を売って金を買う動きが確認されている。
ドル安が進行したことで金が買われているのも事実。
これだけ各国、世界の投資家、トレードのプロである投機筋の中に『不透明感』があるわけなんで私なんかが当てることができるわけもなく仮説や仮定を構築し分析を重ねながらGOLDの上昇相場と調整局面を見極めていきたいと思います。
Is it OK?