EAはプログラムに組み込まれた取引ルールに従いシステムが淡々と取引を行うものです。

人の手が介入しないことで多くのメリットを得られるほか、デメリットを被る場合もあります。

EAが本当に儲かるのか半信半疑なトレーダーの皆さんに、開発者が赤裸々にメリットとデメリットを語っていきます。

メリット①・感情なく決められたルール通りに取引を行う

EAは決められた取引ルール以外のことは絶対に行いません。
ポジションを持った途端に思惑と反対に動いてしまいしなくてはいけない損切りができずに引きずってしまうことも、勢いよく伸びたポジションの含み益を見て欲張った結果、利益を減らしてしてしまうこともありません。

優位性のある取引ルールを無感情に機械的に淡々と守ることでコツコツと利益が積み上がっていきます。

メリット②・24時間休みなくチャートを監視できる

FX相場は平日なら24時間動き続けています。しかし私達は仕事をしたり睡眠を取ったり、家族や友人とのコミュニケーションの時間を作ったりしなければいけないため常に相場を監視できずチャンスを逃すこともあります。

EAは設定を終えてしまえば常に相場を監視し、取引ルールに沿って24時間休みなく自動で取引を行います。いつ訪れるかわからないチャンスを逃さず掴めるのです。

こう見ると仕組み的には儲かるようにできているEAですが多くの「儲からない」という声が出てしまうのはなぜなのか？

そこにはEAが自動売買であるゆえの理由があります。

デメリット①・短期的に儲かる仕組みとして作られていない

多くのEAは長期的な視点を持って制作されており、例え2〜3ヶ月連続でマイナス収支があったとしても年間でプラスになるようにデザインされています。
短期的な成績に焦点を当てていないため、稼働初期にこのマイナスの時期が当たってしまうと勝てない期間がしばらく続くため「儲からない」と使用をやめてしまう方が多いのです。

デメリット②・チャート上の値動きだけしか認識できない

EAはチャート上に表示される高安値や始値終値、インディケータなどの情報を組み合わせて売買判断を行う取引ルールをプログラミングして稼働させます。

つまりEAにとってはチャート上の情報が全てです。

そのためいわゆる経済指標（各国の政策金利の発表やアメリカ大統領選挙、米国雇用統計の発表）など、相場に大きな影響を与えるニュースや出来事が起きても取引に加味することはできません。

テクニカル分析に基づいた取引ルールの優位性が一時的に失われる、または変化してしまう相場であっても、自動売買はいつもと同じルールでしか取引を行わないため大きな損失を出してしまうこともあります。

デメリット③・得意な相場と苦手な相場の区別ができない

相場は大きくトレンド相場とレンジ相場に分けられ、裁量トレードでは手法を相場によって使い分けて取引を行います。

EAにも相場によって得意不得意があり、トレンド相場が得意なEAもあればレンジ相場が得意なEAもあります。

しかし裁量取引と違い人間の目で環境認識という相場判断を行えないEAは、現在の相場がトレンドかレンジかに関わらず取引ルールが成立すればエントリーを行います。

そのため稼働させているEAが苦手な相場では負けが続いてしまうこともあります。

これ以外にもEAが儲からないと噂される原因の一つとしては次のようなことがあります。

詐欺まがいの自動売買システムの蔓延

基本的にEAの取引ルールは開発者だけが把握しており、そのロジックは開示されていないことがほとんどです。

ロジックを模倣され開発者の権利が侵害されないためには仕方のないことですが、これを悪用し特定の期間だけに特化した詐欺まがいのEAが高額で取引されてしまっています。

期間や販売数を限定し特別感を演出しつつ異常な収益性で心理を煽り言葉巧みに購入を勧めてくるため、もしかしたらと購入し被害に遭ってしまうのです。

被害に遭ってしまった方はEAをニ度と利用することはなく「儲からない・危険である」と周りに警笛を鳴らします。

人間の脳はトレードで負けやすい思考に偏っていると言われています。

自分の精神をコントロールすることができる方は裁量を。

苦手な方はEAを使う。

このように住み分けができればいいのではないかと思います。

事実著者も、毎月の目標利益額に届かせることへのプレッシャーから裁量トレードを一時的に中止した過去もあります。

いまではEAとの併用により精神面でも安定してトレードすることができています。

EAって儲かるのか半信半疑なトレーダーに開発者が赤裸々に語る