そのEAの最大ドローダウン、準備資金を越えてない?
最大ドローダウンとはそのEAのバックテスト期間中に一番大きな損失が出た金額を指します。 右肩上がりのバックテストを持つEAであってもこの最大ドローダウンが準備資金を超えるような大きな金額の場合、ドローダウン期が稼働初期に訪れてしまうとそのEAを稼働させている口座は破綻してしまう可能性があります。
例えば利益額が10年で150万円、取引回数1500回、グラフは右肩上がりのEAがあったとしても最大ドローダウンが80万円であった場合、初期自己資金が80万円までしか準備していない口座は破綻してしまいますのでそれ以上の資金を用意しなくてはいけません。 取引回数や利益額だけでなく稼働期間にどれだけの損失が出る可能性があるのか最大ドローダウンを確認しておきましょう。 優秀なEAと判断できる目安としては10年以上のバックテスト期間で最大ドローダウンが資金の10%以下(資金100万円とした場合10万円まで)とされています。
下図のEAは18年間のバックテスト期間での最大ドローダウンが、資金100万円に対して56000円と5.6%程度となっています。 かなり低い最大ドローダウン値となっており、言い換えればこのEAは例え資金が10万円しか用意できないとしても破綻する可能性が低いとも言えます。 つまりバックテスト時の初期証拠金よりも準備できる資金が少ない場合は、利益額よりも最大ドローダウンに注目してEAを選ばなければ破綻してしまうということになります。
また最大ドローダウンの考え方は稼働させるEAすべてを合算して計算します。
例えば「初期準備資金100万円で最大ドローダウンが5万円のバックテスト結果のEA」が3つあったとして、これらを同時に稼働させた場合の最大ドローダウンは15万円となるため、自己資金10万円では「安全」とは言い切れないということになります。
特に同じ傾向のEAや同じ通貨のEAばかりを重ねて利用している場合は同時期に同時に負けますので、合算の最大ドローダウン額に到達してしまう可能性が高くなります。 一方でトレンド系とレンジ系など傾向の違うEAや複数通貨に分散してポートフォリオを組んでいる場合は、アナライザーなどで合算の最大ドローダウンを計測して準備資金以下であれば比較的安全と言えます。
EAの稼働を始めたばかりの初心者の方が陥りやすいのは、稼働初期に連敗してしまい資金が目減りするとすぐに稼働を止めてしまうことです。
バックテストで計測された最大ドローダウンを超えるまでは「そのEAにとって許容範囲内」です。
そのまま稼働をしていればリカバリーできる可能性がありますが止めてしまってはその時点でEAとしての性能は終わってしまいます。
もちろん過去のデータなのでバックテスト上の最大DDを超える可能性はありますが、超えるまでは許容範囲であることを理解して稼働させてみることをおすすめします。
Is it OK?