FTX破綻の株式市場への影響と12月のFOMC
こんにちは、下山です。
11月上旬に開催された
FOMC以降、
強い雇用統計や
消費者物価指数の影響で
株価は上がり基調となっていますが、
その株式市場の盛況ぶりをよそ眼に
大暴落をしているのが
仮想通貨市場です。
原因は、世界No.3の取引量を誇り
日本にも進出している
FTXという仮想通貨取引所の破綻
に端を発します。
最も著名な仮想通貨であり
デジタルゴールドとも例えられる
ビットコインは
一時20%以上の暴落をするなど
アルトコインも含めて
仮想通貨市場からの
資金流出が発生しています。
果たして
この資金は株式市場へと
向かっているのでしょうか?
また、一方で先週末には
FOMCメンバーの一人である
ボストン連銀のコリンズ総裁が
12月のFOMCでは
75ベーシスポイントの利上げが
依然選択肢として残っており
いくつかのデータが
FRBの利上げで必要となる
水準を引き上げたとの
コメントをしています。
さらに今週は
24日木曜日から
欧米では
感謝祭(サンクスギビングデー)が
始まり、
水曜日までに手仕舞いをする
機関投資家も増えるでしょう。
そこで、今回は
FTXの破綻が株式市場に与える影響と
サンクスギビングデー前の注意事項、
12月のFOMCまでに意識したいことについて
解説したいと思います。
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FTXの破綻
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FTXは日本でも
「FTX Japan株式会社」として
進出していたため
ご存じの方も多いと思いますが、
つい3年前の2019年に
ウォール街のトレーダー出身の
まだ20代のアメリカ人青年により
香港で誕生し、
サービスラインナップの良さと
素早い新規事業への取り組みで
あっと言う間に巨大となった
仮想通貨取引所です。
FTXの負債総額は数兆円規模とされ、
急成長する仮想通貨業界でも
過去最大規模の破綻でしたが
関連企業への連鎖的な経営悪化への警戒から
「仮想通貨界のリーマン・ショック」
や2001年の「エンロン事件のような巨額不正会計」の
疑惑も浮上しています。
今回のFTXの破綻により
ビットコインなど仮想通貨は
軒並み下落しており、
全体の時価総額は
7日から11日までの5日間で
150兆円弱から110兆円強まで
25%も下落。
21年11月の直近ピーク時と比べると
市場規模は約4分の1に縮小した事になります。
では、仮想通貨市場から流出した
40兆円もの資金は
一体どこに向かったのでしょうか?
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仮想通貨市場の資金はどこへ?
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結論から申し上げると
仮想通貨市場の資金は
国債を中心とした債権や
株式市場にも流入していると
考えられます。
なぜなら
機関投資家を始めとする
大口投資家が
去年から仮想通貨市場に
本格参入しており、
機関投資家としては
もう一段の下落の可能性も高い
仮想通貨市場から
資金の一部を引き上げても
何ら不思議はないと言えるからです。
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サンクス・ギビング・デー前の注意事項と次回のFOMCに向けて
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先週のメルマガでもお伝えしたように
今後の株式市場については、
大きな流れとしては
12月のFOMCまでは
大きな経済イベントや
指標の発表もないため
政策金利を上げる理由になる
情報がでない限りは
上昇トレンドが続くと思われます。
ただ、アメリカを始めとする
欧米のビックイベントである
サンクス・ギビング・デーの
11月24日の前を目途に
機関投資家の取引が
一旦の手仕舞いも
多くなされるでしょう。
また、冒頭にもお伝えしたように
FRBの関係者により
12月のFOMCで
75ベーシスポイントの利上げに
まだ検討の余地が残っているとされた
との報道もあり、
利上げの減速と相反する方向の
要人発言などには
注意が必要です。
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まとめ
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サンクスギビング・デーは
欧米においては大きな節目であり
その頃から
クリスマス休暇も含めた
ホリデーシーズンが
始まるとも言われます。
また、12月の13日・14日に
予定されている
FOMCの前週には
12月の雇用統計の
発表も控えています。
中間選挙のアノマリーや
仮想通貨市場からの
資金流入が株価を下支えする
地合いにはあるものの
次回のFOMCで採用される
政策金利が
50ベーシスポイントなのか
75ベーシスポイントなのか
という点が今後の株式市場の
動向を左右する
一番のファクターであることは
疑いがないでしょう。
引き続きこのメルマガでは
最新の時事情報と
株式市場の動向について
お伝えしていきたいと思います。
それでは、本日も最後までご覧いただき、
ありがとうございました。
下山敬三
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