11月のFOMCと年内の株式市場の動向
こんばんは、下山です。
最近はニュースでも
良く取り上げられている
円安の話題ですが、
遂に先週は148円を超え
148.863円と
149円に迫り
150円を年内に突破する
勢いを見せています。
この円安のきっかけとなったのが
先週、発表された
アメリカの
「消費者物価指数」です。
このメルマガでもその重要性を
何度かお伝えしてきましたが、
政策金利の引き上げ具合が
金融関係者の注目を集める中、
雇用統計とCPIが
足元の市場動向を含め
中長期的な動向にも
大きな影響を与えます。
そこで今回は
先週発表された
CPI(消費者物価指数)の結果と
株式市場の反応、
年内の株式市場の動向
について解説します。
=======================
今回のCPIの結果
=======================
CPI「消費者物価指数」は、
米労働省労働統計局(BLS)が、
ニューヨークや
ロサンゼルスなどの
都市部の消費者が
購入する商品や
サービスの価格の変化を
調査して指数化したものです。
CPIには時間軸や
対象の違いでいくつかありますが、
コア指標と呼ばれる
特に価格の変動が激しい
食品やエネルギー価格を
除いたコア部分の指数なども
同時に発表されます。
米国のインフレターゲットの対象である
個人消費支出(PCE)よりも
発表時期が対象月の翌月15日前後で
対象月の翌月末
もしくは翌々月初めとなる
PCEデフレータに比べて
2週間程度早く
変化の傾向が似ているため
市場の注目度は
物価関連指標の中で
最も高いものとなっています。
今回、発表された
9月のCPIの結果は
以下の通りです。
事前予測は
前月比 0.2%
前年比 8.1%
に対して、結果は
前月比 0.4%
前年比 8.2%
でした。
前回8月のより
前月比で
0.1%→0.2%
前年比で
8.3%→8.2%
となり、
3回連続となった
75ベーシスポイントの
引き上げが功を奏し
インフレ率が収まりつつあると
みなされますが、
まだまだ、引き締めを緩める
タイミングではないことが
示唆される数字となりました。
=======================
CPIの結果を受けた株式市場の反応
=======================
今回のCPI結果を受け、
CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)が
政策金利先物取引価格を基に
算出する予測で、
次回、11月1、2日に開催される
FOMC(連邦公開市場委員会)において、
4会合連続となる
75ベーシスポイントの利上げが
行われるとの観測が
ほぼ100%にまで高まっています。
株式市場の反応としては、
単純に強い引き締めへの警戒感から
指標発表当初こそ
売られはしたものの、
最終的には急反発して
終了しています。
結果だけ見てしまうと
今後の判断を見誤りかねないため
具体的に何が起きたかという点を
解説したいと思います。
=======================
13日の米株式市場における乱高下の理由
=======================
13日のニューヨーク株式市場では
ダウ平均株価は
CPI発表直後の初期反応として
400ドル以上急落した後
最終的には前日比800ドル以上の上昇になり
一日の値幅が1300ドル近くの
乱高下の様相を呈しました。
S&P総合500種も
同じような反応を見せ
この日の安値から
194ポイント近く上昇し、
日中上げ幅としては
1月24日以来の
大きさとなっています。
この動きの背景ですが、
いわゆる
「ショートカバー」
が発生したと考えられるでしょう。
ショートカバーとは、
アルゴ系と言われる短期筋が
事前にCPIの悪化を見込んで、
株を空売りしておき、
発表直後に思惑どおり
株価が下がったところで、
利益確定の買い戻しに動きます。
そのような動きに短期筋が
追従する結果、
本来のファンダメンタルズの
方向性からは逆の動きが
発生するという仕組みです。
=======================
年内の株式市場の動向について
=======================
いずれにしても、年内は
11月と12月に残された
FOMCにおいて
どの程度の引き上げが
行われるのかという点に
左右されそうです。
今回のように市場の反応が
ファンダメンタルズと
逆行する事もあるとはいえ、
アメリカの政策金利の引き締めは
タイトに続くと
考えて取引をしていきたいところです。
=======================
まとめ
=======================
11月のFOMCでは、
75ベーシスポイントの
利上げ観測が
確実視されています。
また、12月は
12月のアノマリーや
中間選挙の年は
株価が下がりづらいといった
アノマリーもあるため
下落基調のなかでも
度々、大きな反発は発生すると
思われます。
今後も株取引を行う上では、
短期と長期の二つの目線を
うまく使い分けつつ
株価が上がっても下がっても
お金が増えるような
取引をしていくことが
重要となるでしょう。
それでは、本日も最後までご覧いただき、
ありがとうございました。
下山敬三
*免責事項*
本メルマガの記載内容につきましては、
正確かつ最新のものであることを確保すべく、
細心の注意を払っておりますが、
記載内容に起因するいかなる損失に対しても
その責任を負いかねますのでご了承ください。
よろしいですか?