ジャクソンホール会議の振り返りと株式市場の動向
こんにちは、下山です。
先週のメルマガでは
8月25日~27日にかけて
アメリカ・ワイオミング州の
ジャクソンホールで
毎年夏に開かれる
金融・経済シンポジウムである
ジャクソンホール会議が
開催されることを
お伝えしました。
日本時間の26日午後11時には
世界中の金融関係者の
注目を集めた
FRBパウエル議長の
講演が行われましたが、
先週のメルマガでも
お伝えしたように
この講演を受けて
株式市場は
大きく下落しています。
具体的には
26日の米株市場で
ダウ・S&P・NASDAQの
主要3指数が軒並み
3%を超える下落、
ダウは、一日で1,000ドルを超える
下落となっています。
また、S&Pは全11セクターが下落し
ナスダック総合は、
グロース株やハイテク株が売り込まれる中、
約4%の急落となりました。
日本の株式市場でも
下落は連鎖し、
東京株式相場でも
日経平均株価は
大幅に反落し、
節目の2万8,000円を
割り込んでいます。
まさに今回は
株式市場にとって
「ジャクソンホール・ショック」
と呼ばれる現象に
近い影響を与えたと言えるでしょう。
そこで今回は
先週開催された
ジャクソンホール会議の
ポイントの振り返りと
株式市場への影響と
今後の動向
について解説します。
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ジャクソンホール会議の振り返り
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今回のジャクソンホール会議で
最も注目を集めたイベントが
FRBのパウエル議長による
講演でした。
今回のパウエル議長の講演で
焦点となる部分は
今年後半から来年にかけての
金融政策の展望に関するもので、
市場の予想では
FRBは今年
3~3.5%程度まで
金利を引き上げ、
来年になって、
インフレ率が
2%程度まで落ち着いたら
景気対策として
利下げに転換するという
市場の見通しが
正しいか否かという点
となるでしょう。
このような事前予測に対して
パウエル議長は
「物価の安定を回復するには、
景気抑制的な政策スタンスを
一定期間維持することが
必要となる可能性が高い」
とし、
9月のFOMC(連邦公開市場委員会)では
「異例に大幅な」利上げを
もう一度実施することが
適切となる可能性があると
述べました。
端的に言うと
まだ、3回連続となる
75ベーシスポイントの
政策金利の引き上げがあることを
示唆したものとなります。
では、
このパウエル議長の発言が、
なぜ株式市場に
これまでの下落を
引き起こしたのか?
という点について
次に解説します。
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ジャクソンホール会議と株式市場への影響
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前回のメルマガでも
今回のジャクソンホール会議
パウエル議長の講演内容が
利上げに積極的な「タカ派」的
だと判断されれば、
9月のFOMCにおいても
75ベーシスポイントの
利上げが予測され
市場はリスクオフに動き
株式指標は下落し
米金利の上昇や
米ドル高の反応となる
可能性が高いと言えるでしょう
とお伝えしましたが、
まさにそれが実現した形となります。
つまり、
3回連続での75ベーシスポイントの
政策金利の引き上げは
なさそうだと考えていた
株式市場関係者に
水を差す形となり、
市場はリスクオフに
大きく傾いたという事になります。
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今後の動向と注目すべきポイント
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さて、今後の株式市場の動向は
引き続きアメリカの
政策金利の引き上げが
どの程度の強さと頻度で
行われるのかという点に
大きく左右されると言えます。
パウエル議長も
先月から述べているように
「インフレ率」
と
「雇用関連」
のデータが重要です。
FRBは政策金利を
年末までに3.9%、
2023年末までに
4.4%まで引き上げるという
現在の戦略から見ると
現状で政策金利は
2.25%~2.5%の範囲にあり、
FRBはまだ半分しか
利上げしていないことになります。
つまり、これから来年にかけて
残りの約1.9%分の
利上げが行われる
見通しですが、
4.4%以上に
引き上げるのではないか
という観測も
一部では出始めているようです。
「インフレ率」と
「雇用関連」のデータが
重要になるとお伝えしましたが、
まずは、
今週、9月2日
日本時間21時30分に
発表される予定の
「雇用統計」と
「失業率」の
データが非常に重要となってきます。
雇用関連のデータの捉え方は、
雇用が強い状態は
好景気と捉えられるため
政策金利の引き上げをする
必要があるという事になり、
市場はリスクオフ、
今回の場合は
リスクオフが加速し
株価は下落すると考えるのが
セオリーとなります。
逆に雇用が弱い状態は、
景気が良くないため
政策金利は引き下げる
必要があると考えます。
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まとめ
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今週金曜日の
雇用統計では
非農業者部門雇用者数で
前月比29.0万人の増加、
失業率は
3.5%と
予測されています。
予測数値は
既に株価に織り込み済みの
数字と捉えることができますが、
予測から大きくずれた際には
市場に与える影響も
大きくなるため
注意が必要です。
しっかりとリスクに備えて
トレードに臨むようにしてください。
それでは、本日も最後までご覧いただき、
ありがとうございました。
下山敬三
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