ジャクソンホール会議と株式市場の関係
こんにちは、下山です。
先週のメルマガでは
8月10日に
CPI(消費者物価指数)の
発表が行われ
金融市場の流れが
それまでの流れから
変わるものとなった背景などを
お伝えしました。
株価もそれに追従するように
急激な上昇をしています。
ジャクソンホール会議は、
金融政策を話し合う場ではありませんが、
関係者の発言は
その後の金融政策に関する
ヒントとされ
時に市場に
大きな影響を与えます。
特にその影響が大きい場合は
「ジャクソンホール・ショック」
と呼ばれる現象を
引き起こすこともあります。
そこで今回は
今週開催される
ジャクソンホール会議について、
また、ジャクソンホール会議と
株式市場の関係、
今後、注目すべきファンダメンタル
について解説します。
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ジャクソンホール会議とは?
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ジャクソンホール会議とは、
米国のカンザスシティー連邦準備銀行が
ワイオミング州のジャクソンホールで
毎年夏に開く金融・経済シンポジウム
の事です。
ジャクソンホール会議は
1978年から今年に至るまで40年間以上
毎年8月頃に開催されています。
参加者は世界各国の
中央銀行の総裁や幹部、
金融・財務省関係者、
金融関連の大学教授や
エコノミストなどで
日本からも
例年日銀総裁などが
出席しています。
ジャクソンホール会議には
毎年テーマがあり、
今年のテーマは
「経済と政策の制限の再評価」
となっています。
ジャクソンホール会議では
参加者による講演や
ディスカッションなどが
行われますが、
2022年の会議で
最も注目を集めているイベントは
FRBのパウエル議長による講演です。
パウエル議長の講演は
現地時間の
26日午前10時からで、
日本時間の26日の午後11時から
行われる予定です。
この時間帯は
アメリカの市場が開けたばかりの
時間であるため
アメリカの株式市場は
発言を受けてすぐに反応する
可能性が高いと言えます。
今回のパウエル議長の講演で
焦点となる部分は
今年後半から来年にかけての
金融政策の展望に関するもので、
市場の予想では
FRBは今年
3~3.5%程度まで
金利を引き上げ、
来年になって、
インフレ率が
2%程度まで落ち着いたら
景気対策として
利下げに転換するという
市場の見通しが
正しいか否かという点
となるでしょう。
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ジャクソンホール会議と株式市場への影響
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ジャクソンホール会議での
要人発言は
しばしば市場に
大きな影響を与えます。
例えば、
2019年のジャクソンホール会議では
パウエル議長が
「世界経済や貿易摩擦の
リスクが高まりつつある」
と述べ、その後に大幅な利下げが
実施される事を
予見される発言がありました。
オンライン形式で行われた
2020年の
ジャクソンホール会議で
パウエル議長は、
金融政策の枠組み見直しとして、
インフレ目標を「2%」から
「一定期間の平均を2%」へと
変更すると発表しました。
これは、インフレ率が2%を
下回る期間が続けば、
2%を上回ることを
ある程度容認することになるため、
これは「ハト派」方向への
大きな転換とされています。
今回のジャクソンホール会議の結果が
利上げに積極的な「タカ派」的
だと判断されれば、
9月のFOMCにおいても
75ベーシスポイントの
利上げが予測され
市場はリスクオフに動き
株式指標は下落し
米金利の上昇や
米ドル高の反応となる
可能性が高いと言えるでしょう。
逆に「ハト派」的だと
受け止められれば
リスクオンへ動き
株式指標は
上昇する可能性が
高いと考えてよさそうです。
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今後の注目すべきファンダメンタル
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今後、
株式市場を左右する
注目すべき
ファンダメンタルに関しては
引き続き
『制裁金利に関する動向』
であることは、
変化はないでしょう。
具体的には
「インフレ率」
と
「雇用関連」
のデータとなります。
前回のメルマガでも
お伝えしましたが、
FRBは政策金利を
年末までに3.9%、
2023年末までに
4.4%まで引き上げるという
現在の戦略から見ると
現状で政策金利は
2.25%~2.5%の範囲にあり、
FRBはまだ半分しか
利上げしていないことになります。
つまり、これから
来年にかけて
残りの約1.9%分の
利上げが行われる
見通しです。
これからも市場は
敏感に反応していくと
思われますが、
引き締めを強化する
地合いでは
リスクオンとなり、
株価は下落
反対に緩和する
という方向の発言では
リスクオフとなり、
株価は上昇
と考えると
良いでしょう。
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まとめ
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9月下旬の
次回のFOMCまで、
残すところ
30日余りとなりましたが
今年の
ジャクソンホール会議で
どんな発言が出てくるか
という点に関しては
大いに注目したいところです。
ただし、株式投資の目的が
『お金を増やすこと』
であるならば
上がりそうだから買う
下がりそうだから売る
だけではなく
思惑が外れても
お金が増えるような取引を
心がけてください
それでは、本日も最後までご覧いただき、
ありがとうございました。
下山敬三
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