中原駿の「推奨どうでしょう」 その1 7月11日更新
エヌビディア(NVDA ナスダック)
目標価格 200ドル
<概要>
エヌビディアはグラフィック・プロセッシング・ユニット(GPU)などのビジュアルコンピューティング技術で圧倒的シェアと高性能を誇る。フラッグシップとなるPC向けグラフィックプロセッサ「GeForce」とメモリ製品を販売する他、ワークステーション向け「Quadro」、高性能コンピュータ向け「Tesla」や「3DVision」、モバイル通信向けに「Tegra」を展開する。本社所在地;カリフォルニア州サンタ・クララ。
<指標>
時価総額395,950,000千ドル(7/8)発行済株式数2,500,000,000株(7/8)
PER(実績)(連) 40.51倍(20:00)PBR(実績)(連) 14.91倍(20:00)
EPS(実績)(連) 3.91(2022/01)BPS(実績)(連) 10.62(2022/01)
<ニュース・材料>
暗号資産(仮想通貨)業界の混乱は投資家にポートフォリオ調整を迫っているだけでなく、これまで仮想通貨ブームの恩恵を受けていたエヌビディア製のグラフィックカードにも打撃を与えている。ゲームファンに長く愛用されてきたグラフィックカードは、仮想通貨のマイニング(採掘)に欠かせない部品としての需要が急拡大、エヌビディア製品の価格もイーベイなどの二次流通市場で急騰していたが、今や状況は一変。仮想通貨の価値が急落、高価なグラフィックカードの需要も減退。イーサリアムのブロックチェーンネットワークが「プルーフ・オブ・ステーク」と呼ばれる新たな手法に移行、今ほどの高い計算処理能力が必要でなくなれば、グラフィックカードの需要はさらに低下する。消費者向グラフィックカードの市場は3分の1に縮小するという試算もある。エヌビディアのカードは二次流通市場では過去数カ月で最大50%値下がり。多くのアナリストも22年度の予想EPSを4.6ドルから4.2ドル程度へ大幅に引き下げ中。
しかし、メタのザッカーバーグ氏は、自社のデータセンターのGPUを年内に5倍に増やす計画も明らかにした。この大規模投資は、データセンター用GPUの最大手であるエヌビディアにとって好材料となる可能性がある。今四半期の不調は8月24日の決算で明らかになるだろうが、かなり悲観的な数字を織り込んでいるため、結果を問わず上昇のきっかけとなる可能性がある。
<ギャン理論による株価分析・目標>
〈エヌビディア月足〉 24±4カ月サイクルが有効で、第一24カ月サイクルボトムの時間帯となっている
2021年6月2日に分析して以来となる。4分割前の株価である672(分割後理論値168)で、目標値822であったが、最高値は11月22日に理論値1,384(分割後346)まで到達した。半年で2倍という強烈な上昇であったが、その後の下落も激しく、7月5日には140(分割前理論値560)ドルまで下げている。
支配的な長期サイクルは24カ月サイクルでレンジは20~28カ月。この24か月サイクル3つで6年サイクルを形成している可能性が高い。
2002年10月ボトムから3つの24カ月サイクルで08年11月にボトムアウト、同様に2014年10月にボトムアウト。2014年10月からの6年サイクルのターゲットは2020年10月±1年であったので、2020年3月が6年サイクルボトムであろう。6年サイクルの影響で、第三24カ月サイクルが15カ月に短縮されたものと考える。
さて、新6年サイクルかつ第一24カ月サイクルの上昇は非常に強かったが、2021年11月にトップアウトした。21カ月も上昇したことになる。トップアウト後の下落も大きいが、24カ月サイクルボトムの中心的時間帯は20年3月~7月なので、7月5日の140.55は24カ月サイクルボトムであった可能性はある。いずれにしても、サイクル的には2年に一度の買い下がりタイミングとなっている。なおこの銘柄に明快な季節性は観察できないが、一般に年末前後に強くなる傾向がある。
目標価格は①180②200③280である。
中原 駿 プロフィール
「週刊中原駿レポート」毎週月曜日執筆中。
祖父はソニー、母はパイオニアで財をなした投機の家系で育つ。
相場歴20年以上の知る人ぞ知る本物のトレーダーであり、ラリー・ウィリアムズ、トム・デマークの戦略にも精通、その技術は誰もが認める。「ギャン理論」はその投資メソッドに門外不出のものが少なくなく、米国では授業料だけでも数百万円はする「ギャン・セミナー」を受講しなければ取得できないものも多数。中原氏はこのセミナーを受講した日本でも数少ないギャン理論研究のスペシャリストとしても知られる。また、表舞台にはめったに登場しない事でも有名である。
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