国策に売りなし?経済誌『Economist』も暗示する2022注目分野
こんにちは、下山です。
「来年起こることを予言している雑誌」
ということで毎年この時期になると
イギリスの経済紙『The Economist』の
表紙が話題になります。
その予言シリーズ号が今年も発売されました。
↓
https://www.amazon.co.jp/Economist-World-Ahead-2022-UK/dp/B09MD79K5P
予言というより、
世界を動かしている人間が
世界をどういう方向へ持っていきたいのか、
その意思を表している、とも言われますが。
ちなみに、今回初めてタイトルが変わりました。
今までは
"The World in 2020"
というように
『The World in + 年』
の形式でしたが今回は
"THE WORLD AHEAD 2022"
となりました。
意味は
"2022年以降の世界"
です。
2022年以降、
長期的に世界がどういう方向へ向かうのかを
暗示しているとも解釈できます。
表紙を見てパッと目に入るのは
バイデン大統領と習近平国家主席の写真ですが、
アメリカと中国の対立を示唆しているのでしょう。
台湾をめぐる対立も懸念されます。
もし戦争ということにでもなれば、
間に挟まれた日本も知らん顔ではいられません。
また、4つの仮想通貨、
ビットコイン、ライトコイン、
エイダコイン、イーサリアム、
のロゴも掲載されていますが気になりますね。
これは仮想通貨の価値が上がることを
示唆しているという見方もできますし、
デジタル通貨という観点で深読みすれば、
米中対立の話にもつながります。
デジタル人民元の話です。
デジタル人民元は
基軸通貨である米ドル覇権への挑戦であると、
見る向きもあります。
来年の北京オリンピックで
デジタル人民元をお披露目する可能性もささやかれていますが、
2022年以降、デジタル通貨をめぐる対立が
激化するのかもしれません。
アメリカが来年の北京オリンピックを
外交的にボイコットする、という話もありますが
米国オリンピック選手が
デジタル人民元を使用することを禁止するよう
求める声もアメリカであります。
表紙には、他にも様々な要素が含まれていますが、
昨年の『The World in 2021』と、
共通して描かれているものも結構ありますね。
コロナ、バイデン大統領、注射器(ワクチン)、チャート、
などが共通して描かれていますが、
もう1つ、共通して描かれているのが、
風力発電です。
風力発電、
と言われてもあまりそそられないかもしれません。
普段の生活の中で話題にあがることも
そんなに無いですよね。
もしかしたら、
ちょっと影が薄いイメージをお持ちの方も
多いかもしれませんが・・・、
今後、風力発電が
日本でも脚光を浴びることになるかもしれません。
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「風力発電」の強い勢い
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世界的な脱炭素化の流れの中、
「風力発電」は
市場規模が大きく伸びる分野として
国内でも実はすでに注目を集めています。
とはいえ、色々と課題もあり
一筋縄ではいきません。
まず、最も大きいのは土地の問題です。
国土が限られた日本で
風車を建設するのは大変なことです。
風車は騒音、低周波振動を発生させるため、
近隣住民への健康被害も懸念されます。
実際に、風車が近くにあって健康被害に悩まされている、
という話も数多くあります。
「家の近くに風車ができます」
と言われたらきっとあなたも
困惑するのではないでしょうか。
そんな中、
今注目されているのは、洋上風力発電です。
こちらは、海に風車を設置するタイプですね。
通称、「再エネ海域利用法」という、
新たな法律が整備されたことも
洋上風力発電導入を後押ししています。
ただ、当然こちらにも問題があります。
海だったらどこでも建設OKというわけではありません。
遠浅で風の強い場所が適しているのですが、
日本の周りには遠浅の海が多くありません。
そして、結果的に
海上に風車を建設する場合でも
やはりその地域に住む住民の方々への影響が
懸念されることになります。
たとえば、
洋上風力発電導入を積極的に進める秋田県では、
健康、景観への影響を理由に
反対署名活動が行われています。
そこで登場するのが
浮体式洋上風力発電施設ですが、
どうやらこちらは運用が難しいようで。
政府が福島県沖に約600億円を投じて設置した施設が
採算が合わないことを理由に全て撤去される、
という報道も昨年ありました。
このように、
色々と課題は残されています。
ただ、それでも
脱炭素化の世界的な流れの中、
日本政府も国をあげて「風力発電推進」に
取り組む意思を見せており、
ゼネコンなどの企業も続々と参入を進めています。
「国策に売りなし」
という格言も投資の世界にはありますが、
洋上風力発電は特に、
今後注目が高まる可能性もあります。
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ルールを味方につける
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どんな分野が伸びるのか、
確実な予測をすることはできませんが、
政府からお金が流れる分野というのは
スタート地点がまず違います。
たとえるならば、
100m走を
30mとか50mから走り始めるようなイメージでしょうか。
さらに、ルールをうまく味方につけられると
もっとおいしい。
たとえば
温暖化ガス排出枠(クレジット)。
温暖化ガス排出の目標が未達だった企業は、
それを補うために
どこかの企業から、
そのクレジットを購入することになりますが、
クレジット販売で潤う企業もあります。
有名なのが、米テスラですね。
過去2年間にわたり、
クレジット販売で大きな利益を得ていました。
今後、日本の企業でも
温暖化ガス排出枠(クレジット)販売で
利益を得る企業が出てくる可能性もあるでしょう。
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まとめ
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本日は風力発電の話をさせてもらいましたが、
未来のことなど誰にも分かりません。
政府が600億円投じて建設した風力発電施設が撤去された、
という話が示すように、
世の中には多額のお金を投じて失敗する事例も
たくさんあります。
もしかしたら
風力発電よりも魅力的な
新たなクリーンエネルギーが
今後登場する可能性だってあります。
変化が著しい今の時代、
柔軟に幅広い視野で物事を見ることが
ますます求められるのではないでしょうか。
"思考の柔軟性"も大切です。
本日も最後までご覧いただき、
ありがとうございました。
下山敬三
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