2.7〜3万のボックスで動く、勝ちやすい日経相場に潜むワナ
こんにちは、下山です。
「コロナ禍ですが、年率30%はキープしています」
株アカデミーのセミナーで、
ある生徒さんが利益を報告してくださいました。
その生徒さんは、
「デイトレード・コース」の方ですが、
「利益が出ているからこそ、
もっと深く株アカデミーの手法を学び
さらに上を目指したい」
という意気込みを持たれていました。
向上心を持つことは素晴らしいことです。
ただ、その生徒さんに
1つ忠告させてもらいました。
「今年は相場環境が良かったので、
今後気をつけてくださいね。」
と。
どういう意味か、お分かりになりますか?
2021年は、比較的わかりやすい相場が続きました。
日経平均株価が27000円から30000円の間を
ずっとウロウロしている、いわゆるボックス相場でした。
何も考えず27000円台で買って30000円近くで売れば
とりあえず利益が出る、
そんな分かりやすい相場でした。
1日に大きく相場が動くことはあっても
ボックスの中で動いているだけです。
たとえば11月末、
コロナウイルス変異株・オミクロンに対する懸念から
1日800円以上も日経平均が下落する場面もありましたが、
ボックス内の動きです。
2021年は、
このように分かりやすい相場が続きましたので、
変なことをしなければ比較的簡単に利益を得られたはずです。
株アカデミーでも
順調に利益を積み重ねられている方が
多くいらっしゃって、最近は質問もあまり届きません。
株アカデミーでは
生徒さんから届いた質問に答える
音声回答を週に1回配信しているのですが、
この夏頃から質問が無い状態が続いています。
相場が荒れると質問も増えるのですが、
今は分かりやすい相場なので
株アカデミーも全体的にすごく落ち着いています。
それだけ順調に利益を出されている方が多い、
ということです。
しかし、怖いのはこの相場で味をしめて
今の勝ちパターンが染み付いてしまうケースです。
こうなると、
今後相場環境が変化したときに
対応できなくなってしまう可能性があります。
27000円から30000円の間を行ったり来たり、
そんな相場環境に慣れてしまい、
たとえば27000円を割っても
「まあまた上がってくるだろう」
と気楽に買いポジションを待ち続け、
26000円まで下落した時、
「ちょっとヤバいかも、でもこのまま下がり続けるはずはない」
と言い聞かせ、我慢し続けた結果・・・
株価が下落し続け、
「2021年に得た利益が全部吹き飛んだ」
みたいなことになる可能性が考えられます。
ですから、
27000円を割ってズルズル下落し続ける、
もしくは30000円を抜けて上昇し続ける、
そんな相場状況になった時のことも
今から考えておくべきです。
ただ、相場には"ダマシ"というものがあって、
たとえば27000円をちょっと下抜けたと思ったら
また大きく上がり出す、
みたいなケースもありますので、
見極めが難しいですよね。
もしあなたが
そのようなダマシに頭を悩ましているのであれば
発想を転換してみませんか?
相場がどう動いても最終的に利益が残るような方法を
考える方向に。
たとえば
都合の悪い方向に相場が動いた時でも対処できるよう
備えながら、ポジション取りをするとか。
はっきり言いますが、
都合の悪い相場に対処するための準備ができているか?
これで最終的な勝敗は決まります。
もし緊急事態に備えられていないのなら、
その時点で、もう負けています。
先日、日経平均が1日800円以上下落した時、
Twitter上で悲痛な声がけっこう見られました。
日経平均が1日800円下落することなんて、
それほど珍しいことではありません。
なのに、それくらいのことも想定できていない。
厳しい言い方になりますが、
もう最初から勝負は決まっています。
これを読まれているあなたは
ぜひ常に備えられるトレーダーであってください。
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相場でカモにされるヤツ
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そうはいっても、備えることはなかなか大変です。
「ついつい利益に目が奪われ、
備えることなくエントリーしてしまう」
そのような方も多いでしょう。
その場合、
トレードに対するイメージが
根本的に間違っている可能性がありますので、
一度それをリセットしてみてはいかがでしょうか?
著書『ブラック・スワン』でも有名な
ナシーム・ニコラス・タレブ氏の言葉が
参考になるかもしれません。
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私の座右の銘はこうだ。
市場は小さな出口がひとつしかない巨大な映画館だと考えよ。
そして、カモを見分ける最大のコツがある。
出口ではなく映画館の大きさに目が行っているヤツは
間違いなくカモだ。
ナシーム・ニコラス・タレブ
『身銭を切れ
ー「リスクを生きる」人だけが知っている人生の本質(ダイヤモンド社)』
2019年12月11日 第1刷発行
P.156-157
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ナシーム・ニコラス・タレブ氏は、
アメリカの投資銀行に勤めていた経歴もある
金融業界の著名人ですが、
的を射た言葉ではないでしょうか。
多くのトレーダーはエントリーする際、
「ダメだったらロスカットすればいいや」
くらいの感覚で資金を投入します。
しかし、
相場という広い会場には
限られた出口しか用意されていない。
出口が限られていても、平時なら問題ないでしょう。
簡単に出ることができます。
しかし、いざ相場が炎上し
出口に人が殺到すれば出られなくなり、
炎上に巻き込まれ、ボコボコにされる。
こんな光景は日常茶飯事です。
いかがでしょう?
あなたの頭の中には
どんな市場が描かれていますか?
出口がたくさんあって、
いざとなればいつでも退却できる、
そんなイメージを持っていませんか?
市場にそういうイメージを持っていると、
軽い気持ちでエントリーしたくなりますので、
お気をつけください。
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2手先、3手先まで考えた上でエントリー
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「相場が都合の悪い方向へ動いた時何をするのか?
エントリーの段階で頭の中にその答えを用意しておくこと。」
今年も一貫してこのことをお伝えしてきました。
「そんなことよりも
手っ取り早く利益になる手法、銘柄を教えてくれ!」
そう思う方も多いでしょう。
ただ、勝てる手法も、勝てる銘柄も、
都合の悪い場面に対する備えができていなければ、
意味をなしません。
たとえば
2手先、3手先まで考えた上でエントリー、
こういったことが当たり前のようにできることが
何よりも優先されるべきです。
利益を増やすことを考える資格が得られるのは、
絶対に負けない状態になってからです。
残念ながら2021年を負け越してしまう方は、
ぜひ考え方を変えてみてください。
今からでも遅くはありません。
大切なのは今とこれからです。
本日も最後までご覧いただき
ありがとうございました。
下山敬三
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