含み損が怖い?今すぐこれ試してください。
こんにちは、下山です。
不安、怒り、さまざまな感情を抱えながら
トレードをしている中、
感情のコントロールができず
悩んでいませんか?
本日はそんな
あなたのために書かせてもらいます。
早速ですが、
トレードで失敗をした時、多くの方は
「あのとき売りを持っておけば」
「あのときロスカットをしていれば」
というように、
とにかく"たられば"の後悔をし、反省します。
しかし、大抵の場合
その反省は次のトレードに生かされません。
反省が浅いからです。
たとえば、先日トルコリラが暴落した際、
「1トルコリラ=12円の時に
売りを持っておけばよかった。
次はリスクヘッジの売りを持つ。」
と反省したものの、結局また同じ過ちを犯す、
そんな方も多いのですが、
こういう場合、
「じゃあなぜ売りを持てなかったのか?」
その理由を考えて、
「次に同じような局面にぶつかったとき、
どうしたらきちんとリスクヘッジの売りを持てるか」
ということを考えることが肝心です。
では、ここで1つ考えてみてください。
同じ失敗を繰り返さないために
何が大切だと思いますか?
失敗と言っても
ケースバイケースだと思いますが、
実は大抵の場合、
根っこにある失敗の理由は同じです。
「心の問題」です。
手法が間違っているとかそれ以前に
まず「心」が、
勝てるトレーダーのそれになっていない
ケースが大半です。
特に多くの方は「欲」と「恐怖」、
この2つをコントロールできていません。
前回は「欲」のコントロールについて
お伝えしましたので
今回は「恐怖」のコントロールについて
お伝えします。
「欲」と「恐怖」
これら2つから自由になれるだけでも
トレーダーとして一気にレベルが上がりますので、
ぜひ参考にされてください。
=====================
不安を抱えながらトレードしているあなたへ。
=====================
もし今、あなたが恐怖を感じながら
トレードをしているのならば、
まず保有しているポジション数が
多すぎる可能性があります。
ちょっと相場が動いただけで
ビクビクしていませんか?
相場が気になってしまい、
スマホで常に相場をチェックしていませんか?
ならば、
ポジションをもっと減らすべきです。
「でも、一気に大きく稼ぎたいんだよなあ。
チマチマ利益を稼ぐのは性に合わない」
と反発されるかもしれませんが、
だとしたらトレードに対する認識が間違っています。
ポジション数を無理に増やし、
リスクを負って一気に勝とうとすれば、
いずれ必ず大きく負けます。
身の丈にあったトレードで
確実にコツコツ利益を積み重ねるのが
実は最短距離です。
長期的に勝ち続けたいのであれば、
堅実に身の丈に合ったポジション数で
コツコツトレードするのが結局最善なのです。
まあこの話は
なかなか理解してもらえないかもしれませんが、
失敗経験者の方ほど身に沁みるはずです。
ただ、
ルール上、最小のポジション数で
トレードしていても恐怖を感じる方も
いらっしゃるでしょう。
そのような方に、
1つ紹介したい話があります。
米ボストンのノースイースタン大学の心理学者、
リサ・フェルドマン・バレット氏によって、
118名の株トレーダーをモニタリングする
実験が1ヶ月にわたり行われました。
実験の目的は
トレーダーの思考や感情が
トレード結果にどのような影響を与えるのかを
調べることです。
この研究によって意外な事実が判明しています。
一般的に、
「トレードで感情は敵だ!」
と思われがちです。
しかし・・・、
--------------------------------------------------
In this study, people with “hot heads”
—those who experienced their feelings
with greater intensity during decision making—
achieved higher decision-making performance.
(中略)
Instead, the results suggest exactly the opposite:
individuals who better understood
what was going on with their feelings
during decision making and thus reported them
in a more specific and differentiated fashion
were more successful in regulating the feelings’
influence on decision making and,
as a result, achieved higher investment returns.
この研究において、
意思決定の際に感情をより強く感じる
「hot heads」のトレーダーは、
より高い意思決定のパフォーマンスを達成した。
(中略)
意思決定をする際、
自身の感情の中で何が起こっているのかを理解し、
それをより明確に差別化して報告したトレーダーは、
意思決定に影響を及ぼす感情コントロールをより上手くこなし、
その結果、トレードでより多くの利益を獲得した。
(筆者翻訳)
※引用元:
Lisa Feldman Barrett, Myeong-gu Seo (2007 Aug)
“Being emotional during decision making—good or bad?
An empirical investigation”
Academy of Management Journal. 50(4): 923–940.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2361392/
--------------------------------------------------
一般的には、
無心で淡々とトレードするトレーダーの方が
勝てると思われがちです。
しかし、この実験においては、
トレードの決定をする際、
強い感情を感じているトレーダーほど
より質の高い意思決定をしていたとのこと。
意外ですよね。
「感情はトレーダーの敵ではなかった」ということを
この研究は示しています。
ただし、
感情任せにトレードすれば勝てる、
という話では、もちろんありません。
最大の成果をあげたのは
感情をコントロールできていたトレーダーです。
そして、コントロールするため
自身の感情をしっかりと認識していた、
ということです。
====================
なぜ感情を明確に認識する必要があるのか?
====================
でも、なぜ自分の感情を明確に認識することが
利益につながるのでしょう?
単純な話ですが、
「感情をコントロールしたい」
と思うのなら、
まずはコントロールすべき感情を
知らないければ始まりませんよね。
自分がどんな感情をかかえているのか
分からないのにコントロールはできません。
たとえば大きい含み損をかかえてしまった時、
「私は今、恐怖を感じている」
とあなたが思っていても、
実際は「悲しみ」の感情が大きいとします。
本来「悲しみ」に対処すべきなのに、
あなたの意識は「恐怖」に対処しようとする、
これでは脳が混乱してしまい、
いつまで経っても感情をコントロールできません。
だからこそ、
自身の感情について些細な違いに敏感であるほど
脳は感情に対してうまく対処しやすくなる、
と考えられます。
そして、感情のコントロールがうまくできれば、
適切な判断もくだしやすくなります。
脳の仕組みについては完全に解明されていませんので
理由については諸説あると思いますが、
いずれにしても
上で紹介したような研究結果がありますので
感情のコントロールができず
相場に振り回されている感覚がある方は、
トレード中にご自身がどういう感情にあるのか
より深く明確に意識してみてはいかがでしょうか。
すぐ利益に直結するとは言いませんが、
試してみる価値はあります。
また、
どんな場面でどういう感情を認識したのか?
記録しておくのも良いでしょう。
記録を振り返れば、
あなた自身の傾向も見えてきます。
==================
まとめ
==================
感情を上手くコントロールすることは
簡単な話ではありません。
しかし簡単ではないからこそ、
それができるようになれば大きな財産になります。
きちんと感情をコントロールできるようになれば
トレードだけでなく、
日常のいろんな場面で
物事を有利に進められるようにもなります。
本日紹介したのは、
あくまで1つの事例であって
方法論はもちろん他にもあります。
ぜひあなたに合う方法を
探し求めてみてください。
本日も最後までご覧いただき
ありがとうございました。
下山敬三
Is it OK?