近くて遠い3万円台回復の理由は
株式
今週の予測では、11月4日の29880円を終値で上にぬけると3万円の大台乗せも期待できるとしていましたが、昨日16日(火)は29960円まで上昇するものの3万円接近で売り物が出て、終値は29808円でした、4日続伸となったものの上値の重い展開です。
3万円水準には売り物が多く、ここをこなして3万円台回復となれば値動きが軽くなるとの見方が多いようです。本日は▲119円の29688円で引けました。
昨日の為替は、114.85円と一時、1年4ヶ月ぶりの円安水準となりました。本来ならば日本の輸出関連株が大きくか買われるところですが、そうはなっていません。円安にも良い円安と悪い円安があり、現在は悪い円安の面が出ています。それは原油が急騰し、高止まりして物価を押し上げているからです。先進国の中で所得の伸び率が最悪の日本で物価が上昇することは、生活苦が強まっていくということです。輸出品で儲けても、それ以上に輸入品が高くなり物価をさらに上昇させることが予想されています。そのため目先は内需株は冴えず「近くて遠い3万円台回復」となっているともいえます。
①輸出企業の中心は、高収益を上げているトヨタ自動車が中心ですが、今は日本車など何でも高く輸出できるのではなく、トヨタのようなハイクオリティー重視の車が輸出され、他の自動車会社に波及していないので日本株全体の追い風となるバリューシフトは限られています
②原材料(原油など)高や円安進行による貿易条件の悪化も投資先の選択に比重の変化が出て円安を好感しづらい状況になっている
③7-9月期決算発表を通過しても日経平均の予想EPS(1株利益)の増額が限定的になっているといえます。
以上の①~③が「近くて遠い3万円台回復」の大きな理由ですが。相場は必ずしも理屈通りにはならないので米株式の上昇、原油高の一服、円安の一服、11月のアノマリーなどからきっかけさえあれば3万円台を回復し、終値ベースで9月14日の年初来高値30670円をクリアーすれば31000円が視野に入るとの見方も多くあります。
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