《東洋経済ONLINEでコラム掲載中》個人投資家の錯覚
おはようございます、松下です。
毎週日曜日は、投資に関連する
テーマのコラムをお届けしています。
本日のテーマは、
「個人投資家の錯覚」。
初心者の投資家は、必ず一度は
この錯覚を経験します。
悪くすると、この錯覚から抜け出せないまま、
投資の真実に気づけないまま、市場から
去ることになってしまいます。
投資にどんな錯覚があるのか、
その錯覚から抜け出すために、
読んでみてください。
【コラム】松下誠の投資探究
第208回「個人投資家の錯覚」
投資では、レバレッジをかけることにより、損益の振幅が大きくなる。
資金管理について理解していない個人投資家は、常に大きなリスクを
負っている傾向にあり、その分利益も損失も大きくなる。投資を
続けていれば、相場環境が良く、日に日に含み利益が拡大し、
大きい利益確定が続くこともある。
それまで会社員として、毎月数十万円の給与を得ていた人が、一日単位で
数十万円の利益を上げると、錯覚し始める。会社で働くよりも、
株で利益を上げる方が、よっぽど早く大きく稼げるという錯覚だ。
これを錯覚というのには、2つの理由がある。1つは、前にも書いたように、
この投資家は適正な資金管理を逸脱しており、リスクを取り過ぎている。
成功している時には、大きい利益に有頂天になるが、一旦、損失を
抱えると、損失も大きくなり奈落の底へ落とされる。もう1つは、
それまで上げてきた利益は、この投資家の実力で上げた利益ではなく、
相場環境による偶然の産物だ。数ヵ月くらい利益を上げ続けたからといって、
その後、ずっと利益を上げられる訳ではないのだ。
こうして、今日も多くの個人投資家が錯覚の中にいる。このほとんどは、
ここから抜け出すことができず、資金を失い市場から去っていく。
この錯覚から目を覚まし、抜け出すためには、資金管理を学び、
売買サイズとリスクを小さくし、自分の資金に見合った利益と損失に
変えなければならない。投資をすれば、早く大きく儲かるわけでは
ないことに気づき、着実にゆっくり利益を上げていこう。
よろしいですか?