潮流1169 ワクチン銘柄ボーイングのワープ・スピード 連載5 井上哲男氏
井上哲男氏、本日11月25日 06:57 配信記事をご紹介申し上げます.。
225RSIは162.21%に上昇。ダウ3万ドル乗せもRSIは0.67%低下の148.99%
買戻し加速。NYSE出来高が12億株超、VIXは8/18以来の低水準
まだまだBA(ボーイング)の飛行が止まらない。昨日、この「潮流」で、一昨日のダウ327.79ドル上昇のうち、同社の寄与が78ドル(1位)であったことを書いたが、今朝終わった昨夜の454.97ドル上昇(ダウ初の3万ドル乗せ)においても46ドル(2位)の寄与となった。
さすがに一昨日、3銘柄で28ドルのマイナス寄与となった3銘柄も、昨夜は54ドルの上昇寄与となったが、3社合計でBA1社分とそう変わらず、昨夜は、このボーイングに加えてゴールドマンサックス(1位):57ドルのプラス寄与、JPモルガン・チェース(4位):36ドルのプラス寄与と、民主党政権で決して恩恵を受けるとは思われなかった金融株にも買い戻しと出遅れ買いが出た。
この動きは、時間外で「株・原油高、債券・金安」という典型的な(最近でここまで時間外でハッキリとした動きとなったのは久しぶり)リスクオン・モードとなり、それが金融株にも向かった形だが、ここで言われたのが、「株高、債券安=金利上昇」がともに金融株にとって好材料であるということ。
特に買い戻しの動きは活発であったと思われ、「MD」に書いたように、NYSEの出来高は12億株超と、平時(8億株と私は考えている)の1.5倍に膨らんだ。この「出来高」が膨らんでいることが、買戻しが慌てて行われていることの証左であるという主旨のことを書いてきたが、11月に入ってからの平均出来高は1,026百万株と10億株を超えており、10月の(出来高が膨らむ最終営業日を除いた)平均出来高846百万株の2割増の数字となっている。
また、11月に入り、10億株を超えたのが5回あるが、そのうち4回はダウが上昇しており、合計上昇幅は2,023.12ドルで、平均505.78ドルの上昇を記録している。(下げた1日の下落幅も317.46ドルと大きく、『出来高増』が前日比騰落(幅)の大きさにつながっている。)
直近、足元の経済指標、特に10-12月期のGDP予想について、欧州はこれまで(公的に)「前期比マイナス0.1%程度」とされていた見方に対して大きな疑問が呈されており、再度のロックダウンを受けて、2桁マイナスの数字の予想を出す機関も現れ始めており、米国についてもGDPはそれほどでみないが、消費に関するシビアな見方が広がりつつある。(クリスマス商戦も含め)
その意味でも注目された昨日のコンファレンス・ボードによる米消費者信頼感指数(11月)であるが、発表された数字は96.1と、前月から5.3ポイントの大きな低下となった。新型コロナウィルスの影響が無かった2月の数値は「132.6」。家計における現金・貯蓄が大きく増加する中、停滞するマネーは、それ自体が消費に向かうことを恐れているようだ。
しかし、現在の市場は、ひと足早く、既にワクチンを打った状態であり、足もとはおろか、来年1-3月期までどのような数字が出ようとも、気にしないと決めにかかったような強さを感じる。株価上昇に必要な条件は「バイデン政権とワクチンだけ」ということか。
「SIGN」に書いたように日米ともに「RSI合計」がそれぞれの天井圏に近づき、ダウは既に達したと思われるが、今後の推移予想は、今週から来週初(米国は休場もある)にかけては、天井圏で張り付くことが予想され、明確な下落とならない可能性が高い。「いったん目指したら、そこをつけなくては気が済まない米国市場」は、“そこ”である3万ドルを達成したが、急落よりは高値での(値保ちのよい)もみあいに移行する可能性が現段階では高いといえる。
written by Hayakawa
Is it OK?