【フジトミ】シカゴ穀物は全面的に大幅安
(NY貴金属)
30日のNY金は3営業日振りの下げとなった。NY金期近8月限は前週末比5.7ドル安の1265.7ドル、NY白金期近7月限は同21.8ドル安の941.1ドル。
取引中心限月である期近8月限の1270ドル台での上値の重い展開も影響し、欧州時間帯に入って下げ幅を拡大した。6月の米FOMCでの利上げ観測が根強いこともあり、月末要因も手伝って値を崩したという。一方、欧州の株式市場も上昇一服で、目先の不透明感が台頭。トランプ米政権の不確実性もあり、リスク警戒から1260ドル台は維持することに。NY白金が急落しているが、期近7月限の6月に入っての整理商いを意識したため。実勢悪から、今回も期先への乗り換えは消極的で、買い玉整理中心になるとみられる。
(WTI原油・NY石油製品・北海ブレント)
30日のWTI原油は一時急落したものの、NYガソリンの上伸をキッカケにして清算値決定にかけてプラス圏を回復するなど、出直りをみせた。WTI原油期近7月限は前週末比0.14ドル安の49.66ドル、北海ブレント期近7月限は同0.45ドル安のドル。RBOBガソリン7月限は同0.18セント安の162.43セント、NYヒーティングオイル期近7月限は同1.35セント安の155.35セント。
序盤は米国の原油増産基調を嫌気して下値を試す展開をみせ、WTI期近7月限は49.03ドルまで急落した。OPECの減産幅拡大が見送られたことで、世界的な需給バランスの悪化が懸念されることに。その一方、メモリアルデー後の米国国内でのガソリン需要の増加期待もあり、ガソリンが安値から大きく買い進まれ、WTIの戻りを促していた。しばらく、米国のガソリン需要の動向がポイントになりそうだ。ロイター通信が集計したアナリストによる在庫統計に対する事前予想で、原油在庫は前週比280万バレル減、ガソリン在庫は同100万バレル減となっている。その事前予想が明らかになった後、NYガソリンはまたマイナス圏に値を消し、WTIも反落している。
(CBOT大豆)
30日のCBOT大豆は14か月振りの安値を示現するなど、大幅続落となった。期近7月限は前週末比14.50セント安の912.00セント、新穀11月限は同10.50セント安の918.75セント。
世界的な供給過剰拡大懸念が連休明けも変わらず、南米の売り攻勢も継続し、シカゴは一段安を強いられることに。中国は国内の圧砕マージンの悪化の影響から、安価な南米産を今後とも輸入の中心とするとの噂も流れ、下げに拍車をかけていた。その影響もあってか、ブラジルの売りが連休明けのシカゴ市場でみられたという。シカゴ引け後に発表される全米平均の作付進捗率に対する事前予想平均は68%(予想レンジは60%~75%)。
(CBOTコーン)
30日のCBOTコーンは急反落し、連休前の上伸した値幅以上に急落している。期近7月限は前週末比7.50セント安の366.75セント、新穀12月限は同6.75セント安の385.75セント。
連休前は米コーンベルトの天候リスクが警戒され、買い進まれていたが、懸念されるほどの天候不順とはならず、連休明け早々、売りを浴びていた。週末に散発的な降雨があったが、作柄に影響はなかったとみられている。今週も降雨が予想されるが一時的。期近7月限は3.70ドルを下抜け、200日移動平均線をまた下回ることに。さて、シカゴ引け後には今季初めて作柄状況が発表される。全米平均の優と良の合計に対する事前予想平均は68%(予想レンジは65%~71%)。
https://www.fujitomi.co.jp/?p=15567
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