【フジトミ】海外原油は続伸も、高値から値を崩す
(NY貴金属)
11日のNY金は1220ドルを挟む動きをみせる中、安全資産として買われた。NY金期近6月限は前日比5.3ドル高の1224.2ドル、NY白金期近7月限は同7.8ドル高の917.7ドル。
トランプ米政権の不確実性が警戒され、リスク要因として買い進まれていた。コミー米FBI長官の解任が政権を揺るがず大きな問題に発展する可能性もあり、政権の先行き不透明さが台頭し、1220ドル割れではリスクを踏まえた買いを集めているという。ドル高一服もリスクを再認識するキッカケになっている。ただ、米利上げ懸念もあり、現時点では1230ドル台回復は厳しいとの見方もまた支配的。NY白金も続伸しているが、高値から大きく値を消し、910ドル割れをみせるなど、不安定な値動きだったという。
(WTI原油・NY石油製品・北海ブレント)
11日のWTI原油は続伸。WTI原油期近6月限は前日比0.50ドル高の47.83ドル、北海ブレント期近7月限は同0.55ドル高の50.77ドル。RBOBガソリン6月限は同2.26セント高の156.22セント、NYヒーティングオイル期近6月限は同1.45セント高の148.99セント。
前日同様、NYガソリンの強調地合いが原油市場の大きな支援材料となって、ガソリンがリードする格好で原油も上伸していたという。サウジがアジア向けの原油供給の削減を明らかにしたことで、需給バランスの均衡を図る動きと評価され、支援材料になっていた。しかし、米国からのアジア向けの原油輸出が増加していることもあり、サウジの動きが必ずしも需給バランスの修正につながるかどうか不透明な部分もあり、WTIは48ドル台維持できず。米EIAの在庫統計での原油在庫の大幅減少を改めて好感する動きもあったが、原油輸入の急減が影響しただけで、米国の原油のさらなる増産は示されていたこともあり、米国の増産圧力で上値は限られるともみられている。目先は米ベーカー・ヒューズの原油掘削リグ発表待ち。
(CBOT大豆)
11日のCBOT大豆は続落。期近7月限は前日比4.75セント安の965.50セント、新穀11月限は同3.50セント安の963.25セント。
米コーンベルトでは大豆の作付がこれから本格化するが、作付に理想的な天気予報が示されており、ファンドの売りを誘って一段と値を消している。コーン市場同様、生産者の売りも台頭していたが、長期的な供給過剰懸念が高まる中、シカゴの値位置は割高とみている模様。米農務省が発表した週間輸出成約高も弱気な内容で、南米の輸出攻勢の中、米国の輸出需要の低迷はしばらく続くとみられている。期近7月限で9.60ドル割れを視野に入れた展開も指摘されていた。
(CBOTコーン)
11日のCBOTコーンは反落し、引けにかけて下げ幅を拡大していた。期近7月限は前日比4.50セント安の369.25セント、新穀12月限は同4.25セント安の387.25セント。
米コーンベルトの天候回復によって週末から週明けにかけて急ピッチの作付進展が予想される中、それを意識した生産者の売りを浴びることになったという。前日、米農務省が発表した需給報告はサプライズの内容でなかったものの、テクニカルな買いに押し切られ、かなり強引に買い進まれたが、それがかえって生産者の売りを提供することになったとみる。米農務省が朝方発表した週間輸出成約高はかなり弱い内容で、実勢悪も序盤の下押し要因になっていた。週末から週明けにかけて、米コーンベルト全般に晴天の見込みで、シカゴの一段安を指摘する声も多い。
https://www.fujitomi.co.jp/?p=15071
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