【クルーグマン教授が壊す常識】実は日本GDP、米国同等の伸び率!
こんにちは、下山です。
日本の経済って
世界でどのランクにあるのでしょう?
それをはかる1つの指標として
「1人当たりGDP」がよく使われます。
日本人1人当たり、どれだけの生産性があるのか?
を示す指標ですが、
2018年のデータによれば、
『日本の1人当たりGDP』は世界26位です。
(IMF統計に基づく
https://www.imf.org/external/datamapper/NGDPDPC@WEO/OEMDC/ADVEC/WEOWORLD)
ちょうど30年前、1988年の
日本の『1人当たりGDP』は世界で2位でした。
ずいぶん落ちぶれたものですね。
26位という数字を受けて危機感を煽る記事も
たくさん見受けられました。
国は借金だらけ、少子高齢化、
社会保険料も消費税も上がる一方、
それに加えて国民1人あたりの生産性も低い、
となると、日本の未来に希望を持てなくて当然ですね。
ただ、データにはいろんな見方があります。
少し角度を変えるだけで、全く違った姿が見えてきます。
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クルーグマン教授が壊す常識
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たとえば、ここ最近、日本のGDPに対する
ネガティブな見方に異を唱えたのが
ポール・クルーグマン教授です。
2008年にノーベル経済学賞を受賞している
アメリカの超有名な経済学者ですね。
クルーグマン教授は今年1月10日、
ツイッターにてこう発信しています。
"But Japan's aging population means that
you really want to look at GDP per working-age adult.
And by that measure
Japan's growth has been
essentially the same as America's"
(引用元 https://twitter.com/paulkrugman)
「労働人口あたりのGDPで見ると
日本とアメリカのGDP成長率は変わらないよ」
ということです。
1人当たりのGDPで言うと、26位の日本ですが、
実際に働いている労働人口あたりのGDPで言えば、
アメリカと同等に伸びている、ということですね。
考えてみれば、働いていない人間も含んで計算された
「1人あたりのGDP」よりも「労働人口あたりのGDP」の方が
より現実に即したデータですよね。
そして、その「労働人口あたりのGDP」で見れば
日本はあの株価が史上最高値を更新し続けている
アメリカに匹敵する伸びを見せている、ということです。
また、クルーグマン教授は
"The Japanese have also avoided mass unemployment,
and they're doing a much better job
than we are of not dying"
とも述べ、
日本の失業率の低さも挙げています。
経済に関してネガティブな話ばかりが取り上げられる中、
日本人に1つの希望をもたせてくれる見方です。
「世間で言われるほど、日本って悪くないんじゃないか」
とも思えて来るのではないでしょうか。
そして、この話からあなたにお伝えしたいことは、
「多面的に見ることの重要性」です。
多面的に見ることは簡単なことではありません。
たとえば、
「IMFによると『日本の1人当たりGDP』が世界26位でした」
と言われると、
その瞬間に
それ以上のことを考えようとしなくなる方が
大多数ではないかと思います。
しかし、データを真に受けるのではなく、
「いや、でも・・・」
とデータを改めて違う視点で
見てみようとすることが大切です。
特に株トレードは数字の受け取り方1つで、
大儲けすることもあれば
大損することもある世界です。
ですから、株トレードをされている方なら
ぜひデータとのお付き合いを慎重にするべきです。
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実は賢い人ほど危険
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あともっと言うと、
賢い方ほど気をつけてください。
「頭が良くて賢い人ほど、現実をより的確に把握できる」
と考えるのが普通かもしれませんが、
実は、知的で賢い方ほど、
あるワナに陥りやすい、
ということが分かっています。
そのことを示す一節を紹介させてもらいます。
↓
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こうした研究結果から、
「自分本位な推論は知的でない人の特性だ」という思い込みは
誤っていることがわかる。
それどころか、認知能力が優れている人ほど、
情報を合理化して都合の良いように解釈する能力も高くなり、
ひいては自分の意見に合わせて巧みにデータを歪めてしまう。
ターリ・シャーロット
『事実はなぜ人の意見を変えられないのか(株式会社白揚社)』
2019年8月30日 第一版第一刷
p.32より
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つまり、賢い人ほど現実を歪めて
自分の都合の良い世界を
上手に作ってしまう、ということですね。
あなたはいかがですか?
「おれ賢いから」と、
ご自分で思っている方は少ないかもしれませんが
少なくとも
「自分の知能は平均以下ではない」
とは思っているのではないでしょうか。
ほとんどの方は、ご自身のことを
「平均以上には賢い」
と考えているかと思いますので、
言わせてもらいますが、
ぜひあなたもその賢さに溺れないよう、
注意されてください。
「都合の良い世界を作ってしまうこと」
を回避するためには、
他人の言葉に耳を傾けることが1つ効果的です。
時に他人の価値観が、あなたの価値観を
適切に破壊してくれます。
ちなみに、もしあなたが
株トレードをされているのであれば
トレードについて気兼ねなく話せる相手はいますか?
普通に会社勤めされているとなかなか周りに
株をやっていることを話せない方も多いかと思いますが、
そのような方はぜひ会社の外にトレード仲間を作ることを
意識されてみてください。
あなたの価値観を良い意味で破壊してくれるトレード仲間を。
それでは本日も最後まで
ご覧くださいましてありがとうございます。
下山敬三
Is it OK?