【フジトミ】シカゴコーンが急伸、作付を意識したファンドの買い戻しが活発化
(NY貴金属)
10日のNY金は反落し、その他貴金属の急落に追随する格好で1250ドル割れをみせた。NY金期近6月限は前週末比3.4ドル安の1253.9ドル、NY白金期近7月限は同22.6ドル安の940.0ドル。
週明け早々から軟調地合いを強いられていたが、ダドリーNY連銀総裁の発言をキッカケにした米長期金利の上昇を嫌気して、前週末に値崩れをみせたが、その弱地合いを引きずる格好に。また、週末に地政学リスクで急伸したものの、そのリスクの不確実性に対する懸念が台頭し、リスク買いの受け皿になり切れず。それよりも、米利上げの確実性が注目されていた。また、地政学リスクで強引に買い進まれたその他貴金属の値崩れが金の足を引っ張る格好に。それでも、1250ドル割れではリスクを買う動きが再燃し、その後、1250ドル台半ばまで戻している。白金は急落へ。将来的な需要後退に変わりなく、リスク警戒で余計に買い進まれた反動安を演じている。
(WTI原油・NY石油製品・北海ブレント)
10日のWTI原油は続伸し、53ドル台に水準を切り上げている。WTI原油期近5月限は前週末比0.84ドル高の53.08ドル、北海ブレント期近6月限は同0.74ドル高の55.98ドル。RBOBガソリン5月限は同1.19セント高の175.81セント、NYヒーティングオイル期近5月限は同1.89セント高の164.73セント。
清算値決定にかけて上げ幅を拡大する動きをみせるなど、前週末の高値を更新する強調地合いをみせていた。中東での地政学リスクが引き続き支援材料になっていたが、リビアの原油減産が再び指摘されたこともあり、53ドル台示現につながったと考えられる。再び武装勢力の攻撃を受けたため、主要な油田での生産が停止しているという。シリアは原油生産国ではなく、その周辺地域での原油供給不安はみられないものの、リビアの減産が再び大きな支援材料になる可能性もはらんでいるという。53ドル台まで買い進まれたWTI期近5月限であるが、さらに54ドルを目指すには新規の支援材料待ちとの観測もある。
(CBOT大豆)
10日のCBOT大豆は高安マチマチながら、高値から値を崩している。期近5月限は前週末比0.25セント安の941.75セント、新穀11月限は同0.25セント高の949.75セント。
需給報告を明日に控えており、弱気な内容が期待されている分、高値では売りを浴びていた。週明けの大連市場での大豆急伸もあり、いつものように週明けのアジア時間帯でシカゴ大豆は急伸していたが、結果的にはいつものパターン通り、売り場提供に。ブラジルの生産高予想の上方修正も指摘されているが、すでに公表されている予想では1億1000万トンを上回る水準が指摘されているだけに、さらなる上方修正観測が高まる可能性もある。世界的な供給過剰拡大懸念の中、発表後の一段安も警戒されている。
(CBOTコーン)
10日のCBOTコーンは急伸し、ほぼ高値引けとなっている。期近5月限は前週末比6.75セント高の366.25セント、新穀12月限は同5.50セント高の390.00セント。
ファンド筋の買い戻しがコーン市場で活発化したという。米コーンベルトでの作付を前にして、天候プレミアムを意識する動きをみせたと考えられ、その買い戻しが先行したことで、20日、200日移動平均線を次々と上抜き、引けにかけての上伸で、100日移動平均線も上抜き、テクニカル面では基調転換も暗示させるという。週末に発表されたCFTCの取組内訳で、相変わらず大口ファンドの建玉はネットショートであることが週明けの買い戻しのキッカケになったとみられている。さて、シカゴ引け後には米農務省の作付進捗率が発表されるが、全米平均の進捗率に対する予想平均は4%(予想レンジは2%~6%)となっている。
https://www.fujitomi.co.jp/?p=14358
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