【フジトミ】米FOMC後、NY貴金属は大きく値を跳ばす
(NY貴金属)
15日のNY金は急ピッチのドル安を背景にして、米FOMC声明後に急伸を演じている。NY金期近4月限は前日比1.9ドル安の1200.7ドル、NY白金期近4月限は同2.1ドル安の936.8ドル。
米FOMC声明で、年3回の米利上げを支持する内容だったこともあり、市場での年3回以上の利上げの可能性が後退し、ドル安が進行する展開に。利上げ自体はドル高要因だったが、年4回の利上げの可能性も期待されていただけに、知ったらしまいの展開で、ドル安が進行し、NY貴金属は総じて急伸へ。0.25%の利上げは実施されたが、利上げ自体に対する市場の反応は織り込み済みだった。1220ドルに迫る戻りをみせたことで、チャート上でも目先の底打ちの様相をみせている。しばらく、ドル相場に大きく振り回されることになるだろう。
(WTI原油・NY石油製品・北海ブレント)
15日のWTI原油は急反発し、清算値決定にかけて値を跳ばし、49ドル台を回復していた。WTI原油期近4月限は前日比1.14ドル高の48.86ドル、北海ブレント期近5月限は同0.89ドル高の51.81ドル。RBOBガソリン4月限は同0.01セント安の158.34セント、NYヒーティングオイル期近4月限は同2.05セント高の151.24セント。
強気の米在庫統計を好感して、前日の米APIの在庫統計発表後からWTI・ブレントとも大きく切り返す動きをみせていた。米EIAの在庫統計でも原油在庫は小幅減少となり、前週比で23.7万バレル減に。ガソリン在庫は同305.5万バレル減、中間留分在庫は同422.9万バレル減となり、米APIの在庫統計同様、石油製品在庫は急減へ。原油輸入が減少したこと、製油所の稼働率の低下が影響した在庫の減少であるが、必ずしも石油需要が急拡大しての製品在庫の減少ではなかた。また、原油生産はさらに増加しており、原油輸入の大幅減少をカバーして、原油在庫の減少幅も小幅にとどまっていた。米EIAの発表で、WTIもまた上伸し、48.88ドルの高値を示現したが、その後は上げ幅縮小へ。ただ、清算値決定にかけて突然値を跳ばし、49ドル台を示現する動きをみせた。ガソリンは需要の伸び悩みもあり、高値から大きく値を消していた。米東部の寒波の影響で、主要なヒーティングオイルの需要先だけに、NYヒーティングオイルの支援材料になっていたが。米国の原油増産の継続が確認されたこと、原油在庫の記録的な高水準に変わりないだけに、再びWTIは下値を試すことになるとみる。
(CBOT大豆)
15日のCBOT大豆は弱気な圧砕高を嫌気して続落。期近5月限は前日比2.00セント安の997.25セント、新穀11月限は同2.50セント安の992.00セント。
NOPAが発表した2月の圧砕高は1億4279.2万ブッシェルで、前月の1億6062.1万ブッシェル、前年同月の1億4618.1万ブッシェルを下回った。輸出需要の後退に加えて、圧砕高も低迷することになれば、南米の荷圧迫が拡大する中、米国大豆のファンダメンタルズは一層悪化することに。アジア時間帯での上伸は今回もダマシになっていた。明日発表される成約高も弱い内容になれば、さらなる下値探りとみられる。
(CBOTコーン)
15日のCBOTコーンは小幅続伸し、2営業日連続での上昇となった。期近5月限は前日比1.25セント高の363.50セント、新穀12月限は同1.25セント高の385.50セント。
1か月半振りの安値に値を消したこともあり、期近5月限の3.60ドル台維持を背景にした値ごろ買いもあって続伸へ。ただし、南米の荷圧迫はコーン市場でも同様に警戒されており、シカゴの戻りも限られていた。自律反発一巡後は、世界的な供給過剰もあって、また売り直され、3.60ドルを下回るともみられている。月末発表の全米在庫と作付意向面積を意識した展開でもなく、時期的に狭いレンジの取引は仕方なし。
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