6月に注目される米国の人工知能株3銘柄
モトリーフール米国本社、2019年6月16日投稿記事より
ハイテク株投資家にとって、人工知能(AI)は次のフロンティアです。
以下で現在注目されるAI株のIBM (NYSE:IBM)、アルファベット (NASDAQ:GOOG) (NASDAQ:GOOGL)、アマゾン・ドットコム(NASDAQ:AMZN)を紹介します。
IBM:AI開発はまだ始まったばかり
787億ドルの売上高と177億ドルのEBITDA(支払い利息・税金・償却控除前利益)を誇るIBMは、さらにAI事業についても世界的なレベルで先行しています。
IBMのワトソンAIプラットフォームは、同社事業の中核をなすものです。
ワトソンは、20の異なる業界にわたる16,000以上のIBMプロジェクトの一部です。
しかし、同社経営陣によれば、これはまだ始まりに過ぎません。
IBM上級副社長のアービンド・クリシュナは、「我々は、野球で言えばまだ1回か2回の段階です」と語っています。
これは、現在のAIは「ナローAI」が主流で、1つのタスクに対して機能するAIの段階だからです。
いずれ、AIは人間の知能を模倣して、様々な問題を解決することになります。
「その段階に到達するまでにはまだ時間を要するでしょう」とクリシュナは指摘しています。
IBMは、AIのもう一歩先の開発においても先駆者であろうとしています。
そのため、利益率の低いハードウェア部門を近年売却し、長期的な成長ドライバーにリソースを集中させており、AIはまさにその中心です。
アルファベット:自動運転車のためのAI開発
AIの活用分野は多岐にわたりますが、最も注目されているのは自動運転車への活用です。
自動運転車はセンサーとAIソフトウェアを使うことで、人間でも運転困難な道路状況に対応できるようになります。
いったん自動運転車が確立されれば、交通事故の約90%はなくなると予想されています。
このため、アルファベットの自動運転車子会社のウェイモの役割は重要です。
ウェイモは公道で1,000万マイル以上の自動運転走行を行っており、累計で70億マイル以上の試験走行を行っています。
ウェイモは自動運転車分野におけるリーダーであり、AIシステムが自動運転車を使った先進的な実用ライドシェアリングサービスの「ウェイモ・ワン」を支えています。
ウェイモ・ワンはアリゾナ州フェニックスの一部地域で限定的なライドシェアリングサービスを展開しています。
ウェイモ・ワンはサービスの拡大と、他企業への技術ライセンスの供与を検討しています。
一部の投資家は、アルファベットの本業から逸脱している自動運転車事業に対して批判的です。
しかし、インテルによれば、自動運転車関連市場は2050年までに7兆ドル規模に拡大する見込みです。
この規模のゆえ、投資家はアルファベットにおけるAI事業の進捗に注目すべきでしょう。
アマゾン:Eコマース、クラウド、デジタル広告に加えてAIを忘れずに
アマゾンは既に超大型株ですが、それでも90%以上のアナリストは「買い」推奨を継続しています。
これは、Eコマース、クラウドコンピューティング、デジタルマーケティングにおいて長期的な成長が望めるからです。
しかし、アナリストはアマゾンのAI事業の可能性を過小評価しているようです。
アマゾンのAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)クラウドコンピューティングは、AIの恩恵を直接受けています。
クラウドコンピューティングでは、コンピューティング能力とストレージ能力の膨大な蓄積が必要で、AIがそれをサポートしています。
アマゾンはクラウドコンピューティング市場のリーダーであり、今後もAIを活用することで同市場において急速な成長を継続させるとみられます。
また、AIを消費者情報の収集・分析に活用することで、アマゾンのEコマースやデジタル広告事業を下支えします。
たとえば、AIを使って広告主に対する効果的な広告展開提案などを行えます。
結果的に、AIはアマゾンの長期的なリターン向上に寄与するとみられます。
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