ロジック構築⭐︎入門編
「自分でロジックを作ってみたい。でも、何から決めればいいのか分からない」
今回は、そんな方に向けて、私なりのロジック構築方法を書いてみます。
私が取り組みやすいと思うのは、まずエントリーのきっかけを決めて、そこに必要な条件を加えていく方法です。
理由はシンプルで、最初から条件をたくさん入れると、何が良くて、何が悪いのか分からなくなりやすいからです。
まずは一つの条件で試してみる。結果を見て、苦手な場面を探す。その場面を避ける条件を考える。
この順番なら、一つずつ確かめながらロジックを組み立てられます。
もちろん、これが唯一の正解ではありません。後半では、別の考え方にも触れていきます。
トリガーとフィルターって何?
少し難しそうな言葉ですが、役割はシンプルです。
トリガーは「ここで入る!」というきっかけ。
フィルターは「でも、こんなときは見送ろう」という条件です。
例えば、ボリンジャーバンドの下側に価格が触れたら買うとします。
この「下側に触れたら買う」がトリガーです。
ただ、下落の勢いが強いときは、買ってもそのまま下がってしまうかもしれません。
そこで、「下落の勢いが強いときは買わない」という条件を加えます。これがフィルターです。
つまり、トリガーでエントリーのきっかけを作り、フィルターでそのエントリーを選ぶ、という関係です。
ちなみに、MAはフィルター、RSIはトリガーと決まっているわけではありません。同じ指標でも、使い方によってどちらにもなります。
まずは、トリガーだけで試してみる
私なら、最初はできるだけシンプルに考えます。
「ボリンジャーバンドに触れたら入る」
「MAがクロスしたら入る」
こうした、気になる条件を一つ選ぶところから始めます。
そして、利確と損切りのルールを決めて、まずは検証してみます。
この段階では、無理に条件を増やさなくても大丈夫です。まず知りたいのは、その入り方に、どんな特徴があるのかです。
全体では利益が出ているのか。どんな場面で負けやすいのか。利益も損失も、一部の時期に偏っていないか。
最初の結果が、その後のロジック作りの出発点になります。
ここで気をつけたいのは、入り方だけで成績が決まるわけではない、ということです。
同じ場所で入っても、利確と損切りの位置が変われば結果も変わります。スプレッドや手数料も影響します。
そのため、入り方の良し悪しは、決済ルールや取引コストも含めて確かめる必要があります。
負け方が分かったら、フィルターを考える
検証してみて、例えばこんな特徴が見つかったとします。
「横ばいの相場では悪くないけれど、強い下落中の買いで大きく負けている」
それなら、次に考えるのは「強い下落中の買いを避けられないか」です。
ここで初めて、その場面を見送るためのフィルターを試します。
大切なのは、先に弱点を見つけて、その弱点に合った条件を考えることです。
「何となくMAも追加しよう」
「RSIも入れたら良くなりそう」
そんな発想から試すのもありだと思います。ただ、追加したら本当に良くなったのかは、数字で確認したいところです。
フィルターを入れる前と後で、何が変わったのか。
それを確認するためにも、一度にいくつも追加せず、一つずつ試す方が分かりやすいと思います。
また、比較している途中で利確や損切りまで変えてしまうと、何が効いたのか分かりにくくなります。まずは決済ルールをそろえて比較します。
勝率が上がれば成功?
フィルターを加えて勝率が上がると、良いものができた気がしますよね。
でも、勝率だけでは判断できません。
負ける取引を減らせても、それ以上に利益になる取引を減らしているかもしれないからです。
そこで、次のような数字も一緒に見ます。
- 損益: 最終的に利益が増えたか
- PF: 総利益が総損失の何倍あるか
- 最大ドローダウン: 資金が途中でどれくらい落ち込んだか
- 取引回数: 判断するための取引が十分にあるか
どの数字を重視するかは、目指す運用によっても変わります。
利益を伸ばしたいのか、資金の落ち込みを抑えたいのか。その目的に合う改善になったかを見ていきます。
フィルターを増やすことが目的にならないようにする。
ここは、意識しておきたいポイントです。
取りたい相場から考える方法も、もちろんある
ここまでは、トリガーから始める方法を書いてきました。
ただ、先に「どんな動きを取りたいか」を決める方法もあります。
例えば、「上昇トレンドの押し目を買いたい」というイメージがある場合です。
この場合は、まず上昇トレンドを選ぶ条件を考え、その中でどのタイミングで買うかを決めていく。つまり、フィルター側から組み立てる流れです。
これも自然な考え方だと思います。
すでに狙いたい動きがはっきりしているなら、こちらの方が考えやすい人もいるでしょう。
一方で、何から始めればいいか迷っているなら、まずは一つのトリガーを検証してみると、次に調べたいことが見つかりやすいと思います。
「この入り方は、どんなときに強いのだろう?」
「この負け方は、何か条件をつければ減らせるだろうか?」
結果を見ながら、次の一手を考えていくイメージです。
良い設定が見つかったら、別の期間でも試す
条件を調整していくと、過去の成績が良くなる設定が見つかることもあります。
そこで、すぐ完成としたくなりますが、もう一つ確認したいことがあります。
その設定を考えるときに使っていない期間でも、試してみることです。
同じ期間の結果を見ながら調整を繰り返すと、その期間にだけ合った設定になる可能性があるからです。
別の期間でも同じような特徴があるのか。急に成績が崩れてしまわないか。
将来も同じ結果になるとは限りませんが、確認を重ねることで、設定を選ぶ判断材料は増やせます。
私が大切だと思うのは、条件の数よりも、「なぜ、この条件を入れたのか」を自分で説明できることです。
まず一つ試す。結果を見る。気になるところを調べて、また試す。
最初から複雑なロジックを目指す必要はありません。そんな積み重ねから、自分で納得できるロジックを作っていければいいと思います。