2026年のゴールドで、ナンピンが焼かれた理由
2026年のゴールドで、ナンピンが焼かれた理由
Oct 29, 2026 ·
自分で作ったゴールドのナンピンEAを、2024年7月から2026年10月までのデータで動かしました。2026年2月までは、ほぼ毎月プラスのきれいな右肩上がりでした。3月からの7か月で、それまでの利益を全部吐き出しました。
そこからパラメーターを変え、機能を足し、約十数回のバックテストを回しました。それでも、2026年のゴールドで勝てるナンピンにはなりませんでした。
この記事は、その失敗の記録です。数字はすべて、自分たちのバックテストのものです(GOLD、全ティック、モデリング品質99.90%)。
2026年、何が起きたか
19か月かけて積み上げた利益を、たった4回の撤退で失いました。
自分たちのナンピンEA(Zanshin v3.30)のバックテスト · GOLD 2024年8月〜2026年10月 · 初期資金3万ドル・0.01ロット
負けた4回は、どれも同じ形でした。トレンド方向に入り、そこから数週間で500〜1,000ドルの調整が来て、毎日1段ずつナンピンを足し、全段埋まって撤退する。
撤退した日 | 方向 | 損失 | 何が起きたか |
2026年3月23日 | 買い 5段 | −3,037ドル | 5,200ドルからの暴落 |
2026年6月24日 | 買い 6段 | −2,711ドル | 4,650→4,015ドルの下落 |
2026年8月21日 | 売り 6段 | −2,218ドル | 4,050→4,590ドルの反発 |
2026年10月1日 | 買い 5段 | −1,529ドル | 4,640→4,180ドルの下落(テスト終了時の含み損) |
買えば下がり、売れば上がる。往復ビンタの相場です。しかも1日の値動きは、2024年の頃の数倍に広がっていました。ナンピンの段の間隔を、値動きが一日で飛び越えていきます。
改良を続けた記録
やったことは、4つにまとめられます。どれも「負け方」は変えられましたが、「負けること」自体は変えられませんでした。
やったこと | 狙い | 結果 |
① ナンピンの間隔を、日足の値動き(ATR)に合わせて広げる | 数時間で全段埋まるのを防ぐ | 元は12段でも10ドル幅しかなかった。広げると耐える幅は増えたが、全段埋まった時の含み損も大きくなった(1万ドル口座で−3,543ドル、最大DD 53%) |
② 撤退ラインを作る | 全段埋まった後、さらに逆行したら全決済 | 1回で口座が飛ぶことはなくなった。ただし撤退するたびに残高の約10〜40%を失う |
③ 1回の損失に上限(残高の10%)を付け、超えそうなら入らない | 荒れた相場を休む | 1万ドル口座では2026年をほぼ丸ごと休んで、+2,172ドル・最大DD 8.6%。ところが3万ドル口座では−5,159ドル |
④ 値動きが価格の◯%を超えたら、口座の大きさに関係なく休む | ③の弱点を埋める | 2.0%で線を引くと負けは消えたが、利益もほぼ消えた(+336ドル)。3.0%では4回の負けがそのまま残った |
③の結果が一番きつかったです。1万ドル口座が2026年を休めていたのは「資金が足りなかったから」という偶然でした。資金に余裕がある人ほど、荒れた相場に入って負ける。EAとしては致命的です。
④も、どこに線を引いても「負けを残すか、利益ごと消すか」のどちらかでした。負ける入りと勝てる入りは、「相場の荒さ」では見分けられなかったのです。
ドテンも試した
「逆に行ったら、撤退した所で反対に乗り換えればいい」。そう考えて、撤退後の値動きを確かめました。3回中3回、負けていました。
撤退 | 撤退した価格 | ドテンしたら | その後の値動き | 結果 |
3月23日 | 4,358ドル(買いを撤退) | 売り | 5月に4,650ドルへ上昇 | 負け |
6月24日 | 4,015ドル(買いを撤退) | 売り | 8月に4,590ドルへ上昇 | 負け |
8月21日 | 4,590ドル(売りを撤退) | 買い | 10月に4,180ドルへ下落 | 負け |
撤退するのは、逆行し切った所。つまり底や天井に近い所です。そこで乗り換えると、最悪のタイミングで反対に入ることになります。
なぜ直らなかったのか
ナンピンは「逆行したら足す」仕組みです。上下に振れるレンジでは強く、一方向に大きく進む相場では構造的に負けます。これはパラメーターでは変えられません。
• 予算とロットで、耐えられる幅は決まってしまう。 段数を増やしても、同じ予算を細かく分けるだけです。3万ドル・0.01ロットで耐えられたのは約700ドル。2026年に来た調整は650〜900ドルでした。
• 同じロットでも、リスクは値動きに比例して膨らむ。 金の価格が上がり、1日の値動きも広がったため、同じ0.01ロットでも「1回の最悪ケース」が何倍にもなっていました。
• 落ちている最中に、予算を使い切る。 暴落の途中で毎日1段ずつ足すので、底に着く前に弾が尽きます。
「つかんだ後に逆行すると弱い」「利確まで時間がかかる」。ナンピンを使ったことがある人なら、身に覚えがあるはずです。その正体がこれでした。
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じゃあ、どうしたのか。ナンピンをやめました。
「逆行したら足す」を、「順行したら足す」にひっくり返しました。トレンドが出たら乗り、有利に進むたびに同じロットを足していく(ピラミッディング)。逆に行ったら、入った瞬間に決めた分だけ負けて、すぐ降りる。それだけです。
同じデータ、同じ期間で回した結果がこれです。
Zanshin v4.03のバックテスト · GOLD 2024年7月〜2026年10月 · 全ティック · 初期資金1万ドル・0.01ロット
ナンピンが4回撤退した2026年3〜10月も、大きく崩れていません。3月の暴落は、ナンピンでは買い下がって焼かれた場面ですが、トレンド型は売りで乗っていました。
ただし、勝ち方はまったく違います。
Zanshin v4.03のバックテスト · 53回のエントリーを保有時間で分けたもの
ナンピンは「小さく何度も勝ち、たまに大きく負ける」。トレンド型はその逆で、「小さく何度も負け、たまに大きく勝つ」。最大で9連敗します。そのかわり、1回の負けは最大でも194ドル(0.01ロット)で、口座が飛ぶような負け方はしません。
このEAは、チキンファームの「Zanshin EA」として、GogoJungleで審査中です。
まとめ
• 2026年のゴールドは、数週間で500〜1,000ドルを往復する相場でした。ナンピンにとって、一番苦しい形です。
• 間隔、段数、撤退ライン、見送り、ドテン。どれも負け方は変えられましたが、負けを消すことはできませんでした。
• ナンピンEAを使うなら、「資金が多いほど安全」とは限らないことを覚えておいてください。資金に余裕があるほど、荒れた相場に入ってしまうことがあります。
• 同じロットでも、値動きが広がればリスクは何倍にもなります。今のゴールドで、自分のロットが「1回の最悪でいくらになるか」を、一度計算してみてください。
※ 掲載した数値はすべて、過去のデータ(GOLD、2024年7月〜2026年10月)によるバックテストです。将来の結果を示すものではありません。この期間はゴールドが大きく上昇した相場で、トレンドフォローに有利な期間でした。
— CHICKEN FARM(臆病者の農場)