【ザ・トレーディング編】第27回:酸素ボンベは足りているか?? 傷ついた心を癒やし、再び海へ潜るための「段階的リハビリ」

前回(第26回)は、連敗による口座の減少(ドローダウン)から私たちを救い出す「6%ルール」について学びました。相場と波長が合わない時は、ムキにならずに潔く休む。その謙虚さが、私たちの資金を守ってくれるのでしたね。
しかし、ルールに従って休養を取り、翌月になっていざ相場に戻ろうとした時、あなたは気づくはずです。 「なんだか、トレードするのが怖い……」 「また負けたらどうしよう……」と。
今回は、ドローダウンによって傷ついた心と口座を、どのようにケアし、元の状態へと回復させていくのか。その「段階的なリハビリ方法」について、エルダー博士の知恵をお借りしてお話しさせてください。
1. 傷ついたトレーダーへの処方箋
エルダー博士はかつて、ニューヨークのデイトレード専門会社で、成績の振るわないトレーダーたちの心理的指導を行っていました。 ある日、13日間も負け続けているのに、強迫観念のように毎日トレードを繰り返している男性に出会いました。 彼は、普段は1回のトレードで700株まで売買できる権限を持っていましたが、連敗によって自主的に500株までサイズを落としていました。
エルダー博士は彼に、どんな処方箋を出したと思いますか?
「今日から、サイズを『100株』に下げなさい」
これが博士の指示でした。 男性は「冗談を言っている場合ではないでしょう。100株では儲けることなどできない!」と強く抗議しました。 自分は負けを取り戻さなければならないのに、そんな小さなサイズでは意味がないと考えたのです。 しかし、博士は「あなたは500株でも儲けられなかったでしょう」とぴしゃりと反論し、このルールを無理やり受け入れさせました。

2. 小さな成功体験を積み重ねる「段階的引き上げ」
その結果、どうなったでしょうか。 100株にサイズを落とした彼は、なんとその後の4日間で、すべての日を「勝ち」で終えることができたのです。 儲けた金額はわずかでしたが、それは彼にとって久しぶりの「勝利」でした。
博士はここで、彼にリハビリのための明確なルールを与えました。 「2週連続で勝つことができたら、サイズを1回あたり200株に引き上げてよい。さらに2週連続で儲けられたら、次は300株に引き上げる」
しかし、同時に厳しい条件も付けました。 「もし1週間でも負けたら、それ以前のサイズ(小さなサイズ)に戻すこと」
このルールのおかげで、彼は問題が生じるとすぐにサイズを減らし、傷を最小限に抑えることができるようになりました。
3. リスクの階段は、ゆっくりと登る
このエピソードは、私たちに非常に大切なことを教えてくれています。
リスクが大きく、ドローダウンが深いほど、私たちの「対応能力」は損なわれています。 車の運転で例えるなら、大事故を起こした直後に、いきなり高速道路を全開で走ろうとするようなものです。 ゆっくりとリスクを受け入れられるように、うまく規定したステップを踏み、自分を訓練し直す必要があるのです。
ひどいドローダウンを経験した後にトレードに復帰したい人は、特に有効なこの方法(リスクサイズを1段階引き下げること)を実践してみてください。 そして、1つの期間(数週間など)で負けたら、リスクサイズをさらに1段階引き下げなければなりません。 段階的にサイズを引き上げるためには、必ず一定の期間(例えば2週間)連続で「勝つ」という実績が必要なのです。
