投資の基本を学ぶ ダウ理論 第6回 フラクタル構造
前回は、エントリー前に上位足で相場の状態を確認する「環境認識」について解説しました。
ダウ理論シリーズ第6回のテーマは「フラクタル構造」です。なぜ上位足を優先するのか、そして大きなトレンド転換がどこから始まるのか、その仕組みを解説します。
フラクタル構造とは
ロマネスコ(カリフラワーの仲間の野菜)を知っていますか?黄緑色で、表面がとがった小さな山のような房でびっしりと覆われています。
その小さな山を一つ取り出してよく見ると、さらに小さな山がびっしりと並んでいます。そしてその小さな山も、またもっと小さな山の集まりになっています。どこを拡大して見ても、全体と同じ形が繰り返されているのです。
このように、一部分を拡大すると全体と同じような形が現れる構造を「フラクタル構造」といいます。
相場の値動きも同じです。4時間足の上昇の波を1つ取り出して15分足で見ると、その中にも小さな上昇と下降の波があります。さらに5分足で見ると、その15分足の波の中にもまた同じような波があります。
つまり、上位足の大きな波は、下位足の小さな波がいくつも集まってできているのです。
なぜ上位足を優先するのか
上位足の1つの波は、下位足の小さな波がいくつも集まってできています。15分足で上昇トレンドに見えていても、それは4時間足の大きな下降の波の中にある、小さな戻りの一部かもしれません。
小さな波は、大きな波の流れの中で動いています。だから、下位足のトレンドより上位足のトレンドのほうが強く、優先して見る必要があるのです。前回お話しした「上位足に逆らうブレイクはだましになりやすい」のも、この仕組みがあるからです。
トレンド転換は下位足から始まる
では、上位足のトレンドはずっと続くのでしょうか?もちろん、どこかで必ず転換します。
そのときも、いきなり大きな波が反対に動き出すわけではありません。まず1分足や5分足などの小さな時間足で高値と安値の切り上がりが始まり、それが15分足の上昇トレンドになり、やがて1時間足、4時間足へと広がっていきます。大きなトレンド転換も、最初は小さな波の転換から始まるのです。
ただし、下位足の転換がすべて上位足の転換につながるわけではありません。多くは、大きな流れの中の一時的な戻りで終わります。そのため、下位足で転換の動きが出ても、上位足の戻り高値や押し安値を抜けるまでは、トレンドが転換したと判断しないことが大切です。
まとめ
・フラクタル構造とは、一部分を拡大すると全体と同じような形が現れる構造のこと
・相場も、上位足の大きな波の中に下位足の小さな波がいくつも入っている
・小さな波は大きな波の流れの中で動いているので、上位足を優先して見る
・大きなトレンド転換も、最初は下位足の小さな波の転換から始まる
・下位足の転換は一時的な戻りで終わることも多いので、上位足の戻り高値や押し安値を抜けるまでは転換と判断しない
ロマネスコの小さな房が集まって全体ができているように、相場も小さな波が集まって大きな流れをつくっています。今どの時間足のどの波を見ているのかを意識するだけで、チャートの見え方が変わってきます。
次回予告:最終回「3波を狙え!」
トレンドの中でいちばん大きく、勢いよく伸びやすいのが「3波」です。フラクタル構造を使うと、上位足の3波の中にある下位足の3波、つまり「3波の3波」を狙うことができます。
最終回では、これまで学んできたダウ理論、環境認識、フラクタル構造を組み合わせて、トレンドの一番おいしいところを狙う方法を解説します。最終回もよろしくお願いします。