診断で一番反応が良かった通貨は、一番稼げる通貨ではなかった──EURUSD専用になるまで
EURUSD向けEA「境界 - KYOKAI -」が完成するまでに、何を試し、何がダメで、何を残したか。その検証の過程を書いています。
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境界は、EURUSD専用です。でも最初から、EURUSDを狙っていたわけではありませんでした。
検証を始めた頃は、USDJPY、EURUSD、GBPUSD、GBPJPY、AUDUSDの5通貨で、同じロジックを試していました。そこからなぜEURUSDだけが残ったのか。数字を順に並べます。
最初の診断で、EURUSDは一番ではなかった
最初期の診断です。「直前の60秒でラインの方向へ2pips以上近づいてきた、First Touch」に絞って、1分後に反転した割合を通貨ごとに集計しました。
| GBPUSD 25件 |
72.0% | |
| EURUSD 17件 |
70.6% | |
| USDJPY 33件 |
69.7% | |
| GBPJPY 49件 |
60.4% |
※バーの長さは反転した割合そのままです(50%がコイントス)。件数が少ない最初期のデータで、前身の検証段階のものです。
1位はGBPUSDで、EURUSDは2位。しかも件数は17件と、4通貨で一番少ない数字でした。USDJPYとの差も1ポイントほどです。
この段階のデータからは、EURUSDに絞る決め手は見えませんでした。GBPJPYだけは低めですが、残る3通貨はほとんど横並びです。
実売買にしたら、EURUSDが抜けて見えた
風向きが変わったのは、実際にTP/SLを入れて売買させてからです。5通貨全体の成績と、EURUSD・2025年だけの成績を並べるとこうなります。
| 5通貨全体 | EURUSD・2025年 | |
|---|---|---|
| 決着数 | 643 | 136 |
| 勝率 | 32.81% | 38.24% |
| PF | 1.221 | 1.548 |
| 平均損益 | +5.94p | +13.53p |
5通貨全体でもPF1.221と、プラスではありました。ただEURUSDだけを見ると、PF1.548、平均+13.53pと、かなり良く見えます。ここから、検証の中心がEURUSDへ寄っていきました。
とはいえ、EURUSDは1年分のデータです。これだけで「EURUSDが特別」とは言えません。次に、出口までそろえた版で、もう一度他の通貨と並べ直しました。
出口までそろえた最終版で、他の通貨はほぼ再現しなかった
出口までそろえたロジックを、他の3通貨にも当てはめた結果です。
| 通貨 | 件数 | PF | H4 ATR中央値 | 利益側2ATR先着率 |
|---|---|---|---|---|
| EURUSD | 502件 | 1.45 | 26.0p | 67.1% |
| GBPUSD | 512件 | 1.06 | 32.8p | 61.8% |
| USDJPY | 505件 | 1.07 | 44.7p | 56.0% |
| GBPJPY | 513件 | 0.94 | 58.1p | 52.4% |
※2023年〜2026年8月までの検証結果です。
他の3通貨は、PFが1.06、1.07、0.94。ほぼトントンか、マイナスです。一方、EURUSDは年別に見て、2023年が1.22、2025年が2.21でした。
右の2列も見てください。H4 ATRの中央値は、EURUSDが26.0pと一番小さく、GBPUSD、USDJPY、GBPJPYの順に大きくなります。そして、利益側の2ATRに先に届いた割合は、ATRが小さい通貨ほど高い順にきれいに並びました(67.1% → 61.8% → 56.0% → 52.4%)。
最初の診断で差が小さかった通貨が、出口まで含めると、はっきり差がつきました。診断値の高さと、EAとしての成績は別物でした。
まとめ
- 最初の診断では、EURUSD(70.6%)はGBPUSD(72.0%)に次ぐ2位で、決め手にならなかった
- 実売買にすると、EURUSD・2025年はPF1.548で、5通貨全体のPF1.221より良く見えた
- 出口までそろえた最終版では、GBPUSD 1.06、USDJPY 1.07、GBPJPY 0.94と、他の通貨はほぼ再現しなかった
- EURUSDはH4 ATRが最も小さく(26.0p)、2ATR先着率が最も高かった(67.1%)
- 診断値の高さと、EAとしての成績は別物だった。だから境界はEURUSD専用にした
この検証の先にできたEA
境界 - KYOKAI -
水平線のFirst Touchを、逆張りで狙うEURUSD専用EA。この連載で書いてきた検証を経て、今の形になりました。
| 対象 | EURUSD専用・M15 |
| エントリー | 水平線(R1・R2・S1・S2)のFirst Touch逆張り |
| 絞り込み | ボリンジャーバンド・ADX・上位足フィルター |
| 決済 | H4 ATR連動のSLとトレーリング |
次回(最終回):診断で見つけた強い相関を、あえて条件に入れなかった理由。境界が完成するまでの最後の判断。
※過去の検証結果であり、将来の成績を保証するものではありません。