業者の「ティック価値」が当てにならないことがある:GOLDで損失を1/1,580に見積もった例
MT4/MT5のインジや便利ツールを作っているYohakuです。作るものは、ゴゴジャンのレビューや質問に出てくる不満から決めています。
「GOLDでロット計算が合わない」という声をよく見ます。原因はいくつかありますが、契約サイズ(1ロットの大きさ)の話は別の記事で書きました。今回はもう一つの原因、「ティック価値」の話です。
先に結論
- MT4/MT5が業者から受け取る「ティック価値」は、口座の通貨(円)に直っていないことがあります。
- これを信じて損失やロットを計算すると、GOLDで損失を実際より小さく見積もり、ロットが大きくなりすぎることがあります。
- 仕様画面の値を手計算と照らし合わせるか、業者の計算式で出すツールを使うと、ずれに気づけます。
ティック価値とは、何の値か
ティック価値は、価格がいちばん小さい刻み(ティック)だけ動いたときの、1ロットあたりの損益です。
ロットを許容損失から決めるとき、多くのツールはこの値を使います。「損切り幅 ÷ 1ロットの損失」でロットを出すからです。だから、ティック価値がずれていると、ロットもずれます。
本来は口座の通貨で出るべき値です。円口座なら「◯円」と出ます。
手元のデモ口座で起きたこと
2026年10月7日、MT5のデモ口座(円口座)でGOLD(XAUUSD)を調べたときの話です。
業者が出すティック価値が「0.1円」のままでした。正しくは約158円です。つまり、約1,580倍のずれです。
このティック価値でロットを決めるツールだと、GOLDの損失を実際の1/1,580に見積もります。損失がほとんど出ないように見えるので、同じ許容損失に収めようとすると、ロットがとても大きくなります。
一方、業者の計算式(MT5のOrderCalcProfit)で出した損益は、正しい値でした。自作のツールで、GOLDが1ドル動いたときの1ロットの損益を出すと15,837円で、契約サイズ × 値幅 × 円換算レートの手計算と一致しました。計算式のほうは正しかったわけです。
なぜずれるのか
GOLDは、損益がドルで決まる銘柄です。円口座で使うには、ドルを円に直す必要があります。この口座では、ティック価値がその円換算を通らず、ドルのままのような小さな数字(0.1)で出ていました。なぜそうなるのかは、業者側の設定の事情で、外からは分かりません。
確かめられたのは、この1つの口座の1つの銘柄だけです。ほかの業者・銘柄で同じことが起きるかどうかは、自分の口座で見るしかありません。