売れ筋ランキングから見つける成長企業
株式
藤ノ井です。「家電製品の売れ筋ランキングは?」と検索すると楽天市場では、ホッアイロン、美顔用品、空気清浄器など、きっと女性が使うだろう商品で上位10位までが独占されています。
私が学生の頃には、ソニーのウォークマンやカセットデッキ、ステレオなど音楽に関係したものが、常時ランキングしているのが、よくある光景でした。
今、オーディオ製品に絞って、人気ランキングを検索すると、高性能イヤホン、卓上スピーカー、普及しつつあるスマートスピーカーといったところが上位を占め、音楽を再生する家電はベストテン内には見当たりません。
最近ではスマホに音楽を入れたり、月額契約で聞き放題となるスマホサービスを利用するなど、音楽を楽しむスタイルが、ガラッと変わってきているからです。
ソニーというと、ラジオからその性能の高さが世界で注目され、やがてトリニトロンという世界において、トップのテレビメーカーになった時代がありました。
現在の米国株式相場をけん引しているGAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)のように、1980年代はソニーや任天堂などが、日本の株式市場のけん引銘柄でした。
最近のソニーは、看板であったテレビ事業を分離して、ゲーム、音楽の他、銀行や生命保険、損害保険といった家電以外の事業で総合的に稼ぐスタイルに変わっています。
富士フィルムHD(4901)は写真フィルムの衰退からヘルスケアや再生医療・電子材料への大変身で業績を伸ばし、TDK(6762)も主力事業のカセットテープ事業の消滅から、カーエレクトロニクスやコンデンサなど精密部品で大きく業績を伸ばしました。
まさに、存続危機からの大変身は経営手腕と強固な財務基盤が成し遂げた技です。時代の変遷とともに、新しい事業を取り入れつつ、成長する企業の株価は投資家から高い評価を受けます。
しかし、現状を守る体制に入ってしまうと、時間の経過とともに衰退していく企業が多いです。これは、日本でも出遅れた鐘紡など繊維産業や、三洋電気、パイオニアといった一時代を気付いた企業が衰退していったことからもわかります。
家電製品だけでなく、いろいろな人気ランキングにおいて、消費者の支持が強い企業には、さらに成長していける強みがあります。
トレンドの最先端を探るとともに、将来も成長しそうな上場企業を発掘する株式投資は大変妙味があります。
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