投資の基本を学ぶ ダウ理論 第5回
15分足で高値をブレイクしたのでロングしたのに、すぐに戻されて損切り。そんな経験はありませんか?
ダウ理論シリーズ第5回のテーマは「環境認識」です。この損切りを減らすための、相場の見方について解説します。
何度も損切りして、やっと気づいたこと
私もトレードを始めたばかりの頃、5分足や15分足だけを見て、高値をブレイクしたら買い、安値をブレイクしたら売りでエントリーしていました。ダウ理論どおりにやっているつもりでした。
ところが、何度入っても損切りばかり。ルールどおりなのになぜ負けるのか、ずっと分からないままでした。
ある日、損切りになった場面を4時間足で見返してみて、ようやく気づきました。私が高値ブレイクだと思って買っていたところは、4時間足では下降トレンドの途中だったのです。
負けていた原因は手法ではなく、相場全体を見ていなかったことでした。それからはエントリー前に必ず上位足を確認するようにして、損切りは大きく減りました。
環境認識とは
環境認識とは、エントリーする前に「今の相場がどんな状態にあるのか」を把握することです。天気予報を見てから服装を決めるのと同じで、相場の状態を知ってから「買うのか、売るのか、何もしないのか」を決めます。
相場の方向は、これまでの回で解説してきたダウ理論で判断します。
・高値と安値がともに切り上がっている → 上昇トレンド
・高値と安値がともに切り下がっている → 下降トレンド
・どちらにも当てはまらない → レンジ
上位足から順番に見る
環境認識で大切なのが、複数の時間足を見ることです。大きい時間足から順番に確認します。
・日足・4時間足:大きな流れ(方向)を確認する
・1時間足:その流れの中で、価格がどこにいるかを確認する
・15分足・5分足:エントリーのタイミングを探す
大きな流れの方向に、小さな足でタイミングを合わせるのが基本です。
下位足だけ見ていると「だまし」にあう
体験談で書いた損切りを図にすると、このような場面です。
4時間足が下降トレンドのとき、15分足のレンジの上抜けは大きな流れに逆らう方向なので、勢いが続かず戻されやすくなります。サインどおりに入ったのに逆に動く、これが「だまし」です。
だましにあわないための見方
① 上位足に逆らうブレイクは見送る
4時間足が下降トレンドなら、15分足の上抜けは見送り、4時間足と同じ方向の下抜けだけを狙います。
② 上位足の戻り高値・押し安値に印をつける
下降トレンドなら戻り高値、上昇トレンドなら押し安値が、トレンドが続くかどうかの分かれ目です。
③ 上位足と下位足の方向がそろうまで待つ
4時間足は下降、15分足は上昇のように方向がバラバラなときは、無理にエントリーしません。15分足で高値を更新できなくなり、押し安値を割ったら、上位足と方向がそろった合図です。そこで売るほうが、だましにあいにくくなります。
エントリー前にシナリオを立てる
ここまでを踏まえて、「こう動いたらこうする」というシナリオを先に決めておきます。
例:4時間足が下降トレンドの場合
・戻り高値の手前まで上がってきたら、③の形を待って売りを検討する
・戻り高値を上抜けたら、下降トレンド終了の可能性があるので売りはやめる
大事なのは予想を当てることではなく、どちらに動いても次の行動が決まっている状態にしておくことです。
4時間足の流れを確認しやすくする「Tenda Trade Assist」
私が作っている「Tenda Trade Assist」には、どの時間足のチャートでも、4時間足のSMA(初期設定は200、期間は変更可能)を表示できる機能があります。
5分足や15分足でエントリーのタイミングを見ながら、4時間足の流れの目安を同じチャート上で確認できるので、上位足を見落としにくくなります。
さらにフィルターをONにすると、価格がSMAより上のときはロング、下のときはショートだけを自動エントリーするようになり、上位足の流れと逆方向のエントリーを防げます(初期設定はOFF)
▼Tenda Trade Assistの詳細はこちら
https://www.gogojungle.co.jp/tools/indicators/86695
自動売買(EA)でも環境認識は大切
どんな相場でも勝てるEAはありません。逆張りのEAは強いトレンドが苦手で、順張りのEAはレンジが苦手です。
私のEAにも、4時間足の流れを確認する仕組みを入れています。試しにこの仕組みを外してバックテストしたところ、口座が破綻するほど成績が悪化しました。裁量でも自動売買でも、環境認識が結果を大きく左右します。
EAを使うときは、今の相場が自分のEAにとって得意な環境か苦手な環境かを把握しておくと、稼働を続けるか一時停止するかの判断がしやすくなります。
まとめ
・環境認識とは、エントリー前に相場の状態を把握すること
・上位足で方向を見て、下位足でタイミングを合わせる
・上位足に逆らう方向のブレイクは、だましになりやすい
・どこまで動いたら考えを変えるかを、シナリオとして先に決めておく
エントリーの手法よりも先に、まず相場の状態を見る。この習慣をつけるだけで、無駄なトレードはかなり減らせます。
次回予告:フラクタル構造
4時間足の1つの波を15分足で見ると、その中にもまた同じような上昇と下降の波があります。この「大きな波の中に小さな波がある」相場の仕組みを、フラクタル構造といいます。
これを知ると、なぜ上位足を優先するのか、そして大きなトレンド転換がどこから始まるのかが見えてきます。次回もよろしくお願いします。