昨日まで勝てていたEAが、突然苦戦するのはなぜ?
EAにも「得意な相場」と「苦手な相場」がある
あたりまえですが、同じEA、同じ設定で運用していても、毎日の結果は同じにはなりません。
昨日までは順調だったのに、ある日突然大きな含み損を抱える。EAを運用していると、そんな場面に遭遇することがあります。
その理由のひとつが、相場環境の違いです。
レンジ相場とトレンド相場
戻りを利用しながらポジションを追加していくナンピン系EAは、一定の範囲を上下するレンジ相場では比較的利益を積み重ねやすい傾向があります。
価格が一時的に逆方向へ動いても、その後戻ってくれば複数のポジションをまとめて決済できるからです。
一方で注意したいのが、一方向へ大きく伸びるトレンド相場です。
戻りが少ないまま価格が動き続けると、ポジションが増え、含み損も大きくなりやすくなります。
相場が大きく動く場面
相場を見ていると、上位足で多くの人が意識している価格帯を大きくブレイクした場面や、トレンド転換後の3波などで、一方向へ大きな値幅が出ることがあります。
こうした動きは裁量トレーダーにとってチャンスになる一方、レンジへの戻りを利用するEAにとっては厳しい展開になることがあります。
ただ、「それならトレンドが始まる前にEAを止めればいい」と考えても、実際の相場ではそれほど簡単ではありません。
ブレイクしたと思ったらレンジへ戻ることもあれば、レンジが続くと思っていたところから突然大きく動き始めることもあります。
動いた後なら分かりやすくても、動く前に毎回正確に判断することは難しいものです。
苦手な相場に当たったときにどうするか
苦手な相場をすべて避けることが難しいのであれば、もうひとつ大切になるのが、実際にその相場に当たったときにどれだけダメージを小さくできるかという考え方です。
EA運用では、利益を増やすことに目が向きやすいですが、大きな損失を一度受けると、それまで積み重ねてきた利益を大きく減らしてしまうことがあります。
だからこそ、「どれだけ勝てるか」だけではなく、「苦手な相場が来たときにどこまでの損失なら許容できるか」という視点も必要になります。
これは単純に証拠金を増やせば解決するという話でもありません。
たとえば「口座資金の何%までの含み損なら運用を続ける」と、自分なりの上限を先に決めておくだけでも、いざという場面で慌てずに判断しやすくなります。
また、毎日同じように稼働することだけを前提にせず、相場状況によっては稼働時間を短くしたり、様子を見る時間を作ったりすることも、ダメージを抑えるためのひとつの考え方だと思います。
そのためにも、利益や損失の結果だけを見るのではなく、「どんな相場で含み損が大きくなったのか」を振り返っておくことが大切です。
記録を残すことで「苦手な相場」が見えてくる
とはいえ、毎日の損益や含み損を手作業で記録し続けるのは、なかなか大変です。
そこで私自身が使っているのが、MT4/MT5のチャート上に日ごとの損益をカレンダー形式で表示できる「Tenda Calendar Pro」です。
日々の確定損益だけでなく、その日の最大ドローダウンも記録されるため、「この日は利益で終わったけれど、途中で含み損が大きく膨らんでいた」といったことも後から確認できます。
カレンダーで含み損が大きかった日を見つけたら、その日のチャートを見返してみる。
「大きなブレイクがあった日だった」
「指標発表で一方向に動いた日だった」
こうした振り返りを重ねていくことで、自分のEAが苦手とする相場の特徴が、少しずつ数字として見えてきます。
マジックナンバーごとに記録を分けられるので、複数のEAを同時に動かしている場合でも、EAごとの傾向を比べることができます。
利益だけでなく、リスクも一緒に見える形で残していく。
それが「どこまでの損失なら許容できるか」を考えるための、確かな材料になると思います。
まとめ
調子の良いときの利益だけを見ていると、そのEAの一面しか見えていないことがあります。
さまざまな相場の中でどう動くのかを知り、そのEAとの付き合い方を考えていく。その積み重ねが、長期運用につながっていくのではないかと思います。