守人の1日 ― 夕方に網を張り、朝に片づける
連載 YokoとKenjiのGOLD EA使いこなし帖 第8回
こんにちは、Yokoです。
前回は、黄金の守人の「損切りは1回15pips」「1日に持つのは最大2ポジション」という、2つの仕様のお話をしました。今回は、守人が1日をどう過ごしているのかを、お話しします。
「取引が少ないEAは、普段、何をしているの?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。守人は、夕方に網を張って、朝には片づけるEAです。
先に、結論をお伝えします
・夕方(18時ごろ)に、前日の高値に買い、安値に売りの、ストップ注文を置きます
・突破しなければ、翌朝(5時ごろ)には、そのストップ注文を削除します
・最大2ポジション・ナンピンなしなので、他のEAと、資金を取り合いにくいEAです
守人の1日
守人は、24時間チャートを見張って、相場に飛び込むEAではありません。1日の流れは、とてもシンプルです(時刻は、日本時間の目安です)。
① 朝7時ごろ:日足が確定する
前日の高値・安値が、決まります。
② 夕方18時ごろ:網を張る
前日の高値に買い、安値に売りの、ストップ注文を置きます。値動きが、前日の範囲を飛び出した時だけ、約定する仕組みです。
③ 突破したら、エントリー
損切りは、1回15pips(1.5ドル幅)。利益が出始めたら、トレーリングで、損切りの位置を動かしていきます。
④ 突破しなかったら、翌朝5時ごろに削除
約定しなかったストップ注文は、翌朝には、削除されます。注文を、次の日に持ち越しません。
つまり、守人は、「飛び出した時だけ乗る」EAです。飛び出さなかった日は、何もせず、注文も残さず、次の夕方を待ちます。
なお、金曜の夜(土曜の午前3時ごろ)には、ポジションも注文も、すべて整理して、週末を持ち越しません。12月15日〜1月10日も、お休みです。アメリカの重要な経済指標の前後30分は、新しい注文を置くのを見送ります。
注文を、持ち越さない
④の「翌朝に削除」は、地味ですが、守人の大切な性格です。
ストップ注文は、置いた時点の相場の判断で、置かれています。それが、次の日の相場にも、そのまま残っていると、状況が変わっているのに、古い判断で、ポジションを持ってしまうことになります。守人は、その日の判断は、その日のうちに片づける設計になっています。
ですから、取引のない日は、「何も起きていない日」ではなく、「条件が揃わなかったので、何もしないと決めた日」です。守人の取引が少ないのは、故障ではなく、この設計の結果です。
他のEAと、資金を取り合いにくい
もう一つの特徴が、「資金の取り合いをしない」ことです。
| 守人 | ナンピン型のEA | |
|---|---|---|
| 持つポジション | 最大2つ | 相場次第で、増えていく |
| 1回の最大の負け | 損切り15pipsが目安 (指標発表で価格が飛ぶと、超えることも) |
事前には、決まらない |
| 必要な証拠金 | 事前に、おおよそ読める | 相場次第で、膨らむ |
守人は、持つポジションが最大2つで、1回の負けの目安も決まっているので、必要な証拠金を、あらかじめおおよそ読めます。含み損が膨らんで、口座の余力を、じわじわ食っていく、ということがありません。
必要証拠金の目安(ゴールド1オンス=2,700ドル、1ドル=155円、レバレッジ1000倍の口座の場合)
・0.1ロット(10オンス)を1つ持つのに必要な証拠金:約27ドル=約4,200円
・守人は買い・売り同時に最大2ポジションを持つことがあるため、念のため見ておきたい金額は、その2倍の約54ドル=約8,400円程度
※ゴールドの価格は常に変動するため、この金額も目安です。レバレッジは口座によって異なり、国内口座では規制により低く(1:20程度)なります。ご利用の口座のレバレッジに応じて、必要証拠金は変わります。
この程度の金額であれば、ナンピン型のEAで運用している同じ口座に、守人を足しても、口座全体の余力をほとんど圧迫しません。
そのため、ナンピン型のEAで運用している口座の余力を、守人が奪ってしまう、という心配が、小さいEAです。「守人を足したら、ナンピン型EAの維持率が、予想以上に下がった」ということが、起きにくい作りです。
ただし、2つのことを、お伝えしておきます。
・守人を足しても、同じ口座の含み損と証拠金維持率は、合算されます。「取り合いにくい」ことは、「影響しない」ことではありません。
・守人は、買いも売りも、取引します。ナンピン型のEAと、同じ方向に動く日もあれば、逆方向に動く日もあります。逆方向なら、含み損を打ち消すとは、限りません。組み合わせれば安全になる、というものではありません。ご自身の口座の余力を見ながら、小さめのロットで、確かめていただければと思います。
手を出さない時間も、戦略のうち
守人は、12年間のバックテストで、取引が1,596回、月に10回前後でした。相場が静かな日は、ほとんど動きません。
これは、「物足りなさ」にも、「安心」にも、なります。毎日取引したい方には、物足りないかもしれません。反対に、含み損を抱えて、毎日ハラハラするのが苦手な方には、何もしない日が多いこと自体が、安心材料になるかもしれません。
Yokoのひとこと
EAというと、「いつも動いている」イメージがあるかもしれません。でも、守人は、「動かない日」を、きちんと設計に組み込んだEAです。
夕方に網を張って、朝に片づける。その繰り返しの中で、飛び出した日だけ、静かに乗る。派手さは、ありませんが、「何をしているか」が、とても分かりやすいEAだと、私は思っています。
次回予告
次回は、Kenjiが、ちょっと興奮している話をお届けします。
経済指標カレンダーをCSVに読み込んで、バックテストでも、指標フィルターの効果を検証できるようになりました。守人のさまざまなバックテスト結果を公開しながら、私たちなりの分析と、使い方のご提案もしたいと思います。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
Yoko
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