【開発裏話】「テスターで動作する」と「実戦で快適に動く」の違い〜なぜ発売までに時間をかけるのか〜
今回は、Trade Toolboxシリーズの開発で、なぜ私が「動いたから完成」とは考えず、発売までに時間をかけているのかを書いてみたいと思います。
プログラムを作っていると、
「テスターでは問題なく動いた」
「エラーも出ていない」
「一通り機能も使える」
ここまで来れば、完成したように感じます。
でも、実際にトレードで使うツールとなると、私はここからが本番だと考えています。
1.テスター(バックテスト)が果たす役割と、その限界
バックテストは、プログラムのロジックが正しく動くかを確認するうえで、とても優れた仕組みです。
注文処理や条件判定、各種計算など、まず「プログラムとして成立しているか」を確認するには欠かせません。
ただし、テスターで確認できることと、実際のマーケット環境で長時間使ったときの挙動は、必ずしも同じではありません。
実際の取引環境では、リアルタイムに変化するデータや通信状況など、テスターとは異なる要素が加わってきます。
そのため私は、
「テスターで正常に動く」=「実戦でも快適に使える」
とは考えないようにしています。
2.実際のマーケット環境で起きる「目に見えにくい違い」
リアルタイムの取引では、Tickが不規則に流れてきたり、短時間で価格が大きく動いたり、スプレッドが変化したりします。
さらに、実際のチャートには複数のインジケーターやツールが同時に動いていることもあります。
こうした条件が重なると、画面上では一見問題なく動いているように見えても、
「処理のタイミングはどうなっているか」
「データの保持や更新は想定どおりか」
「負荷が高くなったときに挙動が変わらないか」
といった、画面からは分かりにくい部分が重要になってきます。
特にトレードツールの場合、機能そのものが動けば良いわけではありません。
操作したときに引っかからない。
必要な情報が遅れずに表示される。
余計な動作でトレードを邪魔しない。
こうした部分も、実際に使ううえでは大切だと考えています。
3.リアルタイムでの「泥臭い検証」に時間をかける理由
そのため私は、テスターでの確認が終わったあとも、実際のMT5環境で長時間稼働させて確認します。
高負荷になりやすい場面や、値動きが大きくなった場面なども含め、何時間、場合によっては何日と動かしながら、一つひとつ挙動を見ていきます。
これは、何か派手な機能を追加するための作業ではありません。
むしろ、
「普通に使っていて違和感がないか」
「余計な負荷をかけていないか」
「長時間動かしても問題が出ないか」
といった、地味な部分の確認が中心です。
また、ツールそのものの動作だけではなく、PC側にどの程度の負荷がかかっているかも確認しています。
WindowsのタスクマネージャーでCPU使用率を確認し、必要に応じて論理プロセッサーごとの使用状況も見ています。
特定の処理がCPUを継続的に使い続けていないか、負荷が高い状態に張り付いていないか、長時間動かしたときに負荷が徐々に増えていかないか、といった部分です。
もちろん、CPU使用率が低ければそれだけで「良いプログラム」というわけではありません。
それでも、実際のトレード環境でチャートを動かしながら、ツールがPCにどの程度の負荷をかけているのかを見ることは、私にとって重要な確認項目の一つです。
SmartOrderEAをはじめ、1つのツールが形になるまでに時間がかかるのは、単純に機能を増やしたいからではありません。
トレーダーがツールの存在を意識しすぎることなく、トレードそのものに集中できる環境を作りたい。
これが、私が開発で大切にしている部分です。
4.堅牢な「骨組み」があるからこそ、次の展開につながる
こうした検証を繰り返していくと、単に一つのツールが完成するだけではありません。
そこで確認・調整した処理の「骨組み」が、次の開発にも活かせるようになります。
例えば、新しい機能を追加するときや、Lite版のような派生ツールを作るときも、すべてを一から作り直すのではなく、既に確認できている部分を土台として、変更点や追加部分を重点的に検証できます。
これは開発スピードという意味でもメリットがありますが、それ以上に、
「すでに安定している部分を不用意に壊さない」
という意味で重要だと私は考えています。
5.だから、発売までに時間がかかります
開発では、
「早く完成させる」
「機能をたくさん入れる」
ということも大切なのかもしれません。
でも、私がTrade Toolboxシリーズで目指しているのは、機能の多さだけではありません。
チャートを見ながらトレードしているときに、
「ツールが重い」
「操作が引っかかる」
「余計な表示が邪魔になる」
といったことをできるだけ感じさせないこと。
つまり、トレードの邪魔をしないことです。
そのためには、テスターで動作確認をして終わりではなく、実際の環境で動かし、時間をかけて確認する必要があります。
発売まで時間がかかるのは、開発が止まっているからではありません。
実際に使うところまでを「開発」と考えているからです。
派手さはありませんが、こうした地道な検証の積み重ねが、Trade Toolboxシリーズの土台になっています。
実際に使って、感じてみてください
ここまで書いてきたように、私が大切にしているのは「機能が動くこと」だけではなく、実際のトレード環境で使ったときの感触です。
とはいえ、文章だけでは分からない部分も多いと思います。
そこで、Trade Toolboxシリーズには、
無料で試せるもの
お試し版でじっくり確認できるもの
正式な有料版
を用意しています。
「実際に自分の環境で使うとどうなのか?」
そこを一番確かめていただきたいと思っています。
気になるものがあれば、まずは無理に購入せず、無料版やお試し版から実際に触ってみてください。
そして、もし実際に使っていただけたら、
「ここが便利だった」
「ここはもう少しこうしてほしい」
「思っていたより軽かった」
「こういう使い方をしている」
など、率直な感想をレビューで教えていただけると嬉しいです。
良い評価だけをお願いしたいわけではありません。
実際に使った方の率直な声が、今後の開発にとって一番参考になります。
「こんなところを見ているんだ」と、私自身が気付かされることもあります。
これからも、トレードの邪魔をせず、少しでも使いやすい環境を作れるように改良していきます。
Trade Toolboxシリーズ
▼ 無料版・お試し版・有料版はこちらからご覧いただけます。
気になるものがあれば、まずは商品ページの内容や対応環境をご確認ください。
そして、実際に使ってみて「これは使える」と感じたものがあれば、そのときに正式版を選んでいただければと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。