反りの合わない日米財務相が見つけたキーマンと落としどころ
城内経済財政相が閣議後の記者会見で「金融を緩和し、財政も機動的に取り組むアベノミクス的なリフレ政策の局面は終わっている」と発言した25日の夕方に、ブルームバーグが配信した片山財務相の独占インタビュー記事。
それはそれは、含みのある興味深いものでございました。
興味深かったのは内容もさることながら、その記事の「公表のしかた」「取り扱い方」でございます。
「片山氏はブルームバーグのインタビューで、高市首相から自身が「リフレ派ではない」と海外投資家に説明するよう言われており、「そこは誤解がないようにしたい」と強調」
片山財務相「高市首相はリフレ派ではない」、日銀の独立性を非常に尊重 | TBS CROSS DIG with ブルームバーグ
片山財務相がこのブルームバーグのインタビューの中で最も伝えたかったことは、「高市首相自身が「リフレ派ではない」と海外投資家に説明する」ことであり、「高市首相が「リフレ派」である」というのは「誤解」であるという2点である。そして、片山財務相がそのミッションを高市首相から受けているということ。
記事のタイトルが「片山財務相「高市首相はリフレ派ではない」、日銀の独立性を非常に尊重」(ブルームバーグ英語版「Finance Minister Katayama: "Prime Minister Takaichi is not a reflationist," expresses strong respect for the Bank of Japan's independence」)となっているところにもそれは現れている。
国内でも高市首相は「リフレ派」であり、日銀の利上げも牽制しているという見方が強い。今回のインタビューの目的は、それは「誤解」であると主張するところが重要なところであり、城内経済財政相の25日の閣議後の記者会見での「金融を緩和し、財政も機動的に取り組むアベノミクス的なリフレ政策の局面は終わっている」という発言を強化するものだといえる。
城内経済財政相の「アベノミクス的なリフレ政策の局面は終わっている」という発言の根拠は、財政政策はともかく、日銀は既にETF購入をやめているうえ、四半期の国債購入額の減額、利上げにも動いており、金融政策は明らかに「アベノミクス」と異なっているというところ。
片山財務相もインタビューの最初の質問に対して
「イメージとして日本で中央銀行の総裁の手足が縛られていると思っている方がアメリカ側の一部にいらっしゃる」
とコメントしており、高市首相が日銀の利上げを止めているかのような「誤解」があるという認識を示している。
片山財務相が「誤解」を強調するのは、高市首相に貼られた「リフレ派」というレッテルを剥がす必要があるからである。
「日本で中央銀行の総裁の手足が縛られていると思っている方がアメリカ側の一部にいらっしゃる」という発言は、当然G20閉幕後の記者会見での「日本に(財政拡張と金融緩和に前向きな)リフレ政策をやめるべきだと伝えた」という発言をしたベッセント財務長官を念頭に置いたものだったはずである。
ベッセント米財務長官「リフレ政策やめるべきだ」と日本に伝達 - 日本経済新聞
今回の片山財務相の独占インタビューで興味深いのは
「イメージとして日本で中央銀行の総裁の手足が縛られていると思っている方がアメリカ側の一部にいらっしゃると。それからリフレショナリスト(リフレ派)がいるんじゃないかと高市政権には」
というコメントが、「今日あの有名な投資家のドラッケンミラーさんが来られたんですけれども」という発言に続けて出されたものであったこと。
このドラッケンミラー氏こそが、今回の独占インタビューの影の主役だったといえる。