PFとは? EAの商品ページの「PF 1.5」でも赤字になる3つの場合
FX聖杯研究所の所長です。50歳のシステムエンジニアで、「勝てそう」に見える自動売買の手法を、過去データで確かめて壊していく記録をつけています。
EA(FXの売買を自動で行うプログラム)を探して商品ページを見ていると、必ず目に入る数字があります。PFです。今日は、この数字を買う前にどう読むかの話です。
この記事に出てくる数字は、すべて説明のための計算例です。 私自身の検証結果や成績ではありません。
結論
PF(総利益を総損失で割った数字。1.0で損益トントン)が1.5と書いてあっても、あなたの口座で黒字になるとは限りません。
赤字になる典型は3つです。
- 取引コストが入っていない
- 取引回数が少なすぎる
- 途中の資産の目減りに、持ち主が耐えられない
一番見落としやすいのは1つ目です。 1回の利益が小さい手法だと、コストを入れただけでPF 1.5が1.0を割ることがあります。
PFとは何か
PFは、次の計算で出す数字です。
勝った取引の利益を全部足す ÷ 負けた取引の損失を全部足す
たとえば、勝ちの合計が15万円、負けの合計が10万円なら、15 ÷ 10 = 1.5 です。
つまり、1万円負けるあいだに、1万5000円勝てている計算です。1.0ならトントン、1.0を下回ると赤字です。
ここで1つ注意があります。PFは「割合」なので、いくら儲かったか、途中でどれだけ減ったかは分かりません。 この弱点が、あとの話につながります。
赤字になる場合① 取引コストが入っていない
FXでは、売買のたびにお金がかかります。代表は、買値と売値の差(スプレッド)です。業者によっては手数料もかかります。この記事では、まとめて「取引コスト」と呼びます。
計算例を出します。ドル円で100回取引し、50回勝って50回負けた手法です。値幅は「銭」で書きます。1銭は0.01円です。
取引の量は「1万通貨」で考えます。1万ドル分を取引していれば、1銭の値動きで100円の損益になります。
条件:取引100回、勝ち1回あたり平均6銭、負け1回あたり平均4銭。コストは勝ちからは差し引き、負けには上乗せしています。
取引コストを入れる前はPF 1.50です。1回1銭のコストを入れると1.00でトントン、1.5銭なら0.82で赤字です。
1回の利益が小さい手法ほど、コストで崩れます。 1回6銭を狙う手法にとって、1銭のコストは利益の6分の1にあたるからです。
実際のコストは、業者や時間帯によって変わります。0.3銭しかかからなくても、1回2銭を狙う手法なら、コストは利益の約7分の1です。同じ計算で、PFは1.50から1.04まで下がり、ほぼトントンになります。大事なのはコストの大きさではなく、1回の利益に対するコストの割合です。
商品ページのPFが、取引コストを引いたあとの数字か。引いているなら、スプレッドを何銭として計算したか。ここが書かれていないPFは、そのまま信じない方が安全です。
赤字になる場合② 取引回数が少なすぎる
次の計算例は、10回しか取引していない手法です。
10回の時点ではPF 1.50です。次の1回で1万円負けただけで、0.75まで落ちます。
取引回数が少ないPFは、たまたまの結果に大きく左右されます。 同じPF 1.5でも、10回での1.5と、数百回での1.5は、信用できる度合いがまったく違います。
商品ページでは、PFのすぐ近くに取引回数と検証期間が書かれているかを見てください。書かれていなければ、判断に使わない方が良いと私は考えています。
赤字になる場合③ 途中の資産の目減りに耐えられない
最後は、数字の上では黒字なのに、実際の口座では赤字で終わる場合です。
ここで見るのが最大DD(一番負けが込んだときの資産の目減り)です。
計算例です。5年間の検証で、最終的にはPF 1.5で黒字の手法があるとします。ただし始めてすぐに資産が減り始め、2年目には100万円の資産が60万円まで減った時期がありました。最大DDは40%です。
最後まで持ち続ければ黒字です。でも、実際のお金で40万円減った時点で、多くの人は怖くなって止めます。止めた時点で、損失が確定します。
PFは最終的な合計の比率なので、この途中の苦しさは見えません。取引の量を増やしていれば、減り方はもっと大きくなります。
商品ページで確認する3つのこと
まとめると、EAの商品ページでPFを見たら、次の3つを確認してください。
- PFは取引コストを引いたあとの数字か。 スプレッドを何銭として計算したか
- 取引回数と検証期間。 回数が少ないPFは、偶然の結果かもしれない
- 最大DD(資産の目減り)の大きさ。 自分の資金で、その目減りに耐えられるか
もう1つ、もっと大きな原因があります。過去のデータに設定値を合わせすぎると、過去のPFは高く出ても、これからの相場では同じようにいきません。これは「過去に合わせすぎ」と呼ばれる問題で、PFの数字だけでは見抜けません。
PFが高いことは、悪いことではありません。ただ、PFだけで判断するのは危険です。
最後に
FX聖杯研究所では、良い数字を見たら、まず「どういう条件で崩れるか」を探すことにしています。この記事の3つは、その入口です。計算例と図はAIに手伝ってもらって作り、数字はすべて計算し直して確かめています。
必ず勝てる方法を約束することはしません。でも、聖杯はあると信じて探しています。
私が探している聖杯は、取引コストを入れても、まだ見ていない期間でも崩れない売買ルールです。今日の3つの確認は、偽物の聖杯を見分けるための最初の道具です。
次にEAの商品ページでPFを見たら、この3つを確かめてください。偽物を1つ外すたびに、聖杯に1歩近づきます。
用語のまとめ
- EA:FXの売買を自動で行うプログラム
- PF:勝った取引の利益の合計 ÷ 負けた取引の損失の合計。1.0を下回ると赤字
- スプレッド:買値と売値の差。取引するたびに払うコストになる
- 銭:0.01円。1万通貨の取引なら、1銭の値動きで100円動く
- 1万通貨:取引の量の単位。ドル円なら1万ドル分
- 最大DD:一番負けが込んだときの、資産の目減り
※この記事は投資の助言ではありません。数字はすべて説明のための計算例です。