「勝てた時期」があったから、FXをやめられなかった
FXを5年ほど続けていた頃、ずっと負け続けていたわけではありません。
むしろ、勝てる時期があったからこそ、長く続けてしまったのだと思います。
自分で考えた場所で入る。
思った方向に相場が動く。
損切りより利益確定が増える。
口座残高も増える。
そうすると、
「ようやく分かってきた」
と思います。
勝つと「自分は成長した」と思いやすい
以前より無駄な取引が減った。
負けても理由を説明できるようになった。
チャートを見る目も変わった気がする。
僕はそれを、
自分が上達した証拠
だと思っていました。
ところが、その状態は長く続きませんでした。
ある時期には機能していた方法が、別の時期には機能しなくなる。
トレンドを狙えば反転する。
反転を狙えば、そのまま走る。
すると今度は、
「損切りが狭いのか」
「利確が早いのか」
「時間足が悪いのか」
「相場環境の認識が間違っているのか」
と原因を探します。
そしてまた勉強する。
ルールを変える。
検証する。
すると、再び勝てる時期が来る。
そうなると、
「前の失敗を修正できた」
と思います。
勝っても負けても、続ける理由ができる
今振り返ると、この循環が厄介でした。
勝てば、
「この方法は正しい」
と思う。
負ければ、
「まだ改善できる」
と思う。
つまり、
勝っても負けても、FXを続ける理由を作ることができた
ということです。
これでは、やめるタイミングがなかなか来ません。
負け続けているなら、
「自分には向いていない」
と判断できたかもしれません。
でも、ときどき勝ててしまう。
その勝ちが、
「もう少し続ければ安定するかもしれない」
という期待になります。
一時的な利益と、再現できる能力は別だった
取引をしている最中は、
一時的な利益が自分の技術によるものなのか、
それとも、その時期の相場と自分の方法がたまたま合っていたのか、
簡単には分かりませんでした。
それでも、利益は数字として口座に残ります。
だから、
「この方法は通用する」
と思うには十分でした。
一度できた。
だから、もう一度できる。
少し修正すれば戻せる。
もう少し経験を積めば安定する。
僕はそう考えていました。
僕は「負けたから」5年続けたわけではない
ここは、今になってかなり重要だったと思っています。
僕は、
勝てなかったから5年続けたのではありません。
ときどき勝てたから5年続けました。
負けは、自分を疑わせます。
でも勝ちは、
自分の考えを信じさせます。
だから、大きく負けた直後だけを警戒すればいいわけではありません。
むしろ、勝ったあとも危ないことがあります。
勝ったあとは、リスクが小さく見える
本書で紹介している9万5,617人の個人FXトレーダーを対象にした研究では、前の取引日が利益だった場合、次の取引日の取引量が、損失だった場合より約19%多かったと報告されています。
もちろん、
「勝った人は全員、過信してロットを上げる」
という意味ではありません。
ただ、僕自身には思い当たるところがありました。
利益が出る。
自信がつく。
取引を大きくする。
相場環境が変わる。
損失が大きくなる。
それでも、
「以前は勝てた」
という記憶がある。
だから、
「また戻せる」
と思ってしまう。
勝ったという事実は、次も勝てる証拠ではない
数か月勝てた。
利益が続いた。
これは事実です。
でも、
一回の勝ちと、再現可能な能力は同じではありません。
数か月の好成績と、
長期的な優位性も同じではありません。
僕はこの2つを、十分に分けて考えていませんでした。
当時の自分に一つだけ聞けるなら、
「勝ったか?」
ではなく、
「この勝ち方が続くと考える根拠は何か?」
と聞きたいです。
FXを続けさせるのは、損失だけではない
FXでは、
「負けを取り返したくなってやめられない」
という話をよく聞きます。
それもあると思います。
でも僕の場合、
相場につなぎ止めたものは損失だけではありませんでした。
「自分にもできるかもしれない」
という期待でした。
この期待は、負けだけでは生まれません。
過去に勝った経験があるからこそ強くなります。
だから、
「今負けているか」
だけではなく、
「過去に勝てたことを理由に、続けようとしていないか」
も一度考えてみてもいいと思います。