なぜFXでなければならないのか――手法を探す前に考えたかったこと
FXをやっていた頃、僕はずっと「どうすれば勝てるか」を考えていました。
どの手法がいいのか。
どの時間足がいいのか。
どこで入るのか。
どう損切りするのか。
何を改善すれば安定するのか。
でも、FXをやめてから、もっと前に考えるべきだった問いがあったと思うようになりました。
「そもそも、なぜFXなのか」
という問いです。
僕はFXそのものが好きだったわけではない
振り返ってみると、
僕は為替そのものが特別に好きだったわけではありません。
世界経済を研究したかったわけでもない。
チャートを見ることを一生の仕事にしたかったわけでもありません。
目的はもっと単純でした。
お金を稼ぎたかった。
できれば場所や時間に縛られず、自分の力で収入を作りたかった。
その方法として、FXが魅力的に見えました。
FXはとても合理的に見えた
FXには、魅力的に見える部分があります。
パソコンがあればできる。
大きな設備はいらない。
人を雇わなくていい。
商品を作らなくてもいい。
顧客を探さなくてもいい。
相場を見て、
買うか売るかを決める。
判断が正しければ利益になる。
とてもシンプルに見えます。
だから僕は、
「どうやってFXで勝つか」
を考えることには時間を使いました。
でも、
「なぜ稼ぐ方法としてFXを選んでいるのか」
を比較することは、ほとんどしていませんでした。
目的がお金なら、本来は「方法」を比べるべきだった
もし目的が、
「FXを極めること」
なら、FXを続ける理由は分かりやすいです。
でも僕の目的は、
お金を稼ぐこと
でした。
それなら本来、
FXの手法同士を比較する前に、
お金を稼ぐ方法そのものを比較する
べきだったのかもしれません。
FX以外にも、
会社で働く。
専門的な技術を身につける。
誰かの仕事を手伝う。
文章を書く。
商品やサービスを作る。
商売をする。
いろいろな方法があります。
もちろん、どれも簡単ではありません。
FXをやめて仕事をすれば成功する、
という話でもありません。
別のことをしても失敗する可能性はあります。
ただ、比較する余地はあったと思います。
「FXは一人で完結できる」が魅力だった
僕がFXに惹かれた理由の一つは、
一人で完結できること
だったと思います。
顧客を探さなくていい。
人に営業しなくていい。
誰かに頭を下げなくていい。
相場の中で、自分の判断だけを試せる。
これはかなり魅力的でした。
でも後になって思ったのは、
その魅力には裏側もあるということです。
仕事で人と関われば、
説明する力が身につくかもしれない。
相手の必要を理解する力が身につくかもしれない。
誰かと協力する経験が残るかもしれない。
信用や人間関係が残るかもしれない。
FXでは、そうした面倒を避けやすい。
でも同時に、
仕事を通じて得られるものの一部も避けていた
のかもしれません。
面倒がない方法には、別の代償もある
顧客対応が嫌なら、
顧客のいない稼ぎ方は魅力的に見えます。
会社が嫌なら、
一人でできる方法は魅力的に見えます。
でも、
「嫌なものから離れたい」
だけで方法を選ぶと、
その方法自体を本当にやりたいのかが分からなくなることがあります。
僕自身、
FXが好きだったというより、
別の苦しさから離れる方法としてFXを見ていた部分もあった
のだと思います。
「どう勝つか」の前に「なぜやるか」
当時の僕は、
手法をかなり比較しました。
このやり方がいいのか。
あのやり方がいいのか。
スキャルピングか。
デイトレか。
別の条件か。
でも今なら、
手法より先に比較します。
「その時間を、どこに使うか」
です。
なぜFXなのか。
その時間を使ってでもやりたいのか。
もし勝てなかったとしても、その時間に意味を感じられるのか。
この問いを先に持っていれば、
5年間の使い方も少し違っていたかもしれません。
うまくいかなかったとき、何が残るのか
今は、何かに時間を使うとき、
成功した場合だけでなく、
失敗した場合に何が残るか
も考えるようになりました。
技術が残る。
経験が残る。
人とのつながりが残る。
作ったものが残る。
実績が残る。
もちろん、何をやっても必ず何かが残るわけではありません。
でも、
「うまくいかなかったとしても、次に持っていけるものがあるか」
は、時間を使う場所を考える一つの基準になると思っています。
FXを否定したいわけではない
ここで、
「FXをやる意味はない」
と言いたいわけではありません。
相場そのものが好きな人もいます。
分析すること自体が楽しい人もいます。
リスクを理解した上で、取引を楽しんでいる人もいます。
そういう人に、
「やる理由がない」
と言うつもりはありません。
僕が考えているのは、
FX自体が好きなわけではないのに、ただお金を稼ぐために何年も勝てる方法を探している場合
です。
そのときは、一度だけ順番を逆にしてもいいと思います。
「どうすればFXで勝てるか」
ではなく、
「なぜ自分はFXで稼ごうとしているのか」
から考える。
目的が分かれば、
FXは唯一の選択肢ではなくなります。
手法より先に、自分の時間を考える
僕は5年間、
「どの方法なら勝てるか」
を考え続けました。
今なら、その前にこう聞きます。
この方法に、自分の時間を使いたいのか。
うまくいけば何が得られるのか。
うまくいかなかったとき、何が残るのか。
そして、
本当に欲しいものは、
FXでしか手に入らないのか。
「なぜFXなのか」
という問いに答えられなくても構いません。
でも、
手法を探し始める前に、一度だけ考えておく。
それだけでも、時間の使い方は少し変わるかもしれません。