投資の基本を学ぶ ダウ理論 第2回
トレンド転換のサインを見極める
よく出現するチャートパターンで、トレンドの変化に気づく
第1回では、ダウ理論の基本として「高値と安値の動き」からトレンドを見る方法を学びました。
では、トレンドは、いつ変わるのでしょうか?
ポイントは、チャートの形を覚えることだけではありません。それまで続いていた高値・安値の更新が、できなくなってきたかを見ることです。
上昇トレンドなら「直近の高値を更新できない → その高値の起点となった安値を下回る」
下降トレンドなら「直近の安値を更新できない → その安値の起点となった高値を上回る」
この「流れの変化」を見つけることが、トレンド転換を捉える第一歩です。
上昇トレンドの終わりでよく見られるパターン(天井圏)
ダブルトップ
上昇トレンドの中で高値を2回つけ、2回目の高値が1回目を明確に更新できない形です。
「高値を更新できなくなった」という変化が、最初の注目ポイントです。
その後、2つの高値の間にできた安値=ネックラインを下抜けると、上昇トレンドから下降方向への転換を示唆するポイントになります。
トリプルトップ
高値を3回つけても上値を更新できず、同じ価格帯で跳ね返される形です。
何度も高値を更新できないことから、上昇の勢いが弱くなっている可能性に注目します。
ネックラインを下抜けたところは、上昇トレンドから下降方向への転換を示唆する重要なポイントです。
三尊(ヘッド&ショルダー)
左肩・頭・右肩の3つの山を作り、中央の頭が最も高くなる代表的な天井パターンです。
右肩は頭より低い位置で形成され、さらにネックラインを下抜ける流れに注目します。
特にネックライン割れは、上昇トレンドの構造が崩れたことを確認するポイントになります。
下降トレンドの終わりでよく見られるパターン(底値圏)
ダブルボトム
下降トレンドの中で安値を2回つけ、2回目の安値が1回目を明確に更新できない形です。
「安値を更新できなくなった」という変化が、最初の注目ポイントです。
2つの安値の間にできた高値=ネックラインを上抜けると、下降トレンドから上昇方向への転換を示唆するポイントになります。
トリプルボトム
安値を3回つけても下値を更新できず、同じ価格帯で反発する形です。
何度も安値を更新できないことから、下降の勢いが弱くなっている可能性に注目します。
ネックラインを上抜けたところは、下降トレンドから上昇方向への転換を示唆する重要なポイントです。
逆三尊(インバース・ヘッド&ショルダー)
3つの谷を作り、中央の頭が最も深くなる代表的な底値パターンです。
中央より深い安値を作れず、右側で安値を切り上げていく流れに注目します。
ネックラインを上抜けると、下降トレンドから上昇方向への転換を示唆するポイントになります。
実際のチャートでは、どこを見る?
ここまでパターンを見てきましたが、実際のチャートでは、いつもきれいな形が出るとは限りません。
そこで大切なのが、パターンの名前を探すのではなく、高値と安値の変化を見ることです。
① 高値が切り上がっているか?
② 安値も切り上がっているか?
③ その後、高値を更新できなくなっていないか?
④ 直前の重要な安値を下抜けていないか?
③→④の変化が出てくると、上昇トレンドの流れが崩れ始めたと考える材料になります。
例えば、今まで「高値 → 高値」と上に更新していたのに、次の高値を超えられなくなったとします。
さらに、その後に直前の安値まで下抜けたら、「今まで続いていた上昇の形が崩れた」とチャートから読み取れます。
① 安値が切り下がっているか?
② 高値も切り下がっているか?
③ その後、安値を更新できなくなっていないか?
④ 直前の重要な高値を上抜けていないか?
③→④の変化が出てくると、下降トレンドの流れが崩れ始めたと考える材料になります。
つまり、実際のチャートでは「どんなパターンか」だけを見るのではなく、「高値・安値の流れが今までと変わった場所」を探すことがポイントです。
そして、ダブルトップや三尊などのチャートパターンは、その変化を見つけるための補助として使うことができます。
こうした相場の基本は、初心者の方だけに必要なものではありません。
中級者の方でも、「ダウ理論は知っている」「高値・安値の見方はわかっている」と思っていても、実際のトレードになると、わかっているはずのことができていなかったり、判断が曖昧になってしまったりすることがあります。
「知っている」と「実際にできる」は、同じではありません。
プロ野球選手でも、どんな一流選手でも、キャッチボールや素振り、基本練習を怠ることはありません。
それだけ、基本を繰り返すことは大切だからです。
ダウ理論も同じです。
一度学んで終わりではなく、何度も見返し、何度も確認し、実際のチャートで繰り返し練習する。
そして、迷ったときや「なかなか勝てないな」と感じたときこそ、もう一度初心に戻って基本を見直してみる。
わかっていることでも、何度も繰り返して頭と感覚に叩き込む。
それは、どんなトレーダーにとっても大切なことだと思います。
「基本だからこそ、何度でも確認する。」
このシリーズでは、そんな当たり前だけれど、とても大切なことも含めて、相場の基本を一つずつ整理していきます。
次回予告
次回は、レンジ相場の見極め方について、トレンド相場との違いや、高値・安値の動きに注目しながら見ていきます。
※チャートパターンはあくまで相場の見方の一つであり、必ずトレンド転換することを示すものではありません。