第17話:完成したACEに、もう一度メスを入れる
ACE Gold EA Ver.1 -GENESIS-
長いバックテストを走り、
何度も失敗し、
守備を増やし、
また外し、
ようやくひとつの完成形にたどり着きました。
普通なら、ここで開発は終わりです。
完成したEAを販売し、
あとは結果を見守る。
それでもよかったのかもしれません。
でも、8年半のバックテストを何度も眺めているうちに、
どうしても気になることがありました。
ACEには「得意な時代」と「苦手な時代」がある
最終的には利益を残している。
だから、ACEそのものが間違っているわけではありません。
しかし、その8年半を細かく見ると、
ずっと同じように勝っているわけではありませんでした。
よく走る時期。
なかなか前へ進めない時期。
そして、
明らかにACEが苦しんでいる時期。
長期で見れば利益になっているからといって、
「勝っているからOK」
で終わらせてしまえば、
その理由は永遠に分かりません。
僕が知りたくなったのは、
ACEは、なぜそこで負けたのか?
ということでした。
完成品を壊したくはない
ここで一つ、大きな問題があります。
EAは改善しようとすればするほど、
簡単に壊れます。
負けたトレードを見つけて、
「ここを禁止すればいい」
「この条件を追加すればいい」
と修正していけば、
バックテストの数字はいくらでも良くできます。
でもそれは、
未来でも強いEAになった
という意味ではありません。
過去の答えを知ったうえで、
過去に合わせただけかもしれない。
いわゆる過学習です。
だからVer.2では、
最初に一つのルールを決めました。
勝っているACEには触らない。
変えるのは、
間違っていると証明できた部分だけ。
「もっと利益を増やしたいから変える」
ではありません。
「この動きには明確な問題がある」
という証拠が見つかった時だけ、
そこにメスを入れる。
Ver.1は壊さない。
GENESISを基準として残し、
そこから一つずつ比較していく。
Ver.2は「強化版」ではない
Ver.2開発の目的は、
何でも追加した豪華版を作ることではありません。
もっと守備を増やすことでもない。
もっとエントリーを増やすことでもない。
目標はただ一つ。
ACEが間違える瞬間を見つけること。
その間違いだけを、
少しずつ減らしていく。
それで利益が増えればいい。
取引回数が減るだけかもしれない。
何も改善しない可能性だってある。
それでも構わない。
答えを先に決めず、
8年半の記録をもう一度、
最初から調べ直します。
GENESISは完成しました。
でも、
ACEの研究は終わっていません。
完成したACEを手術台に乗せ、
今度は、
「どうすればもっと勝てるか」
ではなく、
「ACEは、どこで判断を間違えているのか」
を探します。
ここから、
ACE Gold EA Ver.2
の開発が始まります。
次回
「勝っているACEには、触らない」
バックテストを良くするだけなら簡単です。
負けた場所に条件を追加すればいい。
でも、それを繰り返せば
ACEは過去専用のEAになってしまう。
Ver.2で最初に決めた
絶対に破ってはいけない開発ルール。
次回は、そこから始めます。