Nウェーブを知らずに、押し目も戻りも語れない
Nウェーブを知らずに、押し目も戻りも語れない
その波の基本形が「Nウェーブ」だ。これを知らずに押し目は語れない。
ダウ理論とマルチタイムフレームで、環境認識の土台を築いてきました。ここからは、値動きの「リズム」を読むための手法、Nウェーブに入ります。Nウェーブを理解すると、「押し目」や「戻り」がなぜ生まれ、どこで起こるのかが、はっきり見えるようになります。
逆に言えば、Nウェーブを知らずに押し目買いや戻り売りを語るのは、値動きのリズムを理解しないまま、感覚でやっているのと同じ。今回は、Nウェーブとは何か、なぜそれが重要なのかを、丁寧に解説します。
相場は、波を打って進む
相場は、一直線には動きません。上昇トレンドでも、上げては少し下げ、また上げては少し下げ、というジグザグの波を描きながら、進んでいきます。この波の動きを理解することが、値動きを読む鍵です。
この「上げて、下げて、また上げる」という一連の動きが、アルファベットの「N」の字に似た形を描きます。これがNウェーブです。上昇なら、上げ(1)→押し目の下げ(2)→再度の上げ(3)という3つの動きで、Nの形になる。下降トレンドなら、その逆さまの形です。
① 上げる(第1の上昇)
② 少し下げる(押し目)
③ 再び上げる(第2の上昇)
この①②③が「N」の字を描く。
下降トレンドなら、上下反転したNの形になる。
押し目とは、Nウェーブの「②」だ
ここが重要です。「押し目」とは、Nウェーブの②の部分、つまり上昇の途中の一時的な下げのことです。Nウェーブを理解すると、押し目が値動きのどこに位置するのかが、構造的に分かります。
上昇トレンドで押し目買いをするというのは、Nウェーブの②の下げが終わり、③の上昇が始まるところを狙う、ということです。漠然と「下がったところで買う」のではなく、「Nウェーブの②から③への転換点で買う」と、明確に位置づけられる。これが、Nウェーブを知ることの価値です。
「戻り」も同じです。下降トレンドにおける一時的な上げ(戻り)は、下降のNウェーブの②にあたります。戻り売りとは、この②の上げが終わり、③の下げが始まるところを狙うこと。押し目も戻りも、Nウェーブの構造の中で、明確に理解できるのです。
Nウェーブが、エントリーの根拠になる
Nウェーブを理解すると、エントリーに構造的な根拠が生まれます。「なんとなく下がったから買う」ではなく、「上昇トレンドのNウェーブで、②の押し目が終わり、③の上昇が始まるから買う」という、明確な根拠を持てるのです。
根拠があるエントリーは、強い。なぜそこで入るのかを、自分の言葉で説明できるからです。逆に、Nウェーブを知らないと、押し目買いといっても、どこで買えばいいのか、なぜそこなのかが曖昧になります。Nウェーブは、押し目・戻りエントリーに、明確な骨格を与えてくれます。
ダウ理論・MTFと組み合わせる
Nウェーブは、単独で使うものではありません。これまで解説したダウ理論、マルチタイムフレームと組み合わせて、初めて威力を発揮します。
上位足のダウ理論で「上昇トレンド」と環境認識する。その上で、下位足のNウェーブで「②の押し目から③への転換点」を捉える。上位足で方向、Nウェーブでタイミング。この組み合わせが、根拠の強いエントリーを生みます。ダウ理論が「どっちに」、Nウェーブが「どこで」を、それぞれ担うイメージです。
Nウェーブを知らずに、押し目も戻りも語れない——これは、値動きが波を打って進む以上、その波の構造を理解せずに、波の一部である押し目・戻りは捉えられない、ということです。相場のリズムを、Nウェーブという形で理解してください。それが、押し目買い・戻り売りを、感覚から根拠へと変える、確かな一歩です。