第2回 利益を伸ばすことより、退場しないこと——USDJPY Ultimateの資金管理設計(全6回)
前回の記事では、USDJPY Ultimateがなぜトレンドフォローという「王道」を選び、そのうえで「入る条件」だけでなく「入らない条件」を設計の中心に据えているのかを紹介しました。
今回はその続きとして、決済とリスク管理についてお話しします。
どれだけエントリー条件を精密にしても、すべてのトレードが利益になることはありません。だからこそEAを設計するときには、「どうやって勝つか」だけでなく「負けたときにどう振る舞うか」を考える必要があります。USDJPY Ultimateでは、個々のトレードだけでなく、日単位・口座単位という複数の階層でリスクを管理する設計を採用しています。
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今回紹介する資金管理の仕組みを、実際のご自身の環境で確認できます。
損切りは、固定値ではなく相場に合わせる
損切り幅を固定のpips数で設定する方法は、シンプルで分かりやすい反面、相場の値動きの大きさが変化したときに対応しにくいという特徴があります。値動きが大きい相場で損切り幅が狭すぎれば、トレンドそのものが崩れていなくても短期的なノイズで損切りされてしまいますし、値動きが小さい相場で必要以上に広い損切り幅を設定すれば、価格が大きく動いていないのに想定以上の距離を許容することになります。
そこでUSDJPY Ultimateでは、損切り幅を固定値ではなく、その時点の値動きの大きさ(ATR)に連動させて変化させる設計を採用しています。値動きが大きい局面ではSL幅も広く、小さい局面では狭くなる形です。
ただし、ここは誤解のないようにお伝えしておきたい点です。ATR連動SLは、「1回のトレードで許容する金額リスクを常に一定にする」ための仕組みではありません。ロットサイズを固定して運用する場合、ATRが大きくなれば損切りまでの距離も広がるため、損切りに到達した際の金額損失はむしろ大きくなる可能性があります。この仕組みの目的は損失額を一定にすることではなく、相場の値動きの大きさに合わせて損切りの「位置」そのものを調整することにあります。
利益は、固定の目標まで確保しつつ、反転前の含み益もできるだけ守る
損切り側が相場に応じて変化する一方、利益確定については一定のpips幅を目標として設定しています。
そのうえで、含み益が一定水準まで伸びた場合には、トレーリングストップが作動します。これは、含み益の増加に合わせて決済ラインを利益方向へ追随させる仕組みで、価格が目標に届く前に反転してしまった場合でも、それまでに乗った含み益をできるだけ確保することを狙っています。
目標を超えて利益を無限に伸ばし続けるものではなく、
「目標到達前の反転局面で、利益を取りこぼしにくくする」
ための仕組み
資金管理は「トレード単位」だけではない
ここまでは、1回のトレードについてのリスク管理です。しかし、一つひとつの損失が許容範囲内であっても、相場との相性が悪い状態が続けば、損失が積み重なる可能性があります。そこでUSDJPY Ultimateでは、「トレード単位」「日単位」「口座単位」という異なる階層でリスクを管理する考え方を採用しています。
ただし、これは損失を完全に防ぐことを保証する機能ではありません。急激な価格変動やスリッページ、通信環境の状況などによっては、設定した水準どおりに決済できない場合もあります。あくまで、損失の拡大を抑えるためのリスク管理機能として設計しています。
「勝つロジック」と「負けを管理するロジック」は別のもの
EAというと、どこで買うか・どこで売るかというエントリーロジックに注目が集まりがちです。しかし実際には、それだけで設計は完結しません。USDJPY Ultimateでは、SRSI・MA・ADX・日足RSIによる「勝つためのロジック」と、ATR連動SL・利確・トレーリングストップ・日次損失上限・口座全体のドローダウン管理という「負けを管理するロジック」を、別の役割として設計しています。
これは前回の記事で紹介した「入ることだけでなく、入らないことを設計する」という考え方にもつながっています。相場に絶対はありません。だからこそ、勝つ局面を増やすことだけでなく、負けたときに損失をどう管理するかをあらかじめルール化しておくことが重要だと考えています。
USDJPY Ultimateの資金管理に対する考え方
どんなEAを使っても、損失を完全に防ぐことはできません。それでも運用を続けていくためには、利益を最大化することだけでなく、大きな損失によって運用の継続が困難になるリスクをどう抑えるか、という視点が必要です。派手な利益を追求することだけでなく、負けたときにどうするのかまで含めて設計する。それが、USDJPY Ultimateの資金管理に対する考え方です。
次回は、こうしたロジックのパラメータをなぜ公開しているのか、その理由についてお話しします。
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【ドル円専用】王道のトレンドフォロー型EA「USDJPY Ultimate」※本記事は特定の金融商品への投資や売買を推奨するものではなく、EAの設計思想を解説することを目的としています。EAの運用には損失が発生する可能性があります。過去のバックテスト・フォワードテスト等の検証結果は、将来の運用成果を保証するものではありません。搭載されているリスク管理機能についても、急激な価格変動やスリッページ、通信障害、取引環境等によって、設定した水準どおりに決済できない場合があります。実際の運用にあたっては、リスクを十分に理解したうえで、ご自身の判断と責任においてご利用ください。