第15話:触れた。さて、ACEはどうする?
チャネルができた
上から見るチャネル
下から見るチャネル
ようやくACEに「目」ができました
でも
チャネルが描けただけでは
まだEAではありません
価格がラインに近づいてくる
そして
触れる
ここからが、本当の問題でした
ラインに触れたからといって、売買すればいいわけではない
最初は単純に考えていました
上側のラインに触れたらSELL
下側のラインに触れたらBUY
これなら分かりやすい
しかし実際のチャートを見ると
そんなに簡単ではありませんでした
ラインに触れて
きれいに反発する時もある
でも
そのまま突き抜けていく時もある
少しだけ抜けて戻る時もある
何度もラインを行ったり来たりする時もある
つまり
「触れた」という事実だけでは、何も決められない
反発なのか、ブレイクなのか
例えば上側のチャネルに価格が到達したとします
そのまま跳ね返されるなら
SELLを考えたくなる
でもそのラインを突破して
上へ走り始めるなら
今度はBUYの可能性が出てくる
同じライン
同じタッチ
なのに
その後の意味はまったく逆になる
ACEには
反発
と
ブレイク
を分けて考える必要が出てきました
「今の形」だけでは足りなかった
ここでもう一つ疑問が出ました
チャートの形だけ見て
このラインは反発しそう
このラインは抜けそう
と判断できるのか
もちろん人間なら
「なんとなく強そう」
「これは抜けそう」
と感じることがあります
でもEAに
「なんとなく」
は書けません
必要なのは
数字
でした
過去に、同じような場所では何が起きていたのか
そこでACEに
もう一つの役割を持たせました
今のラインを見るだけではなく
過去を調べる
このチャネルに似た状況で
過去に価格が触れた時
その後どうなったのか
反発したのか
ブレイクしたのか
どちらが多かったのか
何回起きて
何回成功したのか
少しずつ
ACEは
「線を描く道具」から
過去を調べる道具
へ変わっていきました
1回の成功では意味がない
ここでも最初は危険でした
過去に1回似た形があって
その1回が成功していたら
成功率100%
数字だけ見れば完璧です
でも
そんな100%には意味がない
1勝0敗と
100勝0敗は
同じ100%でも全然違う
だから
何回似たケースがあったのか
という母数も必要になりました
ACEの中に
成功率だけではなく
サンプル数
という考え方が入っていきます
「触れた」から「候補」へ
この頃から
タッチの意味も変わっていきました
最初は
タッチ = エントリー
に近かった
でも作っていくうちに
そうではなくなった
チャネルに触れた
↓
まず候補になる
↓
過去の似た場面を見る
↓
反発側が有利なのか
ブレイク側が有利なのか
↓
現在の条件も見る
↓
ようやくエントリー候補になる
つまり
タッチは入口ではなく、審査開始の合図
になっていきました
そして、候補はどんどん落とされる
今のACEには
たくさんの判定があります
でも最初から
全部あったわけではありません
最初は
チャネル
そしてタッチ
そこから
「このケースは危ない」
「これは入らない方がいい」
「同じ方向に持ちすぎている」
「今は相場の状態が違う」
そんな失敗を一つずつ見つけるたびに
条件が追加されていきました
ACEは
たくさんエントリーするためではなく
エントリーしない理由を増やしていったEA
とも言えます
最初のACEは、かなり素直だった
チャネルに触れた
過去成績も悪くない
なら入る
最初はそんな感じでした
でも実際に長い期間を走らせると
それだけではダメでした
相場は
いつも同じではありません
勢いが強い時
レンジの時
急変している時
一方向へ走り続ける時
過去には良かった形でも
今の環境では危ない
そんな場面が出てきます
「勝つ条件」より「負ける条件」
開発を続けていると
考え方が少し変わってきました
どうすればもっと勝てるか
よりも
どんな時にACEは間違えるのか
を見るようになった
勝つ時は
そのまま勝たせればいい
問題は
間違った時
その間違いを
事前に見つけられないか
止められないか
この考え方が
後のフィルターや防御ロジックへ繋がっていきます
チャネルだけだったACEが、判断を始めた
ここまで来て
ようやくACEは
チャートを見るだけの存在ではなくなりました
上から見る
下から見る
ラインに触れる
過去を見る
反発かブレイクかを考える
条件が揃えば
BUY
SELL
何もしない
この3つを選ぶ
ACEが初めて
「判断するEA」
になり始めた瞬間でした
でも
エントリーできるようになったら
次に待っていたのは
もっと大きな問題でした
入ることより、出ることの方が難しい
どこで利益を確定するのか
どこで損失を切るのか
伸びているポジションを
どこまで持つのか
守れば守るほど
本当に成績は良くなるのか
次回 第16話
「守れば強くなる――そう思っていた」
TP
SL
トレーリング
そして次々に増えていく防御
しかし
ACEはそこで
守りすぎると、逆に弱くなる
という問題にぶつかります。