全部を調べようとしたら、計算が終わりませんでした
AIツールといえども、無限に計算できるわけではありません。扱うデータが増えれば、それだけ時間もかかる。当たり前のはずなのに、実際にぶつかるまで見落としていたことでした。
前回→【第1話】間の時間軸を調べ終えたので、今度はもっと短いところに挑んでみました
前回までのおさらい
前回、私たちは「これまで手つかずだった、より短い時間軸(M15・M30)に挑む」という宣言をしました。短い時間軸ほど検証は厳しくなりやすいという予感を抱きながら、今回の検証を始めることにした、というところまでお伝えしました。
いつも通りに動かそうとしたら、始まりませんでした
これまでの検証では、内製ツール「IKLab AI戦略ビルダー」に「全期間のデータを対象にしてください」という指示を出し、それをそのまま実行する、というやり方を続けてきました。5分足(M5)でも、1時間足(H1)でも、4時間足(H4)でも、このやり方で問題は起きませんでした。
ところが、より短い時間軸(M15・M30)で同じことをやろうとしたところ、思わぬ壁にぶつかりました。1ペアあたりの計算が、これまでとは比べものにならないほど長くかかることが分かったのです。
【画像:33_data_vs_time_tradeoff.png をここに挿入予定(オーナーが手動で貼付)】
なぜ、これまでと同じやり方が通用しなかったのか
理由を整理すると、意外とシンプルでした。時間軸が短くなるほど、同じ期間の中に含まれる値動きのデータ(本数)は増えます。そして私たちのツールは、1つの候補を見つけるたびに、その候補が本物かどうかを5つの異なる角度からしつこく確認する、という頑健性検定を行います。この確認作業は、候補ごとに何度もバックテストをやり直す構造になっているため、扱うデータの本数が増えるほど、確認にかかる時間も比例して膨らんでいきます。
つまり、時間軸を短くするということは、「同じ期間をより細かく見る」ということであると同時に、「検証にかかる計算の量そのものを増やす」ということでもあったのです。これまでの時間軸では気にする必要のなかったことが、短い時間軸では無視できない壁として立ちはだかりました。
「全部を見る」を、いったん諦める
実際に試してみたところ、全期間のデータのまま検索を進めようとすると、1つの通貨ペアを調べ終えるだけでも、これまでの検証とは桁が違う時間がかかることが分かりました。しかも、この作業を私たちは29の通貨ペア分、繰り返し実行する必要があります。このままのやり方を続ければ、現実的な時間内には到底終わりません。
そこで私たちは、一つの選択を迫られました。「全部を見る」ことにこだわるか、それとも「今、確認できる範囲で見る」ことに切り替えるか。 悩んだ末、私たちは後者を選びました。全期間をそのまま調べる代わりに、直近の一定期間に絞り込んで検証する、という方針です。
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絞り込んで、なんとか動かせるところまで持っていく
具体的には、これまで問題なく検証できていた時間軸(4時間足)と同じくらいの計算量に収まるように、対象とするデータの本数を調整しました。時間軸そのものは短くしつつ、扱うデータの本数はこれまでと同じ規模に揃える、というやり方です。
結果として、これまで通りの現実的な時間で計算を終えられるようになりました。ただし、これは大事な代償を伴う選択でもあります。時間の分解能(どれだけ細かく値動きを見るか)は上がった一方で、カレンダー上でさかのぼれる検証期間は、これまでより短くなったということです。「全履歴を見た」とは、もう言えません。
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この選択を、正直に持ち越します
この「絞り込み」は、これまでのシリーズには一度も登場しなかった、今回だけの技術的な対応です。だからこそ、この事実を隠さずに、この先の記事でも繰り返しお伝えしていくつもりです。「短い時間軸を調べた」という結果だけを見せて、「実はカレンダー上は一部の期間しか見ていなかった」という事実を後から知る、という展開は、この研究所の姿勢に反します。
具体的にどれくらいの期間に絞り込んだのか、対象の通貨ペアはどこだったのか。詳細は、この先の記事でお伝えしていきます。
免責事項
- このnoteで発信する内容は、特定の売買を勧めたり、投資の助言をしたりするものではありません。あくまで情報の共有です。
- 過去のデータをもとにした検証結果は、将来も同じ結果になることを約束するものではありません。相場は常に変化します。
- 実際に売買を行うかどうかの判断は、必ずご自身の責任で行ってください。
次回は、この絞り込みを経てもなお、良さそうな数字が並んでいたのに一つも受からなかった、という経験についてお届けします。よろしければフォローしていただけると、次の記事もお届けできます。
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次回:【第3話】良さそうな数字が並んでいたのに、一つも残りませんでした